- [著]フィリップ プルマン
- [原著]Philip Pullman
- [翻訳]大久保 寛
- カテゴリ:
- 文庫 (342頁)
- ISBN:
- 4102024123
- 発売元:
- 新潮社 (2003/10)
- 価格:
- ¥ 620 (税込)
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ダイモンとかの発想がいい
映画の「ライラの冒険 黄金の羅針盤」を見た方が先でした。
映画は第1部とはいえ、正直中途半端な終わり方だなぁと思っていたんですが、
パンフレットに原作が英国で凄く評価されている、というような書き方をされていたので、
原作に興味を持って読みました。
小説を読んでみての感想ですが、私は小説の方がおもしろいです。
小説も、基本映画と一緒なんですが(まぁつまり映画が、小説と一緒なんですが)、
ライラが家族についてジプシャンから教わるところなど微妙だけど重要な点が、
序盤にさらっと書いてありました。
重要なことが、謎ではなく事実としてライラと読者に提示されていて、
それを理解した状態で話が進んでいくので、
話の展開が早くても充分に消化していくことができました。
きちんと説明されて先に進みたい方は小説を読んだ方がすっきりすると思います。
映画の黄金の羅針盤は、下巻の途中までの内容です。
原作の方がもう少し先まで、しかもすごく重要なストーリーのシーンまで含まれています。
下巻のラストは衝撃的でした。
そーかー、このシーンの前で切ったのか。
映画的には、下巻のラストまでやったほうが、ストーリーも盛り上がった上に、
次が気になって、興行的にも盛り上がったんじゃないかなぁ。
2部以降ボリュームが多くて映画の尺がたりるのかな。
キリスト教から離れましょうといいつつ離れられない微妙な話
本当は作者の意図からすっかり外れているかもしれませんが、この3部作を読んで私が受け取ったメッセージは、「信仰は人類社会の安定に一定の寄与をしてきたが、その排他性故に、しばしば鋭い対立を生む原因にもなってきた。人類の特性として本当に素晴らしいのは、愛することと、自由に思索することで、特定の宗教に依拠することではない。もうそろそろ人類は宗教から卒業したっていいのではないか?」といったようなことです。正直、結婚式はキリスト教、葬式は仏教、困ったときは神頼み、みたいな日本では、ややピンとこない話のような気がします。しかし、壮大なテーマはとりあえずうっちゃって、愛すべき嘘つき少女ライラの冒険譚として楽しむこともできます。
まあまあ楽しめたのですが、私は、無理やり現実界と結びつけた「神秘の短剣」が特につまらないと思いました。ダークマターだのエヴェレット解釈だのは本当に願い下げです。一度けちがつくとどうしても第3部の評価も低くなります。「(タイトルである)琥珀の望遠鏡、役に立ってないじゃん」とか... そんな訳で星は2つにしました。「黄金の羅針盤」だけなら星4つくらいだって良かったのですが、どう読んだってこれだけでは話が完結していないので、残り4冊も読んで、「ライラの冒険」シリーズ全体の評価をつけました。
さて、この3部作の解説には、ハリー・ポッターを卒業した読者が次に読むはなしだという位置づけがされているようだありますが、私はそうは思いません。ハリー・ポッターは後ろの巻に行くにしたがって高年齢向け(まさにハリーの年齢くらいの子供向け)で、第7作の展開は相当ハードで少し上の年齢向けです。ライラの冒険は、やっぱり主人公と同じ 13,14才の子供向けという気がします。
世界観を理解すれば面白い
ライラの冒険シリーズは、第一部『黄金の羅針盤』(上・下)、第二部『神秘の短剣』(上・下)、第三部『琥珀の望遠鏡』(上・下) からなる。本書は、その第一作目。
主人公ライラは、12歳の少女。勝気で、おてんばで、この上なく饒舌。彼女の世界に住む人はみな"ダイモン"と呼ばれる守護霊を持つ。ダイモンは、人が子供のときには姿を自由に変えられるが、大人になると一定の姿に固定してしまう。
ライラの世界では、ダイモンの姿が固定する前の子供が誘拐される事件が多発していた。そして、ライラの親友であるロジャーまでも姿を消す。ライラはロジャーや他の子供達を救出しようと決意する。
何より、他のヒロインとは一線を画すライラの個性は新鮮でした。また、真実を示す真理計の真理の示し方が奥が深く、想像力をかきたてます。馴染みの薄い宗教的な要素については、読み進めていくうちにこの世界観の一部として理解できるようになりました。
冒頭部分は、主要な人物紹介と後の伏線的エピソードなどやや冗長な感じがしました。映画もでは、いくつかのエピソードをくっつけたり、削除したりしていました。冒頭の冗長さを解消する策だったように思います。100ページあたりから、ようやく世界観がつかめてきて、ストーリーのスピード感も増してくのが分かりました。
世界観をつかむまでは少し時間がかかりますが、そのあとは一気にのめりこむことが出来ます。
翻訳に関しては、原文が予想できるような直訳だったのが残念です。日本語の作品として読めるようにするには、もう少し手を加えてもよかったのではないかと思います。
もうすぐ上映
ファンタジーが好きで今までハリー・ポッターやロード・オブ・ザ・リング、ネシャン・サーガなど読んできました。
ライラの冒険はこれに匹敵するぐらいおもしろい話です。ファンタジーの内容だけど、どこか現実味があり、科学的内容(この作品の中での科学的内容ですが…)も含まれていて大人でも楽しめる内容となっています。
主人公のライラはとってもおてんば娘(こんな主人公でこの先大丈夫なのか?)。守護精霊のしっかりもののパンタライモン(精霊のパンは作品の中で様々な姿に変身しライラを助けます)。この話しでの羅針盤の役割。死んでいたと思っていた両親が生きていた。
など、とても王道な内容だとはこのレビューでは感じるかもしれません。しかし、この王道的な内容を実に上手く組み合わせていていい作品に仕上がっています。
まず読んでみて下さい。絶対に裏切らない作品です。ただし、続きが気になる内容になっていますので寝不足になるかもしれないのでそれだけ覚悟をしていて下さい。
ダイモンを持てるならワタリガラス
”ライラの冒険”の魅力は、私にとっては、守護精霊(ダイモン)の存在にあります。
ライラの世界の人間は、かならず、一人に一体の守護精霊(ダイモン) を持っていて
お互いに、離れられない存在となっています。
守護精霊(ダイモン)は、どんな時でも話し相手となってくれ、
人間が死ぬまで常に一緒に存在します。ダイモンは、会話することができて
人間が子供の時は、鳥やオコジョや、昆虫あらゆる生物に変身できて、大人になると、
1つの姿に定まります。
私がもし自分のダイモンを持てるなら、それは、鳥、たぶんワタリガラスが
よくて、どんなに満ち足りた生活ができるかと想像できます。
ダイモンのいる世界では、人は孤独とは無縁な存在に思え、ダイモンを持たない
人間がかわいそうに思えます。
ファンタジー小説は、たとえば、主人公がに常に悪に追われる
ようなストーリーと、なぞを解く為、目的を持ってに異世界をどんどん
旅する種類のものがあると思います。
前者の代表が指輪物語、後者は、イルスの竪琴(パトリシア A.マキリップ )
魔術師の帝国、シルバーソーン(レイモンド E.フィースト)などが思あたります。
”ライラの冒険”は、どちらかと言うと後者にあたりますが、
そのスケールは、かって読んだファンタジー小説の粋をはるかにしのぎ
意外性に驚かされます。
あらゆるパラレルワールドを巻き込んだ戦争、教会と神への挑戦、
パラレルワールドから、一転、オックスフォードの暗黒物質研究所を訪れたり
単なる児童書ではない奥深さが感じられます。
小道具も魅力的で、真実を告げる”黄金の羅針盤”、あらゆるものを切り刻む
ことのできる”神秘の短剣”は、最高位の天使さえも滅ぼすことが可能です。
まるで小学校の教科書です
ファンタジー好きの私も読んでいて辟易してしましました。
あまりにも平仮名が多く、まるで、
しょうがっこうのていがくねんのきょうかしょをよんでいるようです。
ハリポタではこんなこと全く感じなかったので、すごくストレスを感じました。
それに、翻訳もイマイチで、話しにのめりこめなかったです。
他の人が翻訳したら、全く違っただろうなと思うと、惜しいです。
ストーリーは「黄金の羅針盤」はこれから冒険が始まるところで終わるので、
次の「神秘の探検」や「琥珀の望遠鏡」のほうが面白いです。
でも、はっきり言って、読むのは時間の無駄、やめておいたほうがいいと思います。
本は読まずに、映画だけ観るほうがいいと思います。
ライラ、運命に導かれ…
"The Golden Compass"が映画化されると聞き、一念発起して原書で読むことにしました。現在、シリーズ3部作の第2巻を読んでいる段階なので、1巻単体で評価します。"The Golden Compass"の特徴は、テンポのいい展開、無駄のない描写、読み易い英語、洗練された文体です。読んでいて一瞬たりとも退屈しませんし、苛々することもありません。更に注目すべき点は、世界観や人物像に見る高いオリジナリティです。やんちゃで嘘つきな主人公の少女ライラは、世界を救うという重大な使命を背負い、次々と迫り来る危機に立ち向かいます。ライラは、剣や魔法を使いこなす典型的な「勇者」ではありません。彼女の武器は、知恵と勇気と真実を告げるアイテム'alethiometer'のみ。そんな斬新なヒロインである彼女が道を切り開く様子には、目を奪われること間違いなしです。今後の彼女の成長が楽しみです。ライラを取り巻く大人達の描写も善悪二元論では割り切れず、人間臭くて面白みがあります。世界観についてですが、SF的要素とファンタジー的要素を無理なく融合させ、尚且つ宗教的テーマをふんだんに盛り込んでいます。例えば科学と(キリスト教的な)教義の衝突、教義に対する反発、原罪、原罪からの解放を求めること、などです。(ファンタジーで私の関心事であるテーマに触れられるとは、思っていませんでした)。この壮大な独自の世界観は、完成度が高いと思います。作者の豊かな想像力に、脱帽せずにいられません。…作品の雰囲気は、あくまで重々しくダークで高尚、安っぽさは微塵もありません。 "The Golden Compass"は、RPG的感覚で読める作品を求める人には、不向きかもしれません。でも今までに無い感覚のファンタジー、高尚なファンタジーを求める人は、是非読んでみてください。この作品は私の期待を大きく上回るので、迷わず星五つをつけます。
This is the first book in the Dark Materials story.
It is not worth reviewing or reading the reviews of “The Golden Compass” (British title “The Northern Lights”) until one has finished the complete story of “Dark Materials” by Philip Pullman.
As with any genre the author is trying to express a concept or make a point. By using the genre, whether it is westerns sci-fi or historic peace, the author envelops the concept in a palatable story. Sometimes the envelope completely masks the purpose of the story; at other times the purpose is so blatant that one doesn't even know why anything was being enveloped. This is one of those rare stories that polarize readers from one extreme to the other.
We recognize and other phenomena about this story. In many stories the reader rule look at the antagonists are protagonist and once in awhile can sympathize but never recognizes themselves as the protagonist. In Philip Pullman's his “Dark Materials” it seems that everybody recognizes themselves with an “if the shoe fits attitude” whether it is really them or not.
Now dark materials, book one “The Golden Compass.” Lyra who ran wild around Jordan Collage at Oxford is now hiding in a closet in the Retiring Room. There she sees that the Master is about to poison her uncle Lord Asriel. Now Lyra must figure out who are the good guys from the bad, if there are good and bad guys. In the process she fund find and fulfill her destiny without fully realizing what that destiny is. The people and creatures around her know more of her destiny than she does. Soon she must leave Jordon College and is given a beautiful golden instrument with pictures and arms that resemble a compass. What she is supposed to do with it is not clear at first.
世界観がつかみにくい
人間すべてがダイモンとよばれる
自分の守護精霊を持っているパラレルワールドが舞台。
子どもたちがさらわれる事件がおこり、
おてんばな女の子ライラは、事件にまきこまれつつ奮闘する。
登場する地名はオックスフォードや北極など馴染み深いものなのに
人間がダイモンをもっていることが当然の事実として書かれており、
世界観の把握にとまどいました。
またライラの世界では、人間の倫理観がこちらとは少し違うようで
あっさり暗殺や殺人が行われているような気がします。
教会の権力も強く、現代とは異なる時代のお話なのかもしれません。
主人公のライラにしても、お転婆を通り越してちょっと野蛮ですが
みんなに愛されています。
彼女は「特別な子ども」ということを、大人たちは知っているようです。
真実を図る羅針盤を持ち、いろいろな人に助けられ、いろいろな人を助け、
ライラは北極に向かいます。
気になるのは、ライラを育てていた学寮長の予言。
「ライラは必ず裏切る。それは本人にとってつらいことだ」というもの。
この先、ライラに何が待っているのか、心配です。
大人のファンタジー
ファンタジーを殆ど読まない私がすっかり魅入られてしまった作品。
「ライラの冒険シリーズ」3部から構成される物語の第1部上巻です。
ファンタジー作品といえば子供向けというイメージがありますが、この作品は子供にはあまり向かないと思います。
とにかく人がバタバタと死んでいきます。
その時点で「これってファンタジーなの」って思わされるんですが、更に主人公のライラがとんでもない嘘つきで下品で乱暴とくれば、夢を持たせるファンタジーの前提に反している設定に驚きさえ感じます。
第1部の「黄金の羅針盤 上」は、行方不明となった友人と叔父を追って彼女が住む世界の北へ向かう話です。
タイトルの「黄金の羅針盤」とは、物語中で質問に対して真理を教えてくれるアレシオメーター(真理計)のことです。
彼女はその真理計を読む力を身につけることで、避けては通れぬ冒険の道へ歩み出し、その旅の途中で魔女や鎧熊の王と出会い、その奔放な性格から彼らを友として物語は展開していきます。
漫画的なファンタジーではなく、硬派なファンタジーを求める方であれば、必ず満足出来る作品だと思います。
