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冒険ファンタジー『はてしない物語』の著者であるミヒャエル・エンデが贈る、時間どろぼうと風変わりな女の子の物語である。文章のみならず、モノクロの挿絵までもエンデ自身が手がけた本書は、1974年にドイツ児童文学賞を受賞。小学5、6年生以上から大人まで幅広い年代の人たちが楽しめる、空想力に富んだ小説だ。
円形劇場の廃墟に住みついた、もじゃもじゃ頭で粗末な身なりをした不思議な少女モモ。黙って話を聞くだけで、人の心を溶かし悩みを解消させる能力を持った彼女のまわりには、いつもたくさんの大人や子どもたちが集まっていた。しかし「時間」を人間に倹約させることにより、世界中の余分な「時間」を独占しようとする「灰色の男たち」の出現により、町じゅうの人々はとりとめのないお喋りや、ゆとりのある生活を次第に失っていく。
本書は、時間どろぼうである「灰色の男たち」とモモの対決というスリルあふれる展開を通して、1分1秒と時間に追われる現代社会へ、警鐘を鳴らしている。たとえば、モモの友だちだったニノが「スピード料理」の店を始め、大繁盛しているせいで他人とわずかな世間話をする暇もないというように、時間を盗まれた人たちは、現代の私たちの姿そのものとして描かれている。昨今、モモのように際限のない時間の中で、空想をめぐらせ楽しむ生活はほとんど忘れられている。子どもばかりでなく、忙しい大人たちにも夢見ることの大切さを教えてくれる本だ。(砂塚洋美)
ネバーエンディングストーリーよりもお勧め
[No.78] posted by スリーエー
ネバーエンディングストーリーを読んで、同じ著者のこの本を読んでみた。
実際に、こちらの方が、現代の人たちには共感できるないようだと思う。
日本語訳の部分で、ちょっと「あれ」と思うところがあったが、ほとんど気にならない。
それよりも、内容に感銘した。
時間を大事にする意味、大事にするがゆえに追いかけられている現代人は必読だろう。
豊かな生き方とは
[No.77] posted by 笛吹き@休憩中
本書は、人びとから「人間らしい時間」を盗んでいく時間どろぼうから時間を取り返してくれた女の子、「モモ」の話である。対象年齢は小学5, 6年以上。児童書ではあるが、大人が読んでも読み応えがある。いや、むしろ大人こそが読むべきかもしれない。私は10数年ぶりに本書を読み直したが、今読んでも考えさせられる内容だった。
モモは現在でいうところの「浮浪児」。なぜ、時間どろぼうはモモから時間を盗むことができなかったのか、また、なぜモモは時間どろぼうから人びとの時間を取り返すことができたのか。「浮浪児」であるからこそ、モモは、豊かな人間らしい時間を持っていたからではないだろうか。自分の心の豊かさを犠牲にしてまで、時間に追われるような日々を送る人びとは少なくない。もちろん、これは私たち自身の生き方についてもいえる。しかし、果たしてこのような生き方は本当に豊かな生き方なのだろうか。
本当の豊かな生き方とは、一見ムダに見えるような、効率性を度外視した人間らしい時間をいかに持つことができるかにかかっている――このことを「忙しい」私たちに改めて気づかせてくれる、そんな名作である。
壮大なスケール
[No.76] posted by Blue
始まりから一気に惹き付けられます。
子供向きに分かり易く書かれてある文章ですが、とっても魅力的です。
哲学的で難しくなってしまいそうなテーマを
物語としてファンタジーに織り交ぜ最後まで飽きさせることがありません。
内容は非常に奥深く、子供が読んで意味を理解するのは難しいのではないかと感じました。
大切にずっと側に置いておきたい本になることは間違いないと思います。
昔はよく夢をみていました。
83.3% (5 / 6)
[No.75] posted by rivera
大人になって、仕事を始めて、結婚をして、また働き始めて
最近買う本はといえば、株で1億円とかFXで稼ぐなどの類の本です。
そんな時、本の整理をしていたら
昔買った児童文学が出てきました。
大好きな本で何度も何度も読んだ本です。
文字もそんなに大きくなく、かなりのページ数ですが
あっという間に読みきっていたものです。
何か読みたい、久しぶりにそんな気持ちになって
検索していたところ「モモ」を見つけました。
時間泥棒という言葉がとても気になりました。
現代社会にそのままあてはまるような
日曜日だというのに仕事をしている
そんな忙しいビジネスマンも、この本を読む余裕があればね
でもそれはとても無駄な時間なんでしょうか?
愛蔵版にしたのは、内容は同じなんだから文庫本でいいんじゃない
という意見が多い中、無駄な豪華製本のものにしてみました。
昔はよく夢を見ていました。
それは決してお金持ちになりたいとかではなかったです。
のんびりする時間も大切
100.0% (1 / 1)
[No.74] posted by ららら
効率主義で、無駄な時間をもったいないと思いがちな現代人。
のんびりしてると罪悪感すら抱いてしまう。
でものんびりして他愛もない時間が大事。
そういうことを言いたかったんじゃないかと思う。
時間泥棒に時間を盗まれているわけでもないのに、忙しい、時間がない、と嘆いている現代人。
これは子供だけじゃなく大人も読んだらいいと思う。
児童書にしておくのはもったいない。
昔、映画化されたのを見てあらすじは知ってたけど、本も面白かった。
時間の大切さを教えてくれたモモ
100.0% (4 / 4)
[No.73] posted by ビタミン・トム
25年ほど前、仕事の出張先、鹿児島の丸屋デパート(現在・三越)の書店で、小学生の女の子が、書棚から、この本を何度も取り出しては読んでいる姿が、とっても気になった。
その子がいなくなってから、この『モモ』を手にして、「時間どろぼう」の文字が目に飛び込んできた。
ホテル法華クラブ・鹿児島で、一気に読んだように思う。
児童書の魅力を教えてくれた大切な1冊。
この本を手にしていた女の子に、僕は感謝している。
姪っ子が小学3年生の頃、この本をプレゼントしたことを思い出す。
「もう少し大きくなってから、読めるかな…?」と思ったけど、しばらくして、「おもしろかったよ」と電話で教えてくれた。
「!」(まさか…?まだ、読めるわけがないよ)と思って、彼女に登場人物などを質問した。
「カメの名前って、覚えている?」と聞いたら、すぐに「カシオペイア」と答えが返ってきた。
今年、彼女は成人式に出席するほど大人になった。
久しぶりに、箱から本を取り出したら、かなり黄ばんでいる。
たくさんの読者が、この本と一緒に、大切な時間を意識されていることと思います。
マイスター・ホラの管理している時計を、時々、思い出しながらね。
僕は、26才の時に読みました。
「あなたは、何歳の時、モモに出会いましたか?」
それぞれの人生に、とっても価値のある出会いとなることでしょう。
年齢で変わる感覚。
100.0% (3 / 3)
[No.72] posted by momo_time
中学生の頃、初めて「モモ」を読みました。
モモの暖かさが羨ましくて、心が暖かくなって、
とても感動した記憶があります。
社会人になって数年。
改めて読んだ「モモ」は今の時間を新しくしてくれました!
「時間」にとらわれている人、「時間」を考えていない人。
人とのかかわりに悩んでいる人。
現代の社会の中で生きている皆に読んでもらいたい1冊です。
ミヒャエル・エンデ
100.0% (2 / 2)
[No.71] posted by mitui
ミヒャエル・エンデというと『はてしない物語』を推す人が殆どだろうが、自分は『モモ』が一番好きだ。
派手なファンタジーではない。
モモという一人の少女が大好きな人たちの時間を取り戻すため、一匹の亀(とマイスター・ホラ)に導かれながら、灰色の男たちに向かっていく物語。
描写は淡々としていて、重厚。モモの周囲の人々の温かな生活を丁寧に描くことによって、その後の喪失と時間とは何かという問い掛けを浮き彫りにさせていく。
時間をお金に変えてしまった日本人には少々心に痛みを感じる物語かもしれない。
つい「時間がない」「忙しいから」と口走っている自分に気づかされる。
66.7% (2 / 3)
[No.70] posted by サボサボ
原著は三十数年前の1973年出版。全く色褪せていないどころか、ますます時間どろぼうがはびこるようになっている。作者はあとがきで、過去の物語にとどまらず、将来の物語として受け取ってもらっていいと触れられている。
どこまでも愛くるしい登場人物たち、そして作者自身による挿絵もぴったりだ。色んなしかけがあって、早く続きを知りたいとページをめくってしまう。
こどもが読んでもいいし、大人が読んでもいい物語。おススメです。
本物の時間の流れを感じさせてくれる本
100.0% (4 / 4)
[No.69] posted by LOHAS
映画にもなっている名作ですが、本で読んだ方が時間がゆっくりと流れているように感じました。
道路を一歩一歩足元を見ながら掃除し、気がつくと長い道路を掃除し終わっていると言うベッポじいさん、ゆっくり進むほど速く進めるという亀のカシオペイア、こういった時間の不思議さや何気ない大切さを思い出させてくれる言葉が物語の随所に散りばめられています。
ゆったりとした時間が流れ、人々が貧しいながらも豊かな時間をもって暮らしていた街に突然時間泥棒が現れ、豊かさと引き換えに人々の時間を奪い、余裕をなくさせていきます。この波に一人だけ飲まれなかったモモは時間泥棒に狙われますが、時間を司るマイスター・ホラの元へ助けを求めます。ここでモモは本物の時間を目にし、ホラが止めてくれた僅かな時間の間に最後の一枚の時間の花びらを持って時間泥棒から時間を取り戻そうと立ち上がります。
もし時間を盗まれてしまったら、という話にも見えますが、既に子供大人を問わず忙しくなっている社会の中で、自分の持っている時間をもっと豊かに使うこともできるのではないかと考えさせられる本です。