Tree of Cranes

  • [著]Allen Say

カテゴリ:
ハードカバー (32頁)
ISBN:
039552024X
発売元:
Walter Lorraine (1991/10/28)
定価:
¥ 1,810 (税込)
価格:
¥ 2,009 (税込)
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本人は意識していないかもしれないが実は禁欲的、とおぼしきあるマダムは、本書を指差して「うす気味悪い本」といった。30歳男性のコメントは、「ぞくっと色気を感じます」だった。全米図書館協会の推薦図書に選定されたり、多くの権威ある書評誌の推薦をもらったりの「優等生絵本」ではあるが、どうも大人は本書に、別の空気の「潜み」を感じるようだ。たとえば小津映画の傑作『東京物語』の原節子演ずるところの未亡人、彼女を思わせる。優等生的なんだが、なにか妖しい。その彼女があるとき、「私、悪い女なんです」と、亡夫の両親にしぼり出すように言う。映画だからこのようなセリフを言わせたが、本書は表立っては何も語らず、でもどこか同類の妖しさを漂わせる。

いかにもひ弱な男の子と、「かるほるにあ」で生まれ育った母とのある冬のエピソード。舞台は戦後間もない日本だ。ある日、母に禁止されていたのに、外に出て庭の池のコイに見とれていたせいで、男の子は風邪をひいてしまった。母は、それからずっと怒っているようだった。なにか思いつめているようでもあった。お母さんが変だ、いい子にしなくちゃ。男の子は言いつけを守って床に入っている。と、母が庭から小さな松の木を掘り出し、鉢に植え替えて部屋に持ってきた。そしてろうそくと折り鶴をそれに飾りつけながら、今日は「くりすます」という特別の日なの、といった。火がろうそくにともされて、それがこの子の初めてのクリスマスツリーになった。それは何にもまして美しかった。

折り鶴とろうそくで飾られた初めてのクリスマスツリーを、無邪気に愛でる子、そしてその子を優しく抱く母。しかしその焦点は、ツリーを通り越してはるか遠く絞られている。遠いどこか、腕に抱く子のあずかり知らないどこかに。(おおしま英美)

2004
04/11
Sun

Allen Say の奥深い世界

100.0% (3 / 3)
[No.1] posted by tytt04

アメリカで生まれ育ったお母さんが日本で育つ息子に彼女なりのクリスマス・ツリーをつくってみる。

「日本」をとても意識したイラスト。

同著者によるCaldecott Medal受賞作の『Grandfather’s Journey』と『Tea With Milk』と合わせて読むと、それぞれの関係がよく分かって、更に楽しめる。


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