- [著]上橋 菜穂子
- カテゴリ:
- 単行本 (308頁)
- ISBN:
- 403540330X
- 発売元:
- 偕成社 (2007/01)
- 価格:
- ¥ 1,575 (税込)
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一気に読んでしまう。
第二部は、カンバル王国編だ。
ナユグが迎えつつある春は、サグにとてつもない影響を与えようとしている。
だが、サグの方は戦争勃発の危機に瀕してそれどころではない。一部の者を除いて。
そんな状況がこの巻の設定だ。ナユグの変化が何を起こそうとしているか、読者にはむろん分かるのだが、登場人物には見えていない。その焦燥感にかられて一気に読んでしまえる。
バルサは、危機一髪で救ったチャグムとともにカンバルをめざす。このあたりの描写を読んでいると、『バルサは、本当におっかさんだなぁ』と思ってしまう。
国境越えでも例によって事件が起こるが、ここでも巧みな伏線が張られているのが楽しい。そして、人生訓までも入っている。
それはそれとして、チャグムを狙う刺客の罠は何重にも張り巡らされている。これを二人がどのように切り抜けるかは読む方のお楽しみとして、故郷に再び帰ってきたバルサとチャグムがカンバルをめぐる描写が、なぜかほのぼのとした雰囲気を感じさせる。そして食べ物の描き方も、あいかわらず美味そうだ。
しかし、第二部での主役はチャグムではなかろうか。新ヨゴ皇国一国どころか、カンバル、ロタ、そしてサンガルの行く末に彼はかかわりつつある。その状況は、チャグムの年齢には頓着しない。それどころか、父である帝を亡き者にすることを強いてくる。
その葛藤が、本作のあちこちで見られるが、帝政という制度の限界を実にわかりやすく見せている描写ともいえる。王たるものの一言が、すべてを決めるという体制。チャグム自身が皇太子であるという事実が、事態を複雑にし、思わぬ動きをも与えていく。このあたりは、老練な読者も楽しめるだろう。
ところで、タンダを忘れてはいけない。この巻でタンダは極めて重要な働きをする。加えて、トロガイがタンダ(の魂)と交わすやり取りがいい。心が温まる。
カンバル王国・ロタ王国同盟なるか
チャグムがバルサと共にカンバル王国・ロタ王国同盟に尽力するお話し。
バルサの存在の意味が薄い。
タルシュ帝国の敗北はハザール王子・ラウル王子の敵対か。
第一部より布石のナユグがどのような影響をおよぼすのか。
そして 天と地の守り人 とは? 第三部に期待。
前著を受けて
本書は前著を受けてしっかりとラストスパートにつないだ内容になっています。バルサはチャグムのために戦いに明け暮れ、チャグムは死んだことになっているが、皇太子として大義をしっかりと伝え、人間的な土台を築いていきます。
面白くなってきました。
またも傷だらけのバルサ
しまった、まだあと一冊あるんだった…!三部作だもんね。
という訳で一巻で出会えたバルサとチャグムのカンバルへ向けての旅は続きます。
ナユグの春による異変や、過去に出てきた「牧童」の登場やら、
大きなうねりがひとつの出口に向かっているかのような、勢いを感じます。
さて次巻でどうなるのか、ナユグの春を感じるように読んでいるこちらもそわそわします!
面白いです。
「ふくれっつらでだだをこねていたチビ」の成長した姿を見ると目頭が熱くなりますね…
特にラスト近くの「ホイ」のシーンは流石です。
駆け引きや思惑が交錯して、バルサ闘うです。
新ヨゴ皇国の皇子チャグムは、ロタ王国とカンバル王国の同盟を結ぶために、バルサと共にカンバル王国へ・・・。刺客に追われているチャグム。それを助けるシハナ。と、自国が生き延びるために各国の王や皇子、宰相などの駆け引きや思惑が、交錯して、めまぐるしく舞台はまわっていきます。・・・面白いです。
チャグム皇子も心身共に成長しています。自国を救うために誇りを捨て・・・、騎馬軍団を引き連れてロタへ向かう。夕日の山脈を見て「アラム・ライ・ラ・・・」と、つぶやくチャグム。この言葉にチャグムのバルサへの気持ちが込められているのかもと・・・。
・・・の部分は是非お読み下さい。
待ってました
カンバル王国編です。バルサとチャグムが一緒に旅してます。戦争やら天の災いやらで大変な感じですが、バルサと一緒のチャグムが嬉しそうで可愛いですね。バルサ大好きーな感じがよく表れているかと。今作は、バルサとチャグム、そしてタンダとトロガイの絆が描かれていますね。今まで登場した懐かしのキャラもぽつぽつと出てきて嬉しいです。…カッサもなんだか大人になってるっぽいし。今から次が楽しみでなりません。
作者の張った見事な伏線に脱帽
2006.11に第一部が出て間なしに第二部です。第一部・ロタ王国編で故国ヨゴとの同盟が無理と悟った皇太子チャグムは、各勢力の放つ刺客や盗賊の攻撃をかいくぐり、女用心棒バルサの故郷・カンバル王国へと、一縷の望みに従って潜入します。
今回の見所は、終盤でチャグムが小心なカンバル王に対し、捨て身の「ホイ」をなす場面でしょう。周到に張られた伏線が、ここに来て初めて見事に結節するのです。やられた、という感じですね。「蒼路の旅人」がチャグムの投身で終わったことも、このシリーズを控えていたからだということで、改めて納得されました。
いよいよ次はチャグムが新ヨゴ皇国へと戻ります。父王との確執、ナユグの春が引き起こす天災、迫るタルシュ帝国ラウル王子との決戦。同様な形で物語が大団円を迎えるのか、楽しみです。
