- [著]上橋 菜穂子
- カテゴリ:
- 単行本 (364頁)
- ISBN:
- 4035403407
- 発売元:
- 偕成社 (2007/02)
- 価格:
- ¥ 1,575 (税込)
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信じる道を行く有能な者達の物語
「蒼路の旅人」からの地続きの物語です。
チャグムを筆頭に、様々な人物が、己の最善を尽くして行く中で、全ての事態が一つに収斂してゆきます。
チャグムの意外な行動に、涙が出ました。正直このシリーズには泣かされっぱなしです。チャグムは成長しましたが、単なる成長物語ではありません。
様々な登場人物が、それぞれに行動する事で、クライマックスは予想しなかった素晴らしいものとなりましたが、結末が合成の誤謬を迎えなかったのは、チャグムの強さと、作者の上橋さんの手腕です。
素晴らしい物語をありがとうございました。
物語の終結は、登場人物の終わりではない
本書の後半、チャグムはまたもやナユグへ誘われる。そこで彼は、幼い頃に精霊の卵を抱いた理由を思い出す。そして、チャグムはサグとナユグのかかわり方をしり、真の「天意」を知る。
このときのナユグの光景が、私にはたまらなく美しく思えた。
妃に恵まれない皇子の成長物語
全10冊を纏めて扱う.この大作は30歳台の女用心棒が作者にとっての主人公で,11歳から19歳にかけての皇子が読者にとっての主人公である.この行違いは最後まで維持され,皇子は恋い慕う姫君を一人も持てずに終わってしまう.これでは読み手として遣り切れない.終わった感じがしないのは,この結末が世界の童話の約束事を意味もなく無視しているためである.女用心棒はじめ大勢の助けがあったにせよ,皇子は卓抜な才幹を以て国を救ったのだ.何故お妃あるいはお妃候補の一人や二人用意出来なかったのだろう.この国では17歳で皇子は成年に達すると言うのに.更に付言すれば,この作品は素晴らしいスタートを(精霊の守り人で)切ったのに,次第に勢いを失い,最後の巻では大変な事態が連続するのに文章には切迫感が感じられず如何にも拵え物の感じがする.星一つ減点.
見事な終幕!
本書は圧巻というような見事な終幕であった。上橋氏の構想力には大変驚かされる。
番外編でよいから、バスサ、タンダ、チャグム、トロガイのサブストーリーを書いてほしい。
天と地の旅人
『守り人』『旅人』シリーズ全作を読み終えて。
天と地の守り人はチャグムなのだろうか。
精霊の守り人でであったバルサとチャグム。本作にてその物語は終了との事。
あとがきによればバルサの若いときのお話を書くかもとあるが、チャグムが帝となりタルシュ帝国ではラウル王子が帝となったとあることから、このふたりの戦いの物語が将来誕生するのではないかと思う。
虚空の旅人で作者は本作の構想がうかんだのでわないだろうか。
十年の歳月の間に若き皇太子チャグムは若者となりバルサは老いてしまった。
蒼路の旅人から天と地の守り人ではバルサの影薄くチャグムが主役である。
本作は『天と地の旅人』のような気がする。
長編アジアン・ハイファンタジー、終結。
「精霊の守り人」から十年。女用心棒バルサの長い長い物語が、この「天と地の守り人」でついに終結します。
南の大陸から伸びてくる、強国「タルシュ帝国」の魔手。新ヨゴ皇国は敗戦し、枝国となってしまうのか?草兵として徴用されてしまったタンダは、生きてあの山小屋に戻ってくるのか?皇太子・チャグムは祖国と民を救えるのか?ヒョウゴは?シュガは?トロガイは?そして、バルサは?
第三部であるこの巻では、物語の出発点である「新ヨゴ皇国」が舞台です。
最終章とあって、今まで出てきた人々が「これでもか」というぐらいに、紙面狭しと動き回ります。
今回は三部から構成されていますが、長いながらもすぐに読み終わってしまいました。(もっとも、気づいたら午前二時回ってましたけど)
筆者の巧みな文章力と、それに裏づけされたストーリー展開。かなり「読ませる」作品です。
ただ、クライマックスである戦のところに、もう少し盛り上がりが欲しかったかなーと思いました。でも、そんなことも感じさせないほど、完成された文学作品でした。
とても児童文学とは思えなく、大人が読むに値する作品だと思います。
まとめ方も非常にうまく、最後の一文に目を向けたときには背筋がゾクゾクしました。
どう考えても「精霊の守り人」から外伝である「虚空の旅人」「蒼路の旅人」まで、全てを読んでから購入すべき作品です。
ぜひぜひ、まず「精霊の守り人」を手にとってみてください。
そこには、すばらしい世界が広がっているのだから・・・・・・。
チャグム皇太子、帰還。
ナユグの春による青弓川の氾濫と共に迎える最終章。
それぞれが家に帰り着いた、そんな印象を与えるフィナーレです。
裏切り、暗躍、寝返り…様々な思惑をひとつの流れが変えてゆく。
シュガとカリョウの微妙な立場や、皇太子と帝の対峙、ヒュウゴのラウル王子への賭け、
世代交代を迫られるタルシュの王子たち、と盛り沢山。
長い間ご苦労様でした…
そういえばアニメが始まったようですね。
とうとう怒涛のフィナーレです
バルサとチャグムの物語もいよいよ最終章。長年にわたる父帝とチャグム皇子の確執、バルサとタンダの行く末、ナユグの春の引き起こす天災、タルシュ帝国との決戦。怒涛のごとく展開される物語は、一気に読むしかありません。
この巻で完結ということで、すべての登場人物にそれぞれの結末が訪れます。それにしても、見事にどの人も、いかにもその人らしい。中でも、シュガとカリョウの懊悩、ラウル王子とヒュウゴの凄絶な駆け引きは、非常に興味深かったです。
どの人にもスポットライトを当てているという点で、今回はグランドフィナーレと言った印象が強いです。確かに、これで、一応彼らの物語は幕引きと言えます。
10年間、とても楽しませて貰ったシリーズでした。もう少し、読み続けたかったな。個人的にはヒュウゴとラウル王子のサイドストーリーを切望します。今回出番のなかったシハナのその後も知りたいです。
