- [著]Harold M. Edwards
- カテゴリ:
- ペーパーバック (330頁)
- ISBN:
- 0486417409
- 発売元:
- Dover Pubns (2001/06/13)
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リーマンゼータ関数のユニークな素晴らしい解説書
物語の第0幕は、1859年リーマンによる素数分布に関する画期的な大論文に始まる。この論文には、リーマン予想の他に、素数分布の明示公式、ξ関数の積表示公式、critical strip(複素平面で実部が0~1の間にある帯領域)内の零点数の増大度の評価式など、極めて重要な命題が(厳密な)証明なしに述べられていたのである。
第1幕は、この積表示、明示公式、零点数の評価式などの厳密な証明を与える事であり、今から1世紀ほど前に、アダマール、マンゴルト、ヴァレプーサン等の偉大な数学者の研究により次々に解決されていく。これにより、残された課題は、critical stripにおけるζ関数の零点の分布状況とリーマン予想の真偽の解明に集約される事となる。
第2幕は、ζ関数の零点位置の探求・特定の努力であり、オイラー・マクローリンの和公式による数値計算とその計算方式の限界の大きなブレイクスルーである「リーマン・ジーゲル公式」発見の物語である。
引き続く第3幕はcritical line(実部=1/2の直線)上の零点分布研究の発展史であり、この物語はクライマックスに達する。 ハーディとリトルウッドの先駆的な研究を受けて、1942年セルバーグは、この直線上の零点数の増大度がK・T(logT)以上(Kは定数)であることを示した。 ここにζ関数の零点は「ある定比率で」この直線上にのっている事が初めて確定したのである。
本書では、これらのすべての事実に対し、完全な証明が与えられている。しかも、定義・定理・証明という通常の数学書のスタイルではなく、この理論のブレイクスルーの発想を、著者エドワーズが自らの言葉で、その内容とともに語りかけてくれるのである。この様に個性的で面白い数学書は滅多に無く、大変な名著であると思う。是非、この素晴らしい本に挑んで、物語を鑑賞してみて頂きたい。
