Carbon Finance: The Financial Implications of Climate Change (Wiley Finance)

  • [著]Sonia Labatt
  • [著]Rodney R. White

カテゴリ:
ハードカバー (288頁)
ISBN:
0471794678
発売元:
John Wiley & Sons Inc (2007/04/06)
定価:
¥ 8,492 (税込)
価格:
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2007
06/29
Fri

CO2排出権取引の教科書

80.0% (4 / 5)
[No.1] posted by 読書好きサラリーマン

地球温暖化に関する科学的知見をざっとおさらいした後、現在運用されている排出権取引市場と、各市場におけるCO2排出権の価格、エネルギー産業の全体像、各産業部門の省エネ・排出削減の技術的可能性、CO2吸収隔離などの新技術の動向、民間企業の自主的取組など、排出権取引に関する広範なトピックを網羅しています。

一番の見所は欧州の排出権取引市場であるEU-ETSの分析です。排出権価格の動向を概観した後、エネルギー市場における石油・天然ガスの価格や、排出権割り当てなどの制度設計が価格にどう影響を与えたかを分かり易くまとめています。

米国では、連邦政府は京都議定書を批准していませんが、州政府や市町村では、京都議定書などを参考にCO2削減目標を設定して、政府所有物件のエコ改修、リサイクルの推進、省エネ投資支援事業、再生可能エネルギーの導入目標の設定と支援などを通じてCO2削減を行っているところもあります。そうした動きの一環として、北東部では8州(現在は二つ増えて10州)で地域的な排出権取引市場を創設する動きもあります。意欲のある企業や自治体が連携してシカゴに排出権取引市場が作られ、2003年から取引が行われています。

同じく京都議定書を批准していないオーストラリアでも、州レベルの取組みが進んでおり、ニューサウスウェールズ州では排出権取引市場が2004年に創設されました。

このような、気候変動を「緩和」する取組だけでなく、気候変動に「適応」するための取組や、天候デリバティブなどの市場メカニズムの活用法についても触れられており、排出権取引だけに囚われず、CO2にまつわる金融手法全般を紹介するものとなっています。

どれも分かりやすい英語と図表で説明しており、正にCO2排出権取引の教科書と呼ぶにふさわしい良書だと思います。


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