仏教が好き!

  • [著]河合 隼雄
  • [著]中沢 新一

カテゴリ:
単行本 (261頁)
ISBN:
4022578580
発売元:
朝日新聞社 (2003/08/06)
価格:
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評価: 3.5
2007
01/17
Wed

ヒトの心理、日本人心理、グローバルな人類への理解に

90.9% (10 / 11)
[No.23] posted by seraphim

当方、海外育ち、海外在住です。
(日本の)仏教についての知識が欲しいなあ、と思った時、これを目にして、これなら(タイトルからして)読みやすそう、分かりやすそう、と思って購入しました。なかなか読む暇がないまま数年経ってしまったのですが、最近やっと読んで、大当たり!!と思いました。
仏教に限らず、キリスト教や他の宗教などと比較しながら、それらの宗教がその背景で生まれ育つ人の意識にどう影響しているかというところは、自分で漠然と感じていた日本人とヨーロッパ人の精神の根本的な差そのもので、なるほど!とやっとはっきりした感じです。
私も心理療法士としての勉強を終えたところですが、河合隼雄氏には同感で、トランスパーソナル心理はもちろん、心理分析はどこか東洋思想に通じるところ、または東洋思想によって非常に効果があがるところがあります。
ここに描写された河合氏の手法が私の心理分析の手法にとても良く似ているせいもあるかも知れませんが。
仏教についてだけでなく、心理分析についても述べたこの本には大きく共感します。「自分」への理解を深めたい人にも、また、うまく応用出来れば普段の対人生活にも結構役立つかも知れません。
更に、人類学的な分野に視点をおいた部分、宗教と経済がどう関わっているか、各宗教の発展した背景なども大変興味深いものです。女性原理、男性原理について、瞑想について、性について、など、様々な主題をカバーしています。
「幸福」とは、いったいどういう状態なのか。誰もが求めているはずなのに、実はそれがどういう状態であるか、はっきり答えられる人は結構すくないものです。この本に、西洋と日本の幸福感を比較しながら出した、一つの答えがあります。私個人的には、本当に納得出来るものです。目標がはっきりしないのに、目標に達せるはずはないですから、是非、これを参考にして欲しいと思います。
「仏教が好き!」というタイトルから、仏教の本、と思いがちですが、心理学に興味がある人(は著者の名前だけでもこの本に目を向けるかもしれませんが)にも、また、外国人心理に興味がある人にもおすすめしたい一冊です。
この本だけで外国人心理がどうの、とは断定出来ませんが、特に外国に住んでいる人には、こういう根本的な意識、価値観の差があり得る、と留念するだけで、ずいぶん外国人とのおつきあい、理解がスムーズになると思います。
全体的な印象としては、「仏教の説明を通じて人生と世界を考える」本だと思います。

2005
01/28
Fri

仏教ってスゴイ。この二人のオジサンたちもスゴイ。

40.0% (4 / 10)
[No.22] posted by nrkz3

仏教についての専門知識はありませんが、日本がキリスト教やイスラム教でなく仏教の国で良かったと読んでいて嬉しくなりました。また、世尊の弟子たちの性に関する罪のリストが何故か詳細に載っています。世尊の苦労が伝わってきました。河合先生も中沢先生も対談しながらどんどんノッテきて話の内容が相乗的に高度かつ詳細になる部分がいくつかあり、読んでいてとても得した気分になりました。

2004
10/12
Tue

売れたんだろうな。でも読み通したかな。

81.8% (9 / 11)
[No.21] posted by モワノンプリュ

 私、この本は食わず嫌いでした。河合隼雄と中沢新一の対談? しかもこのタイトル! なんだかいかにも内容薄そうじゃないですか。
 でも、発行から1年もたって、気まぐれで読んでしまいました。面白かったです。
 ただ、面白かったのは事実なんだけど、★は控えめ。この内容でこういうパッケージを考えた編集者の商売上手に、ちょっと抵抗したい気分です。放っておいても売れるよな。また内容的にも、ある種の解毒作用は認めるけど、ぜひとも読んでおきたい、人に勧めたいという感じはしない。ま、煮詰まったときに気晴らしで読むにはいいよ、といった程度かな。
 と言いながら、巻末近くで中沢氏が自分と仏教との係わりを語った部分はとても面白かった。そうだったのか。中沢氏の仕事に関心のある人は、読んで損しないでしょう。
 

2004
09/11
Sat

タイトルと内容のミスマッチ

60.0% (6 / 10)
[No.20] posted by R!

「仏教が好き!」このタイトルに食いついてしまった。あの小難しそうな見かけをしている仏教を、「好き」と言うのか!「好き」だなんてバチあたらない?とかなんとか思いつつも、仏教という、身近な存在と言うか、日本人にとって一番近い距離にある宗教については、確かに知りたい。そして、河合隼雄と中沢新一の対談となれば、なんだか期待も膨らむ。

本書には、仏教の意外で興味深い側面が語られている。仏教は矛盾を平気で孕んでいるんだ、とか。あれも違う、これも違う、と「否定」するブッダ、とか。一番驚いたのが、仏教の「性」について。不道徳はダメですよ、なんて言い方じゃなくて、ものすごく具体的に規定している。戒律が訳されているけれど、生々しすぎる。

ただ、この本の欠点は、「難しすぎる」ということだ。この問題は、人選が起因していて、二人ともかなり勉強している人で、話はどうしても専門的になるし、二人で話すことによって、互いに何か発見しようとしているように見える。お互い、お互いしか見ていない、というか。想定読者が学者なの?もしくは読者を想定していないの?とツッコミたくもなる。

「仏教が好き!」というタイトルで、こういう内容はないでしょう。聞き役が河合隼雄でなく、「海馬」という対談本で脳の面白さを、専門じゃない人にも役立つように伝えようとした糸井重里であったなら、「仏教が好き!」は本当に面白い本だったと思う。

2004
07/15
Thu

名は体を現す

25.0% (1 / 4)
[No.19] posted by ワッピ

奇抜なタイトルがすべてを物語っている。
仏教、キリスト教、物理学、ポップカルチャー、いずれも
世の中をどう見るか、自分はどう生きるか、という次元では
おなじ。いつのまにか壁が出来てしまったが、出発点はあまり
変わらない。
語られている言葉の背景は、とても奥深いものであるが、それを

衒学的(ペダンチック)で気に食わないと見るか、なんか面白そう
と思うかは、読者の頭の柔らかさによる。ま、好き嫌いは分かれるで
しょうが、それが本書の個性でしょう。

2004
02/12
Thu

なかなか興味深い

55.6% (5 / 9)
[No.18] posted by luce9

個人的にこの二人を嫌いでないということもありますが、それをおいてもなかなか興味深い対談でした。
仏教の教義など、何たるかを知りたい人には方向性が違いますが、
宗教的対立や今の日本を取り巻く状況や物質文明などを考えるに
一つの示唆を与えてくれると思います。
これからは東洋的な思想が大事と単純な発言でなく、一神教など広範囲に踏まえて本当に考えていかなければならないことを
考察しているやりとりは印象に残りました。
もちろんお二人の専門知識、博識のもとに話が進んでいますので難しい部分もありますが、全体的にはとてもわかりやすかったです。
あちらこちらに考えるヒントがあってとても楽しい一冊でした。

2004
01/20
Tue

宗教って??

42.9% (3 / 7)
[No.17] posted by なみなる

朝日新聞社の梅原猛の仏教の教室もこの本も、宗教に対して知識もなく、でも宗教ってなんだろう?とか、自分の生き方って??て悩み始めた中年にさしかった人たちにお薦め。(自分がそうだから)仏教、(仏の教え)と敷居が高いように感じていたけれど、宗教でない宗教といった点は、きっとそれを容易に超えてくれそう。多くの日本人は神頼みやお参りはするけれど、それほど信心深くもなく、宗教が身近な存在には感じなかったはず。ところが、9.11や、イラク戦争、宗教がらみのいざこざが絶えず、また外国人と接する機会が増える中、日本人には(自分には)核がない!!と考えるようになる。仏教を知ろうとすることで、自分の中の何かを見出せるかも。ただし、この本を読んでいても、禅問答みたいで理解できないところが多々ある。しかし、目からウロコの発言も多数。イラストをしりあがり寿にしたように、仏教を知ろうとする取っ掛かりになる本になるのではないだろうか??(出版社の売れ筋企画物なのかもしれないが…)対話形式で、ゆるゆるなところが著者たちの言う仏教っぽいかんじがした。(まじめな仏教徒、宗教学者の方ごめんなさい)

2004
01/18
Sun

「仏教が好き」な人には好著

25.0% (1 / 4)
[No.16] posted by ソコツ

表紙からして内容の軽そうな本ですが、全体に小難しいです。「入門書」ではないので注意。アカデミックな教養が、やたらともりこまれています。はじめの方からそうなので、けっこうつまづくかもしれません。まあ、この手の議論が好きな人なら、かなり楽しめるのですが。

しかし、最後まで投げ出さずに読むことができれば、仏教の考え方や仏教的なライフスタイルのあり方が、他の様々な思想・宗教・生活文化との比較や相互関係を通して、深く広く学べることは、間違いありません。

ただし予め注意しておきたい点として、他の宗教を真剣に信じている人は、あまり近寄らないほうが身のため、というのがあるような気がします。対談者のふたり、あからさまに仏教を礼賛しているので。というか、中沢氏の仏教への熱意が強烈で、河合氏がそれに引っ張られているというのが正確なのですが。仏教以外の諸要素は、仏教を盛り上げるために存在しているようなものです。とはいえ、このタイトルを確認したあとでこれを読もうとしている時点で、その人はすでに仏教徒なのかもしれませんね。自分では意識せずとも。
何はともあれ、仏教徒の皆さんは必読。確実におもしろい。

2004
01/04
Sun

難解注意報発令中!

53.3% (8 / 15)
[No.15] posted by utudanuki

 会話体で書かれているが非常に難解な本である。宗教学、文化人類学、民族学の素養のない人が読んでもさっぱり分からないことを保証する。中沢がほぼ一方的に訳の分からぬ事をしゃべりまくり、河合はいつもの精彩を欠いている。

一例を挙げる。以下引用。

中沢 永遠で変化しないものは人間の心に安心をもたらさないということですね。仏教が問題にしているのは、その生命体がまわりの世界と違う部分、ちいちゃい部分を作って、ここで何とか持続してみましょうというのが生命だと言ったわけですから。

 でも、そうやってできた宇宙の中の孤島のような自分の存在に拘泥しているかぎり、生命は幸福になれないと言っています。(204ページ)

2003
12/03
Wed

河合&中沢ファンには

50.0% (3 / 6)
[No.14] posted by 電気うさぎ

面白かったですよ。
しりあがり寿氏による表紙や扉絵のイラストレーションが、ほのぼのと素敵。

正統派の仏教知識がある方には、変なところがあるのかもしれません。
私は基本的なところをあまり知らないので何とも言えませんが・・・。
私は、「なにしろこのお2人のことだから」と思って、自由な発想と愉しい対
話を楽しみました。

仏教そのものというよりは、仏教的思想にまつわる古今東西の文化や思想など
いろいろなお話、といった感じでしょうか。
終わりのほうの数学の話(マトリックスとか)は、難しくて分からなかった・・・
が、なにか、面白かった。
曼荼羅は全体主義ではない、曼荼羅はマトリックス(行列)。

曼荼羅みたいな、それぞれが自由にやっていながらまとまりのある世界は素敵
だと思う。

・釈尊と弟子の問答集、パーリ語聖典『律蔵』抄訳。
・「大日如来の吐息……科学について」

なども面白いです。
『律蔵』は修行僧たちの性にまつわる妄想がすごすぎちゃって笑えるほどです。

大日如来の吐息(ぽわーんと煙が出る)あたりは、駄洒落も入って、河合先生
ファンには「またかよ!(笑)」な世界が展開されています。

仏教を勉強なさっている方々にはどうなのか分かりませんが、素人には面白かっ
たですよ。仏教本へ手を出すとっかかりの1つにしても良いのでは。


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