- [編集]Graham Farmelo
- カテゴリ:
- ペーパーバック (300頁)
- ISBN:
- 1862075557
- 発売元:
- Granta Books (2003/05)
- 定価:
¥ 1,392 (税込)- 価格:
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あまり美しくない
やっぱり無理があるよなあ。理論の美しさと、理論の本質を表す数式の美しさを数学をせずに解説するなんて。私も、意味がある程度把握できるのは相対論までだから、「フーン」と言って読み流す以上のことはできない章もいくつかありました。
構成もオムニバスで雑然としていましたし(そりゃ偉い先生ばかりだけど)、美しい数式という言葉の意味も各章で微妙に違うし、雑然として「あまり美しくない」本だと感じました。ドレイク方程式と基礎物理の方程式を同列に並べちゃいかん。
分かってる人には知ってることだし、分からない人にはチンプンカンプンだろうし、どちらにもあまりお勧めできる本ではありませんでした。
シンプルな方程式は美しい
自然現象を定量的に表すためには、数学の言語である「方程式」が用いられる。
そして、その方程式は「美しくなければならない」というのが、本書の主張である。
確かに美しい方程式は、形がシンプルで、本質をズバリと表している。
本書では複数の筆者が、それぞれ専門とする研究分野で扱う方程式について述べている。
物理学におけるエネルギーと質量の等価性(E=mc2)や、シュレーディンガーの波動方程式、ディラック方程式
などの有名なものから、コンピューター時代の根幹を成すというシャノンの方程式、カオスの発見の源となった
ロジスティック写像、フロンによるオゾンホール形成を表す化学反応式まで様々である。
量子力学や相対性理論の知識のある人なら、本書の前半は馴染みの深い話が多く、研究分野において
方程式が一人前と認められるまでの紆余曲折をたっぷりと楽しむことができるだろう。
一つの法則を表す方程式として生き残るためには、いかに数多くの実験や観測によって批判にさらされ
検証の門をくぐり抜けなければならないかが感じ取れると思う。
ただ、本書ではあまり方程式が本質的でないパートもあった。
フロンは環境問題やそれに取り組む科学者達の物語としては面白かったが、あまりタイトルとは
関係がなかった。他にもいわゆるゲーム理論に基づく「生命進化」の方程式もあまりピンと
こなかったのが正直なところだ。
また、方程式の本でありながら、方程式そのものがほとんど記述されていないことも若干不満が残った。
いろいろ批判めいたことも書いたが、総じて本書は良書であると思う。
方程式を正面きって取り上げた書物は少なく、本書は成功の部類に入っているだろう。
偉大とは言えない方程式もあるけれど、読み応えあり
~本書のタイトル通り、正しい方程式は美しくなければならないと思う。簡単な関係見えるのに豊かな内容を持っていたり、無関係だと信じていたものが、思いもつかない関係を持っていることが分かると、理解と同時に驚くものだ。
~~
取り上げられている話題は、やはり物理学からが多い。『革命家なき革命』『「六分儀」の方程式』『愛欲と美意識とシュレーディンガーの波動方程式』『~~ 素晴らしい魔法』『重力の再発見』『隠れた対称性』が物理学から選ばれている。それぞれに巧みな解説で、有名でない話題も交えて、短いながらも堪能できる。物理学以外の分野だと、すべてをビットであらわすことができる『情報をビットで刻む』はシャノンの業績を巧みに紹介している。遺伝が確率微分方程式であらわすことができるという『生命の方程式』は、~~日本の木村の業績を紹介している。カオスの話題では『 生きているのに最高の時代』はとても丁寧な解説だ。ここで引用されているストッパードの「アルカディア」は日本でも上演されたはず。一番シンプルだけど綺麗でない式は『天空の鏡』だ。これが選ばれた理由が理解できない。フロンガスによるオゾンの破壊を扱った『~~ 環境をめぐるおとぎ話』も単純な化学反応ではあるが、方程式の美しさとは関係ない。最後にワインバーグが総括するが、彼も理論物理学の話題で閉めている。彼も、なぜ取り上げられたのか理解できないエッセイがあったのだろう。
~~
翻訳は丁寧で、人名の表記にも注意が払われている。一部に、訳注が煩わしい箇所も多いし、訳注が欲しいところもある。参考文献の内容を調べれば、日本の読者向けの訳注が増えただろう。なお、漸近自由性で著名なフランク・ヴィルチェックはドイツ人じゃないので、Wは濁らなくてウィルチェックでないかな。~
どこが美しいのか、素人には難しい・・・
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平等の法則
視覚的にあるいは聴覚的に、こっちよりあっちの方が大きいと思うのが人情である。或いは、こっちとあっちは比べようとも、結びつけられないのが常識である。それを、単純な数式で、右と左は同じものです、というのが「法則」で、これを表す方程式は、簡単であればあるほど、理解がおよばなければ及ばないほど、人は感動し、美しいと思う。多少の誤差は割いても、イコールは、平等感覚を視覚化する、数式はひとを安心させる。わかった様な気をさせる。現代古典物理学の妙である。
