- [著]Tomoko Ninomiya
- カテゴリ:
- ペーパーバック (208頁)
- ISBN:
- 0345493974
- 発売元:
- Del Rey (2007/05)
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福岡弁を英語に訳すると?
ピアノコンクールが閉幕する。演奏中に曲を忘れて即興演奏をしてしまい、大喝采は博したものの落選した事に打ちひしがれるのだめと、彼女を追って福岡へと向かう千秋。日本編はクライマックスを迎える。
実は、個人的に、のだめがなぜ「ペトルーシュカ」と「今日の料理」を混線したのかが謎だった。しかし、先日オーケストラ版の「ペトルーシュカ」を聴いていて「今日の料理」のテーマに似たフレーズがある事に気付き、改めて読み返してみると、p.8でのだめが広げていた楽譜がまさにそのフレーズの部分。疑問が氷解すると共に、作者の芸の細かさに感服した。
この巻で注目していたのは、のだめの実家の場面で福岡弁がどう訳されるか。7巻の「translation notes」には、米国の感覚で言うとボストン風のアクセントのようなもの、という説明がある。すると、どこかその辺りの方言を使うのか---。そして出くわしたのがp.155の「Honna-kote ya!? (Really?)」。ものすごい訛りだが、どこの地方の言葉だろうと一瞬考え込んだ後、福岡弁をそのままローマ字表記しているだけだと気がつく。こういう手法もあるのかと感心した一方で、少々手抜きではないかという気がしないでもない。ただ、全体的には誤訳も少なく、既刊の中でも高く評価できる1冊だった。一番気になったのは「干潟」を「dry beach」と訳したp.170の部分だが(干潟は「mudflat」「tideland」「tidal flat」あたりではないかと思う)、そこは研究者以外にはどうでも良い話なのかも知れない。
ところで、英訳版とは直接関係ないが、「のだめ」で紹介された音楽を演奏するコンサートが韓国で開かれたという。現実社会の「のだめ」旋風も、いよいよ国際的になってきた。
