- [著]Kurt Vonnegut
- カテゴリ:
- ペーパーバック (304頁)
- ISBN:
- 038533348X
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- Delta (1998/10)
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2007
02/03
Sat
ヴォネガットの傑作
100.0% (7 / 7)
もはや古典と言ってよいのでなないでしょうか?
学生時代に伊藤典夫氏の名訳で読んで衝撃を受けて以来、一度原文で読みたいと思っていましたが、やっと果たしました。
伊藤典夫氏の訳文は当時ずいぶんと新鮮に感じたものですが、こうして原文を読むと、英語もなかなか育ちのよさを感じさせる文章です。
もっとも、文体の礼儀のよさと反比例するかのように、ストーリーの方は意外な展開で最悪の事態へと不可避的に加速していきますが。
何といってもこの小説の魅力は、主人公のまわりにいつしか集まってくる社会からちょっとズレたような人たちの姿でしょう。
そのズレ具合が何といっても絶妙なのです。
人間の魅力とは、理想的人間像からのズレ具合にある、というような事を言った人がいましたが、(確か、スタニスラフ・レムだったと記憶していますが)、この本の登場人物たちはまさにその格好の例と言えるでしょう。
ストーリーは、アイスナインというあまりに単純すぎる科学的発見(あるいは、最終兵器?)というSF的アイデアを軸に怪しげでいながら妙に説得力があるボコノン教という架空の宗教を背景に、黒い笑いを随所に織り込んで展開します。
そして、最後に迎えるラストの場面がヴォネガットの真骨頂なのですが、それを言ってしまうとネタばれになりますので、控えましょう。
今、再読しても傑作だと自信を持って言うことができます。
