- [著]Thomas Harris
- カテゴリ:
- マスマーケット (384頁)
- ISBN:
- 0312924585
- 発売元:
- St Martins Mass Market Paper (1991/01)
- 定価:
¥ 825 (税込)- 価格:
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教養小説+推理小説
サイコものなんて珍しくないのに、倦むことなく読めたのは、この作品が確かな知識(と思える)に裏打ちされた骨太なストーリーを持っているから。
サイコ(バッファロービルの連続殺人)を土台にして、教養小説(クラリスの)と推理小説(レクターが探偵)を構築したような感じ。そのバランスがいい。
推理小説的には、ビルの動機に焦点が当てられていて、解明されたそれがサイコなのがよかった。また、最大の見せ場は、レクターの脱出の場面。もちろん、クラリスの造型にも十分な厚みが与えられている。幼少時の事情、「ちくしょう」と舌打ちする心の声など。ルームメイトがいい感じなのもお約束。
ただ、クラリスにどっぷり感情移入出来た訳ではなく、結構、冷静に読んだ。
傑作だけに、「ライジング」は読むんじゃない
これはとても楽しく読んだ。珍しく映画も見に行ってしまったほどだ。レクター博士の頭の良さにはほれぼれさせられた。医師であるだけでなく、芸術にも秀で、趣味が良くて、いや実にいい男だ。あれだけの残虐非道も、頭のいい男だから許される。
星を四つにしたのは、他の方も書いておられるが、訳がなっていないからだ。「クローフォド」と「ハニバル」だけは何とかしてよ。「ハンニバル」で訳者を変えたのは正解だった。
で、ここに書くのもどうかと思うが、「ハンニバル」はまだいいとして、「ライジング」はやめておけ。殺人鬼に過去は要らない。
最高の内容と最低の翻訳
シリーズ中最高の出来だと思います。本作と前作『レッド・ドラゴン』はこのジャンルの最高レベルにあるのではないでしょうか。
しかし、翻訳はひどいものです。そのままカタカナでもいいものを無理やり日本語に訳したところがあるかと思えば、「授業」とすべきところが「クラス」になっていたりなど…ほとんど中学生レベルですね。また、人名や商品名、ブランド名などの固有名詞の表記もメチャクチャで、読みにくくてしょうがない。翻訳者の独りよがりでここまで文章を壊されたら原作者もかわいそうですね。
改訳を心の底から望みます。
トーマスハリス最高傑作!
かつて10数年前に劇場で本作の映画版を見て感激し、その後も何度か視聴したが今回初めて原作を読んだ。(買ってから読まないで本棚に10数年放置・・・・) 「レッドドラゴン」「ハンニバル」と比較して、本作が最高傑作だと思う。クラリスとレクターの駆け引きもさる事ながら、「倉庫で死体を見つける場面」や「レクター博士逃亡シーン」「クラリスと殺人犯との死闘」などは、まるで自分がその場にいるごとくの恐怖を感じた。映画ではよく理解できなかった細部の疑問も本作にて消化。大変満足しました。
レクター博士全開
ハンニバル・レクター・シリーズの二作目です
とらわれの身であったレクター博士がついに脱走します
主人公はFBIのスターリングです
ついに連続殺人事件を解決します
映画ではジョディイ・フォスターが演じていました
話の内容があまりにもおどろおどろしいので続編に出演することを固辞しました
話の前半は冗長ですが後半からはなかなか読ませてくれます
作者のトマス・ハリスは進化しています
出されている意見のレベルが
ネットが普及して以降の、一般の方にはあまり気が付かれていない現象は、かなり低レベルの意見が、もっともらしくあっちこっちに平気で登場していることだ。それはそれらの意見のレベルをチェックする人間が、どこにもいないからだ。活字雑誌の場合には、プロの編集者という者が必ず存在し、そういうことが起きないよう目を配っていた。文章や作品評価に一定の見識をもつプロの存在というものは、そういう意味で重要なものなのだ。ここに頻出している、「翻訳が低レベル」「文章が古い」などの評価は、それらの典型である。かなりの読書を重ねていない者のこういう意見は、その意見のほうが見当ちがいである場合もあると、知っておいたほうがよい。この本の文章は、原文も翻訳も、とても上質である。それがほんとうのところだ。
読みにくい
他の方の言う通り、翻訳がダメダメです。しかし、内容が良いので☆3つ。
作品そのものを楽しんでみては
久しぶりに読み返したが、やはり非常に引きつける力のある作品だった。
翻訳の文章には多少の難があるが、それはせいぜいカタカナ単語の音をどう表現するかに過ぎないので、私はあまり気にならなかった。
この頃のレクター博士にはまったく破綻がない。
次回作であるハンニバルあたりから人物に少々破綻が生じ、ハンニバル・ライジングでは更なる破綻が起こってきている。
文章や単語や人物の変化に疑問をさしはさんで不愉快な読書をするよりも(これは文学作品ではないのだから)そのあたりは大目に見て、作品そのものを楽しめばそれでいいのではないだろうか。
この作品から、一世を風靡する“サイコ”の時代が始まった
映画化もされ、話題を呼んだ<ハンニバル>シリーズの原点となる作品。ずいぶん遅まきながら、今回初めて原作を読んだ。私が手にした文庫は、なんと56刷目だった。
’89年、「このミステリーがすごい!」海外編でダントツ第1位になっている。
ストーリーは―若い女性ばかりを狙った連続皮剥ぎ殺人犯の手がかりをつかむため、FBIアカデミーの訓練生クラリスが稀代の殺人鬼ハニバル・レクター博士と接触する・・・。そして、今、上院議員の娘を誘拐して、まさに血祭りに挙げんとする、くだんの殺人犯と対決する―というもので、映像化によってすっかりお馴染みである。
今回原作を読んでみて、いかに原作に忠実な映像化がなされていたかを再確認した。特に本作では脇役であるはずのレクター博士が、主役やストーリーの本筋を食わんばかりに存在感たっぷりに、衝撃的に登場するあたりは圧巻である。
また、原作である本書は、トマス・ハリスの、映像とはまた別の、小説ならではの格調高い独特な筆致と、短い章立ての簡潔・鮮明な描写を場面ごとに味わうことができる。決して通俗スリラーに堕すことなく、高いレベルと次元でスリルとサスペンスを盛り上げているあたりはさすがである。
ともあれ、ジョディ・フォスター主演の映画が公開され大ヒットしたことも手伝って、それまで一部ミステリー・ファンにしか知られていなかったサイコ・スリラーというジャンルが、巷にどっと溢れることとなった。FBIのプロファイリングという独特の捜査法が一般に流布したのも、この作品がきっかけだったのではないかと思う。
この作品から、一世を風靡する“サイコ”の時代が始まったのである。
他の翻訳だと・・?
翻訳の評判が悪いようですが、実は私もあまり好きな文体ではありませんでした。原書を読んだことがないので、悪いとかいいとかまでは判断できかねますが、好みの範囲のみの話でいうと「なんか気持ち悪い文章」なんと言うか原作の英文をまさに忠実に「そのまま」訳している印象を受けました。あくまで英文を、というイメージです。(えらそうなこと書いて申し訳ありません)文体の古臭い感が否めませんでした。前のレビューでも書いていらっしゃる方がいますが、日本でカタカナ英語としても定着している単語の書き方の気持ち悪いこと!「ベイビイ」「キャンザス」・・カタカナが多いページは少しイラっとしました。
また、特に男性の個人個人の話し方の違いがあまり感じませんでした。英語に比べて日本語は「誰が」話しているのかをかなりわかりやすく表現できると思うのですが・・・誰が話しても同じ印象。
クラリスがしょっちゅう「ちくしょう」だの「くそ野郎」と言って(思って)いますが、映画のクラリス=ジョディフォスターのイメージで固まりすぎていたせいか、私はそこにはしっくりきませんでした。そりゃ知的で教養のある人も「ちくしょう」くらいは言うかもしれませんが、美しく優秀だ、という描写があるのですから、もうちょっとなんとか表現はなかったものでしょうか。ちょっと下品すぎやしませんか。
☆は翻訳が合わなかったのが全ての評価につながります。翻訳で読むことが多い海外の作品はそれが難しいところですね。
違う人の翻訳も読んでみたいです。できれば自分で原書を読んでイメージを膨らませるのが一番だとは思うのですが。そのうち挑戦してみたいと思います。
