- [著]Anthony Giddens
- カテゴリ:
- ペーパーバック (128頁)
- ISBN:
- 1861974299
- 発売元:
- Profile Books Ltd (2002/06/13)
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いまだに、優れた入門書です。
原著は1999年のBBCの放送を土台にしています。すでに10年近く経過し、本来ならもう古いはずですが、残念ながら、グローバル化についてまだこれを越える入門書はでていないのではないでしょうか。・・・・・大前研一の本、トマス・フリードマン本も面白いですが、ギデンズに較べると、やはり視野が狭いですし、分析も一面的です。
高校生や、大学生1,2年生がグローバル化について学ぼうと思うならば、まず推薦できる本です。・・・・・唯一の難点は、佐和さんの翻訳が不誠実なことくらいでしょうか。一文をとばしたり、強引に意訳したりして、原文の意味が伝わらないところがあります。・・・英文の原著は、かなり平易な英文ですから、大学生の英語のテキストとしても十分に使用できると思います。
ギデンズの本としては深みに乏しい
私見では、社会学者ギデンズの長所は、その複眼的、重層的なものの見方だと考えている。それが最もよく現れているのが「国民国家と暴力」であり、国民国家を図示した巻末に近い概念図は、彼の複眼的思考を示して余すところがない。
本書の議論の進め方と結論の出し方はあまりに直線的で、ギデンズの長所が全く現れていない。「暴走する世界」ではなく、ギデンズ自身が暴走している印象を受ける。
このわかりやすさにだまされてはいけない。面倒でも、あの分厚い「社会学」その他からギデンズのグローバリゼーション観を拾って再構成していったほうが正確な理解ができるように思われる。ともかく、あまりにも二項対立的な思考にとらわれているように思えるのである。
民主主義もリスクも結婚もひとまとめに!
ギデンズはご存知ブレア英政権のブレーン。とはいえじゃぽんの御用学者竹中ヘイゾーとは違い現代において重要な役割を社会学の分野で果たす一流の学者。「社会学」というスタンダードな教科書も書いている。さて最初は何この本210ページ中本文は160ページ、後は訳者解説が30ページ(!)も続いて推奨文献やらで20ページってどういうこと? しかもやたらと字が大きく、1ページあたりの文字数もやたら少ない。
でも読み出すと中々読ませる。とりわけ自らの身の置き方がすごく慎重でいい。例えばグローバリゼーションを巡る経済的議論って、左翼的な懐疑派と市場原理を重視した「ラディカルズ」に大きく二つに分けられる。ギデンズは市場原理の問題点を承知しつつもあえて後者を支持する。また文化的グローバリゼーションの問題でも、コスモポリタニズムと伝統主義(伝統に関する議論を受け入れないのが伝統主義!)の二分法でも、コスモポリタニズムにふさわしい形で伝統が生まれるだろうとしている。
ギデンズのグローバリゼーションに関する議論は終始一貫している。それは国家戦略といったように誰かが推し進めているものではなく、通信・交通技術の発達により進んだものであり、この自然な流れに逆らうことは出来ない、そして近代に成立した「国家」や「家族」といったものは形こそこれまでと一緒だけど中身は大きく変容し従来の考え方ではとらえられないという「貝殻制度」になってしまい、カタチよりも内容を考えなきゃならないのは民主主義(制度としての民主主義→より優れた民主主義という変化)も結婚(再生産と労働力の提供→ふたりの愛の証明!! という変化)も同じだ、としている。このあたりの議論は大雑把ながらも刺激的。
とにかく字がでかいんで読みやすい。ただ、もっと長めできちんとした例証のついたものも読みたいところ。
批判的に読むべし。
本が薄くて文字が大きいとあって無茶な議論が多い。簡単に言うと論理の飛躍というか、根拠がしっかりと述べきれていないと言える。
また確かに「グローバリゼーション」「リスク」「伝統」「家族」「民主主義」というのは、現代を説明するのには最適のキーワードとは言えるが、家族や民主主義は現状の変化を述べるだけで、彼の独特の議論がなされているとは思われない。
あと翻訳をした佐和さんはギデンズを崇拝しているのか、解説のところではギデンズをべた褒めしすぎである。もう少し相対化して述べるべきであっただろう。
本文内でギデンズ本人が自己陶酔している場面もあり、かなり見苦しい場面もある。
この本は入門書として読む方には、ギデンズというブランドにとらわれず、批判的に読んでほしい。
そこそこよい入門書
「グローバリゼーション」「リスク」「伝統」「家族」「民主主義」と論点ごとに章立てされてるのが好感をもてるパンフレット。
とりわけ第四章「変容を迫られる「家族」」は、30頁で『親密性の変容』の概要を伝えていてオトクです。親密な個人的関係の理念が民主主義の理念と驚くほど合致してる、っていうコメントは、私事化の悪い点ばかり言われる昨今では重要な指摘だと思いました。
それと、第三章「「伝統」をめぐる戦い」では、「伝統」は不変のものでも由緒あるものでもなくて、最近になって捏造されてきたものだってことを真っ当に指摘してます。「伝統」は人間生活に連続性と枠組を与えてくれる、と持ち上げる一方で、(「伝統」を復古しようと夢見る保守主義者と異なり)それが現代では通用しないということをちゃんと認識して、その上でどうしようか考えている点もいい感じ。
しっかし、全体を通じてパラグラフ間のつながりが見えづらいのはちょっとつらいです。
あと、社会学的議論は面白いものの政治経済的議論は退屈なところもあり、社会学者ギデンズの長短が出ている気がしました。
ともあれ、参考文献リスト(邦訳されてない本がいっぱい載ってて哀しいけど)もついてるし、グローバル化についての入門書のひとつとしてはそこそこよいんじゃないかと思います。
原著を読むべし!
原著に目を通した後、日本語版の存在を知り、目を通しました。以下の文章は、幾分不愉快な内容かもしれません。しかし、お金を払って購入する読者として以下のような意見を述べるのも正当なことだと思い書かせていだだきます。原著が、非常に素晴らしい作品であったにもかかわらず、日本後訳を拝見して非常に愕然とさせられました。全く意味をなさない日本語訳で出版している無責任な態度に私は落胆するばかりでした。担当者には、翻訳の精神というものを理解してもらいたい次第であります。同時に、読者である我々は、著者の書いた言葉で読むことで、翻訳からは味わうことのできないその本質を掴むべきであると感じました。
A・ギデンズの分かりやすいエッセイ
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「居場所のない感覚」の解決を目論む
約140ページの短い中で、これほど文明の問題全般を記述できるとは驚きです。文明化、特にグローバリゼーションによる新たな危機を煽る本は多いですが、ギデンズ氏は慌てず立場を明確にして、どの道を選ぶべきか合理的に語っています。
避けることのできないグローバリゼーションを中心とした、「リスク」「伝統」「家族」「民主主義」の変化=暴走する世界を、冷静に捉え、パニックにならず、流されながら作っていく。情報化された現代社会に与えられた数少ない手段の一つと思います。
