- [著]アリソン アトリー
- [原著]Alison Uttley
- [翻訳]松野 正子
- カテゴリ:
- 単行本(ソフトカバー) (452頁)
- ISBN:
- 4001145316
- 発売元:
- 岩波書店 (2000/11)
- 価格:
- ¥ 882 (税込)
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素晴らしい!の一言です。
娘の為に選んだ本だったのですが・・・
母親の私のほうが、夢中になりました。
余韻が、残り・・味わい深い本でした。
すばらしい
久しぶりによい本です。
とても楽しく、気持ちよく読めます。
子供の世界を優しい大人が、上手に文章にしたそういう本です。
日本人なのに。
美しく、心に清流を流し込んでくれる素晴らしい本です。昨今はやりの戦闘モノファンタジーに疲れた方はぜひ読んでいただきたい。歴史を受け入れるということは、運命を受け入れるということは、ただ黙って静かに生き抜くことだと教えてくれます。日本人なのに、英国の空気にすんなり溶け込み、気がついたらペネロピーと同化している自分に驚きます。
美しく、切ないお話でした
時の旅人というタイトルから想像していたのは、自由に時を旅して過去を変えていく…
そんなお話でした。
でも、それは全く違っていて主人公には過去を変えることはできません。
時には、どちらのお話なのかと思うほど、過去と現在の境はあいまいで、時には混ざり合っています。
女王メアリーの歴史に詳しければもっと深く読むこともできるのでしょうが、
知らなくても、十分楽しめました。
この歴史の結末を知っている主人公の期待と絶望感が、文章から湧き上がってきていて、
読んでいる自分にもうつってしまうように思います。
とても美しい風景が語られているからこそ余計に、読後は切ない気持ちに包まれました。
何度も何度も読み返したい…でも、今はまだ、切なくて開けない…そんな気持ちになったお話です。
これまでの人生で出会った最高の本のひとつ!
ページをめくるのがもどかしく、それでいて一頁一頁を大切に読みたくなる美しい物語です。
イギリスの、その土地や歴史に根ざしたファンタジーが大好きですが、中でもこの物語は宝石のような煌きをはなちます。
ふとしたことから始まる魔法で過去へ現在へと旅することになる主人公、イギリスの田舎の生活のしっとりとした美しさ、ページから匂いたつようなハーブの香り、結ばれることのない初恋の物語・・・
私はハリーポッターの第一巻がベストセラーだった頃、ほとんど同時期に本書と両方を読みましたが、ハリポタはおかげですっかりかすんでしまいました。
泣きたくなるような美しさ、荻原規子ファンにも
「時をこえ、歴史上の事件にまきこまれた少女の冒険」というので、勇ましい主人公の活躍を想像していたのですが、違いました。冒険の要素もあるけれど、美しさのほうが印象に残ります。
「今」の農場は、眠っているような穏やかな美しさ。美しい自然、気持ちのいい疲れをさそう労働と、おいしそうな食事。読むだけで健康になりそうです。そして、はるか昔の人々の夢と生活とを、今もいつくしむ、素朴な人々。
比べると、三百年前の同じ場所はより感情豊かで華麗で、痛いほどです。まだ古びたり廃墟になったりしていない立派な屋敷には、現在は姿を消した高貴な人々が暮らしています。情熱、さみしさ、淡い初恋、いろいろな気持ちに突き動かされながら。下働きの人たちまでもが、今と同じように実直に暮らしながらも、高貴な人々に愛情と尊敬を、自分の仕事に喜びと誇りを感じて、毎日を必死で生きている。
読み終わった今、私の心には、美しいものを見たあとの疲れが残っています。例えるならば、雪みたいな美しさ。雪は、溶けて見えなくなるけれど、無くなってしまうのではなく、空気をうるおし、土を濡らして、いつかまた空へと戻っていくだけ。それが分かっていても、きれいで、はかなくて、泣きたくなる。そういう感じ。
静かな、一人になれる場所で、少しずつ読みたい本です。おすすめです。
荻原規子の『西の善き魔女』ファンの人には、さらにおすすめ。ささやかながら、にやりとできる発見があります。確かこの本は、荻原規子の愛読書としてホームページでも名前があがっていました。ぜひ、おすすめです。
めぐり逢えて良かった
本が届いたとき、その分厚さに少々驚かされました。 普通の文庫本より一回り大きめの岩波少年文庫版で、注釈つき450ページ。堂々の長編です。はっきり言って子供向けの本とは思えません。
なるほど、幽閉されたスコットランド女王メアリ・スチュアートをエリザベス女帝の手から解放しようとする人々の物語と、現代の少女の物語が交差するタイム・トラベルもの、といえば、確かに子供たちの読書欲をそそります。 しかし、サッカーズ荘園の四季折々の美しい風物、そこに暮す人々の、落ち着いた愛情あふれる生活、そして何よりも、どんなに時代が変わろうとも、歴史の抗いがたい運命を前に、なおもたくましく優しく生きていこうとする人々に対する共感と親愛の念ー、こういったものを鑑賞できるのはやはり大人の特権といえるのではないでしょうか。いつまでも物語が終わって欲しくない、そう思える本にめぐり逢えたのは久しぶりでした。
あまり重要な登場人物ではないバーナバスおじさんの、゛背後に水の力があるからこそじゃ。命と同じじゃ。背後に力がなければならん。人間を苦難と戦わせ、負けずにがんばらせる力が。サッカーズのこの泉はかれたことがない。これからもかれることはない。いつまでも、いつまでも続いていく"というセリフと、グリーンスリーヴスの切ない音色がしばらくは頭から離れませんでした。
かぐわしきハーブの香り、ひめやかなグリーンスリーヴスの調べ
はるかな昔の空気が、そこかしこに息づいているサッカーズ農場の家。母親の身内のバーナバスおじさんと、ティッシーおばさんが暮らす家で生活することになった少女ペネロピーは、やがて16世紀後半の過去と現在の世界を往復するようになります。過去と現在とが同時に存在している、そんな魔法のようなサッカーズの雰囲気に導かれて……。ハーブの香りがかぐわしく立ち上ってくる物語でした。アリソン・アトリーの『時の旅人』( A Traveller in Time 1939年作品)。イングランドのダービシャー、その片田舎にあるサッカーズ農場を舞台に、主人公の少女ペネロピーが300年の過去と現在を行き来するタイムトラベルファンタジー。読み終えて、鐘の音がごーんごーんと響いてくるような話の余韻に浸りました。「グリーンスリーヴス」の音楽が、秘やかに、ひめやかに物語の中に織り込まれていたのも印象に残ります。私、イギリスのヴォーン・ウィリアムズという作曲家の音楽がとても好きなのですが、彼が作曲した「グリーンスリーヴスによる幻想曲」や「田園交響曲」の音楽の一節を心の中で時折流しながら、本の頁をめくっていきました。とりわけ、「グリーンスリーヴス」の哀しみを帯びた美しい調べの音楽が、リフレインのように物語の中で鳴っていたのが忘れられません。
☆癒される。。。☆
病気がちな主人公の少女ペネロピーが
療養のため転地した先で時を超えた冒険を体験します。
そのため、
疲れているときや病気のときに読むと、
なんだか癒されるのです。
何もかもがゆっくりだった時代のお話に触れるからでしょうか。
ハーブの名前もたくさん出てきて、
読んでいるだけでいい香りがします。
岩波少年文庫の中で一番好き。
カニグズバーグも読みますが、
アトリーの『時の旅人』がもっとも気に入っています。
これは「大人の」本です!
ヒロインのぺネロピーは少し体が弱い、空想好きの女の子。
そんな彼女が田舎にある親戚の、古い古い歴史を持つ屋敷を訪れます。
そこは300年前、ある悲劇の舞台になった場所。
少女はいつしか時をさまよい、忍び寄る不安の中にも平和な生活を守って楽しく暮らしていた当時の人々との交流が始まります。
すてきな出会い、淡い恋、そして…。
古き良きイギリスの雰囲気が全編を包む、珠玉のファンタジー。
きっとあなたも読み終わったあとには、「グリーンスリーブス」を聴きたくなっていることでしょう。
