- [著]上橋 菜穂子
- カテゴリ:
- 単行本 (389頁)
- ISBN:
- 4037500809
- 発売元:
- 偕成社 (2008/07)
- 価格:
- ¥ 945 (税込)
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世界は広く、後戻りはできない
どうやったらこの一冊で終わるのか心配になるほど、物語は先へ先へと広がりを持って突き進んでいった。
もう後戻りはできない場所へと、主人公チャグムが連れ去られていく。
15歳の少年がたった一人で何ができるというのか。心の中で、バルサやタンダ、シュガやトロガイとの記憶だけを支えにして。
チャグムはまだ若い。彼は未熟である。純粋である。清廉である。潔癖である。そして、血肉の暖かさ、生命の重たさを知っている。チャグムの成長は著しいが、成長するほどに父に疎まれた皇太子という環境の厳しさが身にしみる。
その上、世界は百年に一度の大きな変化のときを迎えようとしており、チャグムを放っておいてくれはしないのだ。
物語の中では、いよいよタルシュ帝国が姿を表す。新ヨゴ皇国の先祖の国であるヨゴ枝国とともに。
目が離せない物語展開であると同時に、チャグムをめぐる運命の苛烈さと、それでも決して膝を屈さぬチャグムの懸命さに、胸を打たれた。
チャグムが飛び込んだ次の舞台、この先の物語が待ち遠しい。チャグムの活躍よりも、この子が最後には幸せになってほしいと願わずにいられない。
子供だけの読物じゃない
守人シリーズの大FANです。きっかけは新潮文庫を手にとってから、私の旅は始まりました。大人がハリーポッターを読む感覚です。特にこの『旅人シリーズ』は、スピンオフ感覚です。チャグムの若さと才能と感情に揺り動かされるはずです。
チャグム!がんばれ!!
「精霊の守り人」でバルサとともに旅したチャグムが新ヨゴ王国の皇太子となり、サンガル国で活躍した「虚空の旅人」。「蒼路の旅人」は、またそれから何年か後のチャグムのお話です。タルシュ帝国の野望から新ヨゴ王国を守るため、罠と知りながらサンガル王国への援軍に同行するチャグム、タルシュ帝国の捕虜となり旅をするチャグム、ページが進むにつれ彼のすがすがしいほどの成長が心を打ちます。困難に立ち向かい、最後は不可能かと思う出来事に光を見出し行動を起こすところで、お話は「天と地の守り人」に続きます。チャグムという一国の皇太子なのに、父王とうまく人間関係を築くことができない悲しさをまとった少年の、父王以上の国を思う姿に「がんばれ!」と声援を送りつつ、勇気をもらえる本です。ポッシュ判はハードカバーに比べて手軽で場所をとらないのがいいですね。
