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不思議な法則がある。おじいちゃんが「ぽく、ぽく、ボストンへ。ぽく、ぽく、リンへ」と調子よく繰り返すと、子どもたちはどうしてもそのひざの上に座りたがるのだ。
大人になっても、クリスマス・パイからほしぶどうを引っぱりだす「ちびっこジャックホーナー」を思いだし、くすくす笑ってしまう人。星に願いごとをするときに「おほしさま、おほしさま、いちばんぼしのおほしさま」と思わずつぶやいてしまう人…。そんな人たちなら、この不思議な法則の秘密を知っているに違いない。そして彼らこそ、子どもたちに「マザーグース童謡集」を読み聞かせ伝統を守ってくれる人々だ。
民俗学の権威ロナ・オピーによると、このイギリス古来の貴重な童謡集「マザーグース」から受け継がれたことばのリズムは現代にもあふれている。「quirky(きまぐれな)」、「sly(ずるい)」、「sweet(甘い)」、「gentle(やさしい)」、「rollicking(陽気な)」、「silly(ばかげた)」…ざっと見ただけでも、その韻の種類の豊富さには驚いてしまう。
本書は、ペアレンツ・チョイス賞、米国図書教会児童書優秀賞をはじめとし、数々の有名な賞を総なめにした1冊。また、挿絵は「うさぎのマックス」シリーズ(『Max's Bath』『Max's Bedtime』『Max's Ride』)でおなじみのローズマリー・ウェルズが担当、魅力的なイラストで花を添えている。
ことば遊びが楽しければ、子どもたちは自然とそのリズムを覚えていく。そのためには幅広いレパートリーが必要だ。本書は、同じく「マザーグース」を取り上げた名著『Here Comes Mother Goose』と同様、子どもたちのことば教育に欠かせない1冊である。
