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ネズミの時計屋、ヘルムクス・タンタモクは、好きにならずにはいられないキャラクターだ。彼は世界中のチーズの絵がプリントされたフランネルのシャツを着てくつろぎ、テントウムシをカゴに入れて飼い、毎晩、世界中のあらゆるものに「心からありがとう」の手紙を書く。
ヘルムクスは広い心の持ち主だ。そして、その心は今、怖いもの知らずの女流飛行士、リンカ・ペルフリンガーへの熱い思いでうずいている。リンカは先日、思いがけず彼の店にやってきて、腕時計を大至急修理してほしいと言ったのだった。ヘルムクスには知るよしもないが、この威勢のいい女冒険家と言葉を交わしたほんのひとときが、彼の人生を永遠に変えることになるのだ。
リンカから連絡がないまま1週間が過ぎると、ヘルムクスは心配するべきか腹を立てるべきかわからなくなる。そしてリンカにあててちょっとだけ不機嫌な手紙を書き、それからやけっぱちの手紙に書き直し、それから優しすぎず冷たすぎない手紙に書き直して、返事を待つ。だが、相変わらず音沙汰はない。不愉快な隣人(けばけばしい装いで、やけに気取った美容界の大立者トゥッカ・メルトスリン)と出くわしても、芸術家の友人ミルリンと明るく過ごしても、ヘルムクスにとりついた最近の不安は、片時も心を離れない。
黄色い目、薄い唇、毒のある言葉が印象的なドブネズミが彼の店にやってきたとき、ヘルムクスの最悪の不安は決定的になる。ドブネズミは不気味な笑みを浮かべて言う。「リンカ・ペルフリンガーの時計を受け取りにやってきました」。大事な人の時計を、預り証を持たない相手に単純に引き渡すわけにはいかなくて、ヘラムクスはドブネズミのあとをついていき、けっきょくリンカの家まで行ってしまう。すると、そこで見たものは…。リンカは誘拐されたのか? ヘルムクスが(何が彼をそこまでさせたのかはともかく)大胆にも彼女の家に侵入し、テウラボナリの国からの謎めいた手紙とひっくり返ったスパイシーな香りの植物の苗を見つけるあたりから、ストーリーは込み入ってくる。
その晩、ヘルムクスはペットのテントウムシに語りかける。「これから僕の新しい人生が始まる。探偵としての人生か、囚人としての人生がね。どちらになるかは時がたてばわかる。もしも、囚人としての人生となったなら、檻をどうやって飾りつけたらいいか、君にアドバイスを求めるよ」。間もなくヘルムクスは、こうした手がかりが、美容界の大立者トゥッカと関連があるとにらみはじめる。内服用ビン入り「永遠の若さの素」を調合しようとしているトゥッカは、ヘルムクスを自分の計画に巻き込もうとしていたのだ。
それから先は、心優しいヘルムクスが探偵の仕事を通して想像を絶する世界に足を踏み入れていき、次々に、スパイ、泥棒、殺し屋、裏切り、青春の泉、ヘビ、感動的な救出劇とかかわりながら、ネズミの毛もよだつ体験を重ねていく、と言うくらいにとどめておこう。しかし、そんな目に遭いながらもヘラムクスは、世界に対する感謝の気持ちを忘れない。「ありがとう、かどの食料品屋さん。ありがとう、サンドイッチにハニーフィズ。ありがとう、恐ろしいニュースに危機一髪の命拾い。ありがとう、ショッピングカートにショッピングバッグ。ありがとう、忠実なペットたち、ありがとう、勇気ある男性冒険家たち(と女性冒険家たち)」
読者はきっと、ヘルムクスのひたむきで好奇心あふれる性格と生きる情熱にひきつけられ、スリルとサスペンスに満ちた大冒険から目が離せなくなることだろう。(Karin Snelson, Amazon.com)
コミカルでミステリアス!
[No.4] posted by non-liber
この本は高校のときに、学校の図書館で表紙が気に入って手に取ったものの一冊です。
読んでいくうちに、どんどんハーマックスの世界に引き込まれてしまいます。ネズミやもぐらたちの住む独特の彼の世界は、現代の人間がしていることと、まったく同じのこと、電車にのったり、カフェでコーヒー飲んだり、新聞を読んだり、そして恋をしたり、そんなことを動物たちが繰り広げながら生活しているのです。著者は個性の強いそれぞれの登場人物を、コミカルに、そして優しい視点で描いています。
ミステリーなのに、読み終わると心がほっと温かくなる、そんな本です。1冊読むと、ハーマックスの世界のとりこになってしまって、全冊読みたくなってしまいます!
週刊チュウチュウ
[No.3] posted by toypinando
この本を児童書のカテゴリーに入れておくのはもったいない!
これは大人の読み物として扱われるべきです!;)
平凡だけど心優しく、いざという時底力を発揮する
時計職人の主人公と、彼を取り囲む登場人物は、
まるで人間社会の縮図。
特に、美容と名声に目のないトゥッカは、
すごいリアリティーありです。
アドベンチャー、ロマンス、ミステリーあり。
自分も彼らの世界「ピンチェスター」に住んでいるようで、
純粋に、読んでいてすごく楽しいです。
話の展開のリズムがいいのにも、すっかりハマってしまいました。
幸せになれる!
[No.2] posted by モモ
学校の先生にすすめてもらったのがこの本。
すべてがほんとにかわいくて、優しくて、たのしくて、読んでるときもドキドキしましたが、読み終わったときの気持ちは最高に幸せです。この本に出会えてよかった、という超おすすめ。
主人公のハーマックスも、彼の周りのキャラも個性的でおしゃれ。作者のセンスが光ります。本の表紙もかわいいので、もっているだけでも嬉しい本です。
まさに、読みきれる一冊!
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[No.1] posted by ribbon
私の、記念すべき“初めての洋書”です。
学校を卒業してから約10年近く、英語から遠ざかっていたので、最初手元に届いた時には、結構分厚いこともあり、「読み切れるかなぁ」と不安でした。
が、まず、ぱらぱらめくってみると、想像していた「藁半紙みたいな質の悪い紙に印刷されたペーパーバック」ではなくて、きれいな白い紙にくっきり印刷された読みやすい活字(^-^)行間もたっぷりあるので、これなら調べた単語の意味などもメモしやすそうです。
俄然、やる気になって読み始めたら・・・もう止まりません。
ジャンル的には、ミステリー・アドベンチャー・ロマンス・グルメ・・・と、色んな要素の詰まった作品です。
登場するのは擬人化されたネズミ・モグラ・リスなどの小動物たちで、主人公はネズミのヘルムクス君。時計職人の彼が、ある日女性冒険家のリンカちゃんの腕時計の修理を依頼されたところから物語が始まります。
・・・と書くと、とっても子供っぽい内容を想像されるかもしれませんが、「若返りの秘薬」(?)をめぐる、スリルとサスペンスの物語で、大人が読んでも十分楽しめる内容です。
特に、後半は激しくストーリーが展開していき、思いがけないどんでん返しの連続で、一気に読んでしまいました。
Amazonの紹介に「これぞ読みきれる一冊!」と書いてあったのは本当でした(*^^*)
英語なのに、夢中になって読んでしまって、ラストで思わずほろっとしてしまった時には、同時に“洋書を読んで感動している自分”にも感動してしまいました(笑)
最初に出会った洋書がこの一冊で、本当に良かったと思います。
近々、続編が出版されるそうですので、そちらも絶対、読もうと思います!