夜叉ヶ池・天守物語 (岩波文庫)

  • [著]泉 鏡花

カテゴリ:
文庫 (141頁)
ISBN:
4003102738
発売元:
岩波書店 (1984/01)
価格:
¥ 420 (税込)
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70,810 位
評価: 4.5
2008
04/03
Thu

お雪さんとお富さんの謎

100.0% (1 / 1)
[No.6] posted by 三輪そーめん

女は強しw
妖怪は強しw
約定を違え理不尽で自己中な人間共を圧倒的な力でお仕置きする。
この爽快感。
命の為に恋は捨てない!!この潔さ!!
こんな恋をしてみたいものである。

さて夜叉が池のお雪さん、両親は龍神と言いながら晃の話では
日照りの生贄の乙女であったりする、この謎の存在。
記憶が自己修整されているのか?
天守物語のお富さんは遠く離れた夜叉が池のお雪さんと友達みたいだしw
不思議とリンクしている幻想戯曲。
謎が謎を呼びます。

2007
02/09
Fri

玉三郎

100.0% (2 / 2)
[No.5] posted by 向島鳩居堂

『天守物語』『夜叉ヶ池』ともに坂東玉三郎が演じています。戯曲なのですから、
演じられねば話になりません。そして、舞台で観たのは『夜叉ヶ池』でした。
同時に『海神別荘』も演じられたのを二回観ましたが、泉鏡花の台詞の美しさを
稀代の女形が演ずることの素晴らしさよ。映画も先の二作はありますね。
でも、DVDになっていないのですよ。これは甚だ残念であるし、国の宝なのですから
ぜひ自宅でも観たいと思います。
ともあれ、『高野聖』『眉かくしの霊』という小説で味わう鏡花とは別の趣が楽しめて
鏡花のスケールの大きさ(という言葉はこの方には似合わないけれども)
を味わってください。で、DVD,ぜひお願いします。

2006
09/12
Tue

明治期に江戸情緒で描かれた男女共生と市民社会法

83.3% (5 / 6)
[No.4] posted by 103茶王

7月歌舞伎の鏡花4作品『夜叉ヶ池』『海神別荘』『山吹』『天守物語』の上演(坂東玉三郎演出・主演)を見た。私は長く鏡花を誤解していた。 美文、江戸情緒、妖怪変化の幻想性、男権的女性の客体化、という三島や澁澤龍彦系の解釈に長く安住していたのだ。作品は美しい異界と醜い人間界との対立のように描かれているが、違う。舞台を見、改めて本を読み返してみて解ったが、ここには対等な男女が愛し合う男女共生の価値観と、高圧的な家父長的男権主義の価値観との対立が描かれている。そして異界とは原始アニミズムである。異界の力を借りるときには、男女共生の価値観が近松心中物のノリで勝利するが(夜叉ヶ池・天守物語)、人間界のみの道理に支配されると、家父長的男権主義が勝利する(山吹)。『夜叉ヶ池』の萩原晃や『天守物語』の姫川図書之助は夢幻世界の住人即ち男女共生社会の一員になれるが、『山吹』の島津正は「仕事がある」と言って断じて共生社会に組しないのだ。殊、『夜叉ヶ池』のラストは圧巻。晃に「人は心のままに活きねばならない」などと言わせて個人主義・自由主義を語る。俗物代議士に「いやしくも国のためには、妻子を刺殺して、戦争にでるというが、男児たるものの本分じゃ。」と言わせ、いざ死ねと迫られた途端逃げる姿を描いて、全体主義を揶揄する。ここまでくると、フランス革命以来の市民社会法の理念が語られてて、鏡花って、女性蔑視をしない分、中江兆民を凌駕するんじゃないの?!とまで思わせる。・・・と、これが深読みかどうかは、この本買って読んで考えて頂きたい。

2005
10/11
Tue

分かりやく、読みやすいストーリー

9.1% (1 / 11)
[No.3] posted by edupat

2作品ともに「人間世界」と「妖怪世界」の対立。選ばれた人間が最後は妖怪世界に行く。

2004
12/05
Sun

押井守さん、いかがでしょうか?

16.7% (2 / 12)
[No.2] posted by 寺田透を読む会代表

『海神別荘』の「乙姫様が御工夫を遊ばしました」百科事典。海底にある「此の国の微妙なる光に展(ひら)きますると」白いページの上に、森羅万象が極彩色で描きだされる。『夜叉ヶ池』の白雪の衣裳。「雪なす羅(うすもの)、水色の地に紅の焔を染めたる襲衣、黒漆に銀泥、鱗の帯」。鏡花の天才は、舞台でも実写の映画でも不可能なイメージを、華麗な詞章に封印した。現在の3DCGのアニメによって、それは初めて再現可能となったのではないか?若き才能の挑戦に期待!押井守さん如何?

2003
04/12
Sat

鏡花が描く、ロマンチックなおとぎ話

77.8% (14 / 18)
[No.1] posted by ribbon

『夜叉ヶ池』は、その鐘を一度でも撞き忘れればたちまち村が大水に飲まれて滅んでしまうという伝説の鐘を守る夫婦のお話。
『天守物語』は、姫路城の天守に棲む富姫(妖怪)と人間の鷹匠の若者の恋物語です。

この二つの物語は戯曲形式で書かれていますが、テンポがいいので初心者にも読みやすいと思います。

まず、『夜叉ヶ池』に登場する、眷属たちの名前がユニーク。
「鯉七」「蟹五郎」「鯖江太郎」「鯖波次郎」など、まるで『サザエさん』のようで、もうこれだけで楽しくなって来ませんか?

それから、『天守物語』で、桔梗・女郎花・萩・葛・撫子の侍女五人が、金銀の棹に五色の糸の釣竿を天守から下界に垂らして、露を餌に千草八千種秋草を釣って遊ぶ・・・という、夢のように美しいシーンは忘れられません。

私はまだ姫路城には行ったことがないのですが、富姫の棲む天守を、せめて下からでも、拝みに行ってみたくなりました。


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