- [著]上橋 菜穂子
- カテゴリ:
- 単行本 (357頁)
- ISBN:
- 4035402702
- 発売元:
- 偕成社 (2001/07)
- 価格:
- ¥ 1,575 (税込)
- Amazonポイント:
- 15 pt
- 在庫状況:
- 通常24時間以内に発送
ユーズド商品:¥ 400 より
人間としてのチャグムの成長と秀逸なストーリー
一作一作とストーリー、国や光景、そして人々の思いや気持ちの描写がますます磨かれ、すばらしいものになってきている。
隣国サンガルに皇太子としてシュガとともに訪問するチャグムはそこに渦巻く陰謀に巻き込まれることになる。
政治的な思惑や事なかれ主義をとることなく、彼は彼の体験した「計算や思惑なく人を守り愛する」ことを実践し、サンガルの危機をサンガル王族と協力して救っていく。
けっしてかっこよくやりぬけるのではない。
机上で考えた策がまんまとあたり、その結果多くの兵士が血を流し死んでいくのを目の当たりに見て、本当の世界を知り、ショックを受ける。
こんなひとつひとつがチャグムを成長させ、次の王たる道を歩んでいくのだと感じさせるのである。
ジュニアノベルとしてはとてももったいない、深みのある作品。
登場する人々のことを愛してやまない。
上橋氏のストーリーテラーぶりに感服しました。
本書は外伝という形をとっている。本来の女主人公が登場しないからである。しかしながら重要人物である新ヨゴ皇国の皇太子チャグムが主人公になり、彼が成長していく様子をしっかりと描ききっている。
上橋氏のストーリーは必ず心地よいひねりがあるから楽しみであり、ワクワクさせていただいている。立派な大好きな作家の一人である。これからも期待しています。
チャグム、たのもしい・・・
虚空の旅人は守り人シリーズの外伝で、残念ながらバルサは回想場面しか出てきません。それにも関わらず惹きつけられたのは14歳に成長したチャグムの勇敢さ、思慮深さ、魂の清らかさ、師であるシュガとの信頼関係、そして帝の名代で向かったサンガル王国王子との友情、サンガルの女性たちの内なる強さでしょう。国同士の駆け引き、呪詛との闘い、再び垣間見る精霊の世界、上橋菜穂子の世界は子供だけ、日本だけにとどめておくのは勿体ないと思います。
外伝なのにおもしろい。
私は、守人シリーズが好きなのですが、この外伝もとても惹きつけられました。この人の作品は、どれもテンポよく軽快な感じなのに、テーマは、とても深くて、考えさせられることの多い作品です。この作品を気に入ったら、ぜひ、守人シリーズも読んで下さい。自信を持ってお勧めします!!
大人も子どもも引き込まれる骨太ファンタジー
「日本のファンタジーは薄っぺらでご都合主義で読むに値しない」と言う人がいる。確かにそんな作品も多いのだろうが、この作者の作品はハリー・ポッターと並べても何ら見劣りしない、世界に誇れる日本のファンタジーの代表作だと思う。
作者はオーストラリアの先住民アボリジニ研究を専門とする文化人類学の大学教授。確かな知識に裏付けられた架空の世界の風俗の描写が実に豊かでリアルだ。加えて、ほんのわずかなセリフや仕草だけで、こちらの心をぐいとつかんでしまうような人物の魅力、ひとつひとつのエピソードの面白さ、一度読み始めたら本を置くことも出来ないほど引き込まれてしまうストーリー展開。
こんな素晴らしい作品をよくぞ児童文学というジャンルで世に出してくれたと思う。そういう意味で作者と出版社に感謝。
惜しむらくはとても寡作なのだ、この上橋菜穂子という人は。それだけ1作1作が入魂の作と言えるのだが、ファンにとっては他の作品ももっと読みたくて焦れてしまう。
大人も楽しめる児童書
外伝にも関わらず、というか、このシリーズでは初めて、やけに謎を残した終わり方をしていました。まだ続くのかしら?挿絵を描いている方が本編とは替わっています。挿絵の入り方も今までとは少し違っていて「外伝っぽいなぁ」と新鮮でした。今回はチャグムが主人公。バルサやタンダは出てきません。
異国の地・サンガルで精霊の気配を感じるチャグム。呪いのにおいに危険を察するシュガ。「守り人」外伝!
オルタナティブ世界物語、外伝
この作家は、ちょっといい。
物語の背景に、きちんとした知識を見ることができる。心理学や文化人類学というのは、聞きかじりでいいかげんに扱われることも多いのだが、この筆者について言えば、そのような心配もいらない。
本書は「守り人」シリーズ3部作(精霊の守り人、闇の守り人、夢の守り人)の外伝。もちろんシリーズ3部作はいずれも楽しめる「オルタナティブ世界」物語になっている。この3部作を読了後に本書を読む人が多いだろう。しかし本書のみを読んでも存分に楽しめることは間違いない。
冒頭の登場人物、地名一覧がなんだか読みにくい印象を与えるかもしれないが、ここは飛ばしてしまってまったく問題ない。確かになじみに
引き込まれます!
私は一度本を開いたらこの世界から抜け出ることができませんでした。
とても幻想的で、それでいて世界設定もしっかりしていて、登場人物も個性あふれていて・・・、ファンタジー好きにはたまりません!話の展開も先が読めなくて、とてもおもしろいです。
チャグムの成長に涙・・・!
第一作「精霊の守人」で苦難の末に成長したチャグム。その彼が帰ってきた!バルサに人として生きる術を学び,帝王学を修めた彼はいま新ヨゴ皇国の皇太子として厳しい現実に立ち向かう。訪れた海洋の民の国,サンガル王国で陰謀に巻き込まれ,また重なり合う異世界ユナグの存在を知り,チャグムは苦悩する。
海洋民族の習俗,文化が丁寧に描かれ作者の造詣の深さを思い知る。魅力ある登場人物が縦糸横糸に絡まり(女性が実に魅力的),ミステリの構成にも似た伏線の張り方は陰謀劇を一気にラストに導く。その力量は鮮やか。
