赤い蝋燭と人魚

  • [著]小川 未明

カテゴリ:
単行本 (42頁)
ISBN:
4039651006
発売元:
偕成社 (2002/01)
価格:
¥ 1,470 (税込)
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評価: 5.0

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大正10年の発表以来、繰り返し読み継がれ、多くの画家の挿絵にも描かれてきた小川未明の名作童話。酒井駒子の情感豊かな、ざらざらした油絵タッチの絵をつけて、新感覚の絵物語に仕上った。

わが子だけは明るいにぎやかな人間の街で育ってほしいと、冷たく暗い北の海に住む人魚の母親は願い、子どもを神社に捨てた。その赤ん坊を拾ったのは蝋燭(ろうそく)つくりの老夫婦。神さまからの授かりものと大切に育てたが、よこしまな香具師についそそのかされ、美しく成長した人魚の娘を見世物に売り飛ばしてしまう。哀れな娘が最後に残した3本の赤い蝋燭を取り戻しにきた、人魚の母の復讐は…。

人間というものへのかなしみが漂うこのお話を、酒井の絵は浄化している。幼児の心をつかんだあの『よるくま』のイラストとは異なる、こんどは奥行きある絵画性で。人魚の皮膚や貝殻、蝋燭の炎や嵐の翌朝の空の色、みな暗い闇から差す光のように見えてくる。黒く塗りつぶされた背景に、赤、青、黄の三原色を基調にした抑制された色づかいが、色とは光でもあったのだ、とあらためて気づかせてくれる。(中村えつこ)

2006
11/18
Sat

駒子さんしかいない

100.0% (8 / 8)
[No.17] posted by 翼

ずっと心に残っていた物語です。
多分、一番はじめはNHKで見た映像なんだと思います。
暗い影絵のような映像で、幼稚園の頃に見た話なのにいつまでもその物語は頭に残っていました。
そして偶然、酒井駒子さんのこの絵本を知って……衝撃でした。
もうこの物語には、酒井駒子さんの絵以外にないだろうと感じました。
黒地を塗ってから描かれる駒子さんの絵はこの物語になんと相応しいことでしょう。
テレビではカットされていたのか、記憶にない最後の一行を読んだ時、鳥肌が立ちました。

2005
10/06
Thu

美しく悲しい物語

100.0% (16 / 16)
[No.16] posted by 恨ミシュラン

小川未明さんの物語全体が、非常に美しい、また人間の業のようなものを鮮やかに書き出していますが、それに酒井駒子さんの絵が非常によくあっていると思います。だんだんとお金に目がくらんでいく育ての親に、この人魚は一人じっと耐えるわけですが、それでも恩返しをしようと必死になる姿には感動を覚えます。酒井駒子さんの絵も、非常に美しく、また悲しさも伴っています。大人の方にぜひおススメしたい一冊です。

2005
07/24
Sun

人として失ってはならぬものとは

61.5% (8 / 13)
[No.15] posted by silvermoon

このお話を酒井駒子さんの素晴らしい挿絵と共に読むと、妙に良寛さんを思い出す。子供好きだった良寛さんは村の子供達を集めてよく一緒に遊んだが、昨日までいた女の子が一人また一人と消えていった。貧しさからやむなく親が娘を身売りさせたのだが、そんな時、良寛さんは己の無力さを嘆いたものらしい。
この人魚の娘も売られていくのだが、このお話の中には自分の無力を嘆く者は誰もいない。いるとすれば、作者の小川未明と読者だ。だが、このお話はそれだけでは終わらない。
人魚の母親、育ての親、周りの大人たちを読者は醒めた目で見るに違いない。そして、人として失ってはならないものを失った時にどんな世界が待っているのか?苦難の人生を送らざるをえない中でも前向きに生きた小川未明の恐るべき人間への洞察が込められた名作である。

2005
02/07
Mon

心に残る本

60.0% (3 / 5)
[No.14] posted by マーメイドの涙 

とても、悲しい本であり、人の心理をよく、ついてある、奥深い本だと思います。私が、初めて、小川未明の本とであったのは、20年位前の学校の教科書でした。大人になった今でも、沢山読んできた本のなかから、この赤い蝋燭と人魚だけはずっと忘れられず、今回購入しました。
 私の、バイブルです。寂しいときにふと、読むと、共感できます。

2005
01/27
Thu

密やかな愉悦。

35.5% (11 / 31)
[No.13] posted by ヤヤー

酒井駒子さんというひとの抗し難い魅力を語るのに、現在のところ、この本ほど相応しいものはないと思います。
この人魚に出会ったときには、ふるえてしまいました。
こんなに恥じらっていながら匂い立つような色香を放つ姿に、何度見ても身体の芯が疼くのを感じます。
どんな子どもたちを描いていても、そこにエロティシズムを感じずにはいられなかったので、
この絵本の登場にはため息さえ漏れました。

子どもの頃、わたしはこういう雰囲気の絵が苦手でした。
とても好きで、いつまでも眺めていたいのに、ひと前では直視してはいけないような気がして・・・。
今は大人になって、誰彼かまわず、人目を憚らずに(この)絵本の色情を愉しむ悦びに浸っています。

このひとの絵を見て、誰かの肌が恋しくなったとしても、許します。
あなたのその感覚は、すこぶる正しいと思います。
そして、かつてのわたしと同じように感じている子どもたちに教えてあげたい。
あなたの感受性は、すばらしいと。

2004
05/28
Fri

酒井駒子さんの絵は、しみじみ素晴らしい。

75.0% (6 / 8)
[No.12] posted by 風(kaze)

人魚は、南の方の海にばかり棲んでいるのではありません。
北の海にも棲んでいたのであります。>> から始まる小川未明の童話。
淡々と進んでいくなかに、北の海の寂しさと人魚の哀しみが惻々と心に響いて
くる話。さり気なく幕を引くラストは、どこか怖いようなところもありました。

海鳴りが聞こえてくる北の国の海辺の町。
月明かりに照らされたしずかな寂しい町。
その中で、心にぽっと火を灯すような蝋燭の光のゆらめき。
一心に蝋燭に絵を描く、異界の娘のどこまでも寂しい気持ち。

小川未明の童話のそうした話の風景を、そして水妖である人魚の哀しい
気持ちを、酒井駒子さんはそっと、やさしく掌にすくいとって
絵に表している、そんな気がしました。>幻想的で、怖いような寂しさを持った小川未明の童話を、
人魚の母親の視点から描いていった酒井駒子さんの絵。
心に染みとおる美しさと、味わいの深さがありました。

2004
05/09
Sun

名著誕生!

55.6% (5 / 9)
[No.11] posted by alice157

酒井駒子さんの作品は「よるくま」で娘ともども大ファンになりました。泣きたくなるくらいくまと男の子が可愛い。
そしてこの「赤い蝋燭と人魚」!
一目みただけで、怖いくらい引き込まれてしまいました。

酒井さんは子どもの可愛らしさだけでなく暗さを描ける人。ポストいわさきちひろだ、と思います。

装丁もいろいろされていますが、本屋さんに並べられているたくさんの本のなかにあっても、呼ばれているようで、目が合ってしまいます。
今後、どんな作品を産み出していってくれるのか、本当に楽しみです。

小学校高学年の読み聞かせボランティアにいっていますが、難しいかもしれないけれど、子どもたちにぜひ出会わせてあげたい本です。

2004
03/31
Wed

未明の最高傑作

0.0% (0 / 4)
[No.10] posted by よっし☆

美しい言葉で綴られる、哀しい物語。

想像を掻き立てる文章と、想像の余地を残さない挿し絵。

この本は、私のトラウマです。

2004
03/31
Wed

小川未明の最高傑作

0.0% (0 / 3)
[No.9] posted by よっし☆

美しい文体で綴られる、哀しい物語。
想像を掻き立てる言葉と、想像の余地を残さない挿し絵。

この本は、私のトラウマです。

2004
03/31
Wed

頭から離れない・・

25.0% (1 / 4)
[No.8] posted by guidingstar1983

美しい文体で綴られる、哀しい物語。

想像力を掻き立てる語り口と、想像の余地を残さない挿し絵。

この本は、私のトラウマです。


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