- [著]Christopher Hitchens
- カテゴリ:
- ペーパーバック (98頁)
- ISBN:
- 185984054X
- 発売元:
- Verso Books (1997/04)
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2008
07/31
Thu
マザー・テレサとキリスト教にまだ幻想を抱いている人々に
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マザー・テレサといえば、1979年にノーベル平和賞を受賞し、愛と奉仕の聖女として世界的に有名な人物である。彼女について具体的に知らない日本人でも、インドのカルカッタで貧困者やハンセン病患者や末期患者のために愛の奉仕活動をやってきた人物であるというぐらいは知っているだろう。
だが、実際には彼女は、かつてのハイチの独裁者やアルバニアの独裁者と仲がよく、レーガン、サッチャーの友人であり、その反中絶・反避妊政策を積極的に支持してきた。つまり彼女は、キリスト教右派の原理主義者であり、その最も成功した広告塔なのだ。
貧困者に対する奉仕も、それはただ神への愛を表現する手段にすぎず、別に貧困者のためにやっているわけではない。それらはすべて伝道の手段なのである(本書の英語題名はこのことを表現している)。貧困者はいつまでも貧困のままでなければならず、いつまでも無力で無知で、マザー・テレサとそのシスターたちの「愛の奉仕」に依存する存在でなければならないのだ。
マザー・テレサのこうした本質はキリスト教の本質そのものである。この世に存在するいっさいのものは、自分自身も含めて、神への愛と神への忠誠を表現する手段にすぎない。神という名の暴君に仕える忠実な兵士がキリスト教徒である。マザー・テレサとキリスト教にまだ幻想を抱いている人々は、この短い著作をぜひとも読むべきである。
