- [著]上橋 菜穂子
- [イラスト]佐竹 美保
- カテゴリ:
- 単行本 (365頁)
- ISBN:
- 4035403105
- 発売元:
- 偕成社 (2005/04/23)
- 価格:
- ¥ 1,575 (税込)
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守り人シリーズのターニングポイント的作品
守り人シリーズのターニングポイントと言ってもいい作品かもしれない。
タイトルの旅人でも分かるとおり、本作の主人公はチャグムだ。それにしても、この皇太子はなんでこれほどまでの苦難に会わねばならないのか、と二度読み終えた後で思ったりもする。
少年少女向けというジャンルで始まったはずのシリーズだが、第1作の「精霊の守り人」同様、本作もそれをあっさり超えてしまっている。むろん、小難しいことは一見ない。帝国的な支配と被支配が実に簡潔に、かつ人間のなす行為として、政治的な現実も交えて描かれている。しかし、たとえば人生を半世紀ぐらい生きてきた人が読むと、その記述はなかなか味わい深いはずだ。
タルシュ帝国の支配の記述を読むとローマ帝国のそれを思い浮かべる。それは、意外にも合理的で、その支配の下に納まった方がいいのではないかと思えるほどだ。チャグムも動揺してしまう。
むろん、チャグムはその誘惑にあっさり降りはしないのだが、お約束だとわかっていてもこのあたりの話は読み応えがある。といって、とことんどろどろした政治小説の世界にならないのはもちろんだ。
それにしても、チャグムはタフな子だ。しかも、皇族である。ある意味、理想のヒーローとも言える。しかし、作者は声高に「この子はヒーローよ」とはいわない。読んだあとで、ああそうか、とわかる。それが、この息の長いシリーズのいいところなのだろう。
シリーズ中、一番好き
先日、この「蒼路の旅人」に続く「天と地の守り人」を読み終え、
守り人シリーズを全て読み終えたのですが、振り返ってみても
この「蒼路の旅人」が一番好きな作品です。
本作は外伝という位置づけで主人公のバルサではなく、
チャグムの足跡をたどる物語となっています。
「精霊の守り人」の頃よりも成長したチャグムが荒波に巻き込まれていくという
話の展開なのですが、なによりもチャグムが苦悩しながらも進んでいく中で
上橋先生の心情描写の筆力のおかげで、どんどんチャグムという人物の
芯の強さに惹かれ、どんどん引き込まれていきました。
バルサの活躍を描く作品も好きですが、やはり成長過程にあるチャグムにも
魅力があるからこそ一番好きなのだなと思いました。
本書は最終巻となる「天と地の守り人」へ続く形となっているので、
読み終えたら続く天と地〜を読まずにはいられない流れとなっていますが
バルサの旅とチャグムの旅、その二つが再会する感動のラストまで
あっという間に読めてしまうおもしろさです。
後戻りのできない道に踏み出すチャグムの姿に、胸が苦しくなった
不吉な暗雲が漂いはじめた新ヨゴ皇国(おうこく)。15歳の皇太子チャグムが、彼と新ヨゴ皇国の運命を大きく変える道に、引き返すことのできない道に、足を踏み出していく物語。
父親である帝(みかど)から強く疎まれ、いつ暗殺されてもおかしくない立場にある皇太子チャグム。様々な不安を抱きながらも前へ、前へと進んでいく姿は、見ていて胸が苦しくなりました。女用心棒バルサや星読博士のシュガといった心から信頼しあえる人たちと離れ、ただひとりで考え、進むべき道を決めていかねばならないチャグム。新ヨゴ皇国の運命を担っていることを痛いほど感じ、逃げたい逃げたいと思いながら、ぎりぎりの所で持ちこたえているチャグム。そんな彼の決死の駆け引きと行動にはらはらしながら、頁をめくっていきましたよ。
単行本巻末の作者によるあとがきには、こんなことが書いてあります。「バルサをめぐる物語を『守り人(もりびと)』の物語として書き、チャグムのような少年が、国と国とをめぐる複雑な状況のなかで、みずからの道をさがしながら歩んでいく物語を『旅人』の物語として書いてみたい・・・・・・そう思うようになったのです」と。
本文の物語を彩るイラスト(佐竹美保・挿絵)の見事さにも、目を奪われることが多かったですね。なかでも、p.214〜215にまたがる挿絵と、p.359の挿絵の素晴らしかったこと。思わず、見とれてしまっていました。
わたしはけっして、あなたに屈しない
水平線に黒い雲が昇ってくる・・・戦闘の民族タルシュ帝国。
まるで海原を昇る雲のようというタルシュ帝国戦艦数千。
タルシュ帝国がついに新ヨゴ皇国侵略に動き出す。
皇太子チャグムがひとり海に消えて終わる。
守り人・旅人シリーズ最終章『天と地の守り人』への序章であろうか。
本書はシリーズ中の一作と見れば★4つ。単体では★3つ。
叙事詩の出発点
守り人シリーズ外伝の第2作目だと思っていましたが、新ヨゴ皇国皇太子のチャグムの叙事詩の出発点でした。驚きました。
まだまだ続きますね、このシリーズ。しかし楽しみです。
迷いが無い☆5の作品
~女用心棒が主人公の守り人シリーズも大好きですが、チャグム皇太子が主人公の旅人シリーズもたまらなく面白いです。チャグムは上等の衣を身にまとい、臣下にかしづかれ、世の中を観ずに傲慢に生きる皇太子ではありません。前作より成長し、15歳の成人の議を終えて大人への第一歩を踏み出したばかりだというのに、父である帝やヨゴ皇国を支配下に置こうとす~~る大国の板挟みに合い、待ち受ける罠の中に飛び込まなければならなくなります。大切に思っている人を失い、身動きのできない状況に追い込まれ、それでも国の民を思う、前編を通して切なさに胸を締め付けられる、そんなすばらしい作品です。~
魅力的な主人公
人物がとても魅力的です。ちょっとした仕草や言葉にその人物の人間性がよく表れていてうならされます。
前作『虚空の旅人』では、冷酷無慈悲なサンガル王国の王子や王女との対比をからめて、理想と現実のはざまでもがきながら、自分なりのやり方で皇太子として生きていこうと決意を固めるチャグムが描かれていました。
本作では、さらにそれを推し進め、母国を征服しようと狙う大国タルシュ国の王子との対決が描かれています。理想だけを見つめていればよかった少年時代から、現実との兼ね合いを考えながら民を守り国を守ってしたたかに生きる、チャグムの青年時代の始まりです。
今後、女用心棒バルサを主人公とした<守り人>シリーズとチャグムを主人公とした<旅人>シリーズに分かれて物語は進むようですが、最後には双方のシリーズが融合する雄大な物語になるのでしょうか。とても楽しみです。
物語の世界を楽しませてくれる。
『精霊の守人』でバルサに守られていたチャグムの物語。
新ヨゴ皇国の帝である父に疎まれ、暗殺されそうになりながら、15歳になったチャグム皇太子は、英明さと肩入れしたくなるような魅力を持って自分の生きる道を見つけていく・・・。
海賊の頭領である少女セナ。帝の『狩人』であるが、チャグムを守るジン。タルッシュ帝国の手先となってチャグムを誘拐したヨゴ人ヒュウゴ。多彩な登場人物も面白く、チャグム皇太子の心の揺れが丁寧に描かれていて読み応えがあった。
海を泳いでいくチャグム皇太子の前に広がる世界の物語に期待せずにいられない。
いよいよ シリーズに昇格ですね。
守り人シリーズの外伝から 完全に離れて 壮大なスケールを予感させる形になりました。
今後に期待します。
今作品は 主人公の「チャグム」の人として 上に立つ者としての
成長を 表現しています。彼の行動については 文章中にも説明されていますが
「水の守り人」を読んだ方が よく理解できます。
強大なライバルの出現 異世界との関わり 決断 戦い
後が 待ち遠しい 一冊です。
いいですよ
いいです。このシリーズ。児童書なんだけど面白い。
あっさりと読めます。この先の展開が楽しみです。
バルサもこの先関わってくるのかなあ。
