- [著]Michael Ende
- [翻訳]J.Maxwell Brownjohn
- カテゴリ:
- ペーパーバック (240頁)
- ISBN:
- 0140317538
- 発売元:
- Puffin Books (1985/02/28)
- 定価:
¥ 925 (税込)- 在庫状況:
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Momo
エンデのMomo、部分的に知ってはいたものの、恥ずかしながら初めて完読しました。個人的にはこの英訳は、割合素直で読みやすい方だったと思います。
改めて全部通して読むと、エンデは現代人の姿を見通していたのだなと思うし、それを児童文学という形で残したことが凄いと思いました。
時間に追われるように過ごしてしまった時に、何かが足りないと感じる、そして自分らしさを自分なりのやり方(例えば好きな音楽を聞いたり本を読んだりなど)で取り戻したときに、何かホッとした心地を感じることがありますが、ああそれってこういうことだったのかと読んでいて思い出され、そのことの大事さを改めて思いました。
また、昔の子供達は一見ボーっとしていても何か空想して遊んでいたり、また意味の無いようなごっこ遊びが好きだったものですよね。ちょうど、このMomoの周りに集まってきた子供達が元々遊んでいたように。それが、今の子供達は幼児期は別にしても、どちらかというと意味のあることとか成果がはっきりしている遊びが主になっているように思われ、これでいいのかなと改めて考えさせられます。今の子供達が大人になったときにどうなのかなと。
とにかく、どんな時に満ち足りて豊かな気分になるかを改めて思い出し、豊かな時間を過ごすことの大切さを改めて思いました。それさえあれば、人は人間らしさを失わずに生きていけるんだろうなと。また、自分の子供の頃の比較的のんびりとしたいわゆる本来の子供らしい時間の過ごし方と比べた上で、現代の子供達がやや心配になったりもしたのでした。
実用第一主義とか成果・効率第一主義に追われてしまう人生ってナンなんだろうと、改めて考えさせられました。また、そういう主義の観点から見て落第者とか成功者とか、人の人生を簡単に決め付けたり判断したりすべきではないと思います。人間って、もっと奥深くてミステリアスで味わい深いものだと思うのです。大人も読むべきだと思いましたね。
ドイツ語で読めないのがちょっと残念
エンデ氏の挿絵がある日本語訳を入手したかったのですが、手近なところで英訳本を読みまし
た。おそらくは、とても丁寧に訳されたのだと思いますが、ドイツ語で読んだら本当によかっ
たと想像します。日本語訳はおそらく、英訳よりもいいのではないでしょうか?(英訳を否定
しているのではありません)
昔、ネバーエンディングストーリーが映画になった数年後、学校の先生がこの本を読んでいた
のをみたことがあります。それから10年たち、会社づとめの際にも「モモ」を読もうかなと
思うことがありましたが、とうとう手にとりませんでした。その後、15年が経ち、株式投資
の本や自然食などの本をよんでいたら、とうとう読まざるおえなくなりました。
例えば、お金がないと生きていけない世の中というのは、まさにこの「灰色の男達」しつら
えた世界です。
農薬、遺伝子組み換え、安全性の定かではない商品、矛盾の多い金融システム、株式相場の
状況、人を学歴や年齢などで分類しどんどん消費していく世界・・・これら注意している人
は多いと思いますが、今までの世界のしくみでははっきりと姿がみえてきませんでした。
だんだん、この「灰色の男達」のシステムのめっきがはがれてきて、世の中で根本的なことに
ついての疑問の声がいろんな国々でここ数年、声高に聞かれるようになりました。
多分、この本を読むのにいいタイミングだとおもいました。
時間とお金のこと、これらで得をすることを考えるのに気持ちが忙しくて、心と体に美味し
い食事をゆっくりと味わったり、人の会話を楽しんだり、自分の体と心が満足することに時間
が割けなくなってきています。世の中に溢れるのは、食欲、性欲、物欲を満足する道具ばか
り。人間や食べ物、自然、己の人生についても愛情を忘れてしまったかのようです。
このシステムの中で働き、家を買い、買い物をし、食事をし、余暇をすごすことで、ほとんど
奴隷かもしくは牧場の中の動物のようになっているような気がしてきます・・・
システムは利用することで価値がでてくるのでしょうが、なにが幸せかというおしつけの幸せ
像を植えつけられてしまった場合、死ぬまでなんのための人生だったのか気がつかないでし
ょう。
きいたところでは、日本の子供の好きなものは「コンビニ」だそうです。びっくりして何も
いえませんでした。子供には贅沢をさせるのではなく、本当に命のある食べ物、暖かい愛情、
心の自由さ、一生宝となるような美しい自然、絵、音楽、お話などに触れる機会、そして大
人の話に無遠慮に入らないデリカシー、などをもってほしいと思います・・・。
子供の頃にこういった人間の基礎となるもとのものを、可能なかぎり与えることのできる社会
になったらと思います。子供の頃の嬉しかった思い出はそれ自体、お金とは関係ないものだと
思います。この本を読んできかせることもそうなのかもしれません。
ただ、私達大人にとっては、せっかくの機会ですからもっと掘り下げてエンデのメッセージを
受け止められたらいいのではないかと思います。
「時間」と興味のみいだせるむきには、「エンデの遺言」「エンデの警鐘」(共にNHK
出版)を読まれることをおすすめしたいです。
これぞ名著
今や古典的名著として、世界中の子どもたちに親しまれているミヒャエル・エンデ作「モモ」。日本でも主に子ども向きに出版されている。
彼女は物質的なものは何一つ持たない…今着ている服と、みんなにこさえて貰った寝床と以外は。そう。文字通り彼女は何も持っていないのである。彼女にあるのは友人と、「人の話が聞ける」という変わった特技だけ。だが、彼女は人々にとってなくてはならない存在になっていく……。
子どもの読み物と思わず、是非一度手にとってみて頂きたい。英文としてはちょっとレベルが高いのが難点だが、辞書を片手に読んでも十分味わえるだろう。
エンデ文学の双璧!!
舞台はイタリアの辺り、廃墟となったコロシアムに住んでいる、不思議な女の子が主人公です。町の大人も子どもも、モモに悩みを相談にきたり、一緒に遊んだりして暮らしていました。しかし、ある日を境に突然町の人達はだんだんモモの元を訪れなくなります。不思議に思ったモモが「どうして?」と聞いても、「忙しい、忙しい」ばかりを繰り返し・・・・。
この本にはエンデが追求した、時間や余裕についての哲学や、現代の生活への批判と「時間泥棒」がいるんじゃないのか?という警鐘がたっぷりです。また彼が考えるカウンセラーの理想像もこめられており、とてもとても子どもだけにこの本を任せておくにはもったいない。全ての人に読んで欲しい1冊です。ただ、個人的な感想としては、日本語の翻訳版ほうが、雰囲気が「正しい」ような気がしたので、5分の4にしました。ちなみにエンデの時間観は「ものがたりの空白:M・エンデ」に詳細です。
