- [著]Jane Austen
- カテゴリ:
- ペーパーバック (224頁)
- ISBN:
- 1853260568
- 発売元:
- Wordsworth Editions Ltd (1998/01)
- 定価:
¥ 288 (税込)- 価格:
- ¥ 525 (税込)
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翻訳に違和感
オースティンが登場人物に話させている英語の質と、翻訳の日本語の質があまりに食い違う。まるで江戸の人情話か、と思うような表現がでてきたりして、違和感を感じずにはいられない。登場人物の品格を勘違いさせてしまうような訳は誤訳と言っても言いすぎではないかと思う。オースティンの作品としては☆5、翻訳のせいで☆3とした。
翻訳が?
「高慢と偏見」でジェイン・オースティンのファンとなり、「ノーサンガー・アベイ」「エマ」「知性と感性」と夢中で読んできて、
この本では、訳者の翻訳にどうしても違和感を感じずにはいられませんでした。
女性作家であるオースティンの翻訳を、こんなに違和感のある固い日本語に翻訳すると、魅力が半減しているような気すらします。
今の日本人が全く使わないような男性的な表現にした理由はわかりませんが、翻訳の影響力の大きさに驚いた作品です。
ストーリーはいいのに…
ストーリーはとても素晴らしいのにセリフなどが不自然で翻訳に疑問をもちます。
例えば育ちの良いはずのアンが「おいといていただきゃ」「お前さん」など数々の不自然なセリフにイギリスの世界観がくずれてしまいます。
日本語的にも疑問をもつとこが多々あり残念でした。
ストーリー的にはとてもよくできた作品でした。
女性心理の描写が卓越
オースティンの小説は、悪くいえば典型的である。登場人物は、そこそこリ
ッチな、或いはよい家柄の人。労働者は出てこない。かといって、爵位がある
ほどの高貴な人間もあまりいない。落ち着いた恋の物語で、ひどい事件もな
い。そつなくまとまっていく話である。
しかし、映画化も多くファンも多い。たとえありきたりで起伏に乏しいと思え
ても、それでも、面白い。
この作品について言えば、他作品以上に落ち着いた感じだ。母親代わりの婦人
の説得でフレデリック・ウェントワースとの婚約を破棄した準男爵家の次女、
アン・エリオット。ウェントワース大佐の姉夫婦が実家を借りることになった
ことから、8年ぶりに再会する。元フィアンセの態度ひとつひとつで、揺れ動
くアンの感情の描写がうまい。馬車に乗っけてくれたり、ちょっと話が出来た
だけでも嬉しいのである。ふたりの遭遇や動揺が読者を惹きつける。
話の展開にやや強引なところもみられるが。
もう若くはない、などと描写されるアンだが、なんと27、8歳!の若さで
ある。(当時は年だったということか)
『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』との類似も
認められる。
心に沁みるおとなの愛
オースティンの中でも落ち着いた作品となっています。俗物家族の中にあって知性・教養・容色さえも無視されている主人公アン。理解し、愛を捧げてくれた男性とは「家柄・将来不安」を理由に引き離されてしまいます。
周囲の人々を支え愛することにアンの日々は過ぎていきます。7年の歳月が流れて実家が凋落し、花の盛りも過ぎた頃、そのアンの前に、再び元恋人が現れます。しかも「より立派」になって、今では望ましい「お婿さん候補」として誰からも認められる存在です。
心の動揺を抑え静かに状況を受け入れるアン、対照的に社交を楽しみ、アンの若い義妹達とはしゃぐ元恋人。アンの方にも準男爵を受け継ぐいとこからの求愛があります。一見受身に思われる「女性」のあり方ですが、ひたすらに恋人を思いつづけるアンの心情が強く美しく読者に迫ります。
また「男性・女性の愛について」色々な形で登場人物が語ります。愛情のモラルの高さが幸せな結婚の鍵であると作者は語っているようです。
いとこの方とは大ドンデンとなりますが、とにかくラストがハッピーエンドで本当によかった。
運命を感じます。
この作品を読むと運命について考えさせられます。
というのも一度は結婚しようと思った男女がまわりに
説き伏せられて結婚を諦めたにもかかわらず、
最後には様々な勘違いなどを解消しながら最終的には
結ばれてしまうのですから。
やはり運命には逆らえないのだなぁということと、
本人達が愛し合っていれば周りの人間は最終的には
説き伏せきることはできないのだなということを感じました。
英国的な繊細な愛情が胸を打つ
英国は日本より100年否200年進んでいる国なのだと良く耳にしますが、この小説を読むと本当に納得できます。
ヒロインのアンは、若さゆえにまた相手の男性の社会的な身分の低さゆえに結婚を反対されますが、8年もの間その人のことを思い続けます。その愛は誰にも語れない「自分の意思」のみが持続させる愛です。
8年の後、かつての恋人は金持ちで、皆に尊敬される人間になりアンの前に現れます。もう若くはないアンを尻目に、若い令嬢たちと戯れますが、アンは自分の年齢と立場をわきまえ控えめに振舞います。しかし、ある事件をきっかけにかつての恋人は、アンの本当の魅力を、人間としての尊敬すべき人柄を再認識します。
『人間にとって真実の愛とは何か』とオースティンは問いかけてきます。『一生に一度の愛とは何か』『愛することの自己犠牲とは』・・・。『人間とはどうあるべきなのか』美しい英国の自然の中で、登場人物を介して抑制が効いた愛が語られ、人間の尊厳が説かれます。
現代の私たちには古臭いテーマかもしれませんが、普遍的な問題であることには代わりがありません。そして、小説の中には自分の一生を自分で切り開いていくヒロイン・アンがいるのです。愛に自立する女性、愛から自立できた女性。200年ぐらい前の小説であるオースティンの世界には、現代の私たちよりも先見的な女性が登場することも面白さのひとつだと思います。
翻訳が・・・
私はジェーン・オースティンが好きで、この本を読む前に他のジェーン・オースティンの本をすでに読んでいました。この本に関しては、英語版もまだ読んでおらず、日本語に翻訳されたものを読むのから始めたわけですが、日本語がいまいちかたくて、スムーズに読むことができませんでした。原作でもそうなのかもしれませんが、前後関係につながりが全くみられないような文もあり、翻訳ミスではないかと疑ってしまうこともありました(プロの翻訳者さんに限ってそんなことはないでしょうが)。翻訳がもっとやわらかくできていれば、もっと楽しんで読むことができたと思うので、残念です。本の内容としては、ジェーン・オースティンらしい様々な人間関係が詳細に描かれていて、佳作だと思います。個人的には主人公は好きではありませんが。
