- [著]貴志 祐介
- カテゴリ:
- 文庫 (604頁)
- ISBN:
- 4041979072
- 発売元:
- 角川書店 (2007/10)
- 価格:
- ¥ 780 (税込)
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ユーズド商品:¥ 3 より
レビューを読む際は注意した方がいいでしょう
物語は密室で起きた殺人事件から始まり、ヒロインである女弁護士と主人公の探偵(的なキャラクター)の二人が中心となって、
様々なやり方で一つずつ事件の推理を行っていきます。構成は前後半で問題編・解答編の2パートに分かれています。
この作家さんにはめずらしい推理小説。
以降は個人的な感想です。
トリックは作中で様々な方法を2人がつぶしていくにもかかわらず、
なるほど!と思えるものでしたし、やはり文章が読みやすく非常に引き込まれました。
この作家さんの作品に今までにいななかったタイプの主人公とヒロインで、新しい世界観をみることができたのもよかったです。
他の作品に共通した魅力であるダークな感じがなくなっていましたが、
別に角川ホラーで出しているわけではないので問題ないと思います。
なによりこれはこれでおもしろかったので良し!
本格推理なんて
発売前の年末に出た「このミス」のコメントで
「犯人を変更したので発売が予定より遅れる」云々と
あったので、推理小説で途中から犯人を変えること
なんてできるのか?とびっくりしたのを覚えています。
で、読んでみると、ナルホドそういうことかという感じです。
こういうやり方もできるし、それとは別にこういうやり方もできるけど、
今回は、コイツを犯人ということにしよう、と。
要は、犯人(およびトリック)なんて、作者の匙加減しだいなのだなぁ
と思いました。
謎を解くためのヒントが提示されているわけでもないので、
「フーン、だから何?」という印象。
推理小説の舞台裏なんてこの程度なのか、と思ってしまいました。
大好きなRPGが、単なる経験値稼ぎの単純作業だと気付いてしまった
のに近い印象。
犯人のバックグランドを描いた後半部は、この作者らしいので
救われていますけどね。
硝子のハンマー・・・まんまなのね(笑)。
いやぁ〜、おっかなびっくりなトリックですよね。密室の殺人の謎を解く為、仮説を立てては
検証するの連続で、ハラハラドキドキ感たっぷりで楽しめます。ディテールもしっかりしてい
て、有り余る専門知識は知的好奇心を満たす上でも最高ですね。お腹いっぱいですよ。
撲殺した凶器は一体何なのか?だから硝子(透明)のハンマーかと思ってたら、あれ・・・?
そうやっちゃったか!?おいおいって感じで驚きました。
ただ残念なのが後半だよなぁ〜。最後ちょっと薄っぺらいんじゃないかと・・・。
いちよ内容の半分を犯人主体の描写で進めてるので、あれでいいのかと訊ねたくなるよね。
と、いうよりラスト2頁は鼻つまみものだろ。あれはユーモアのつもりかも知れんがギャグに
しかみえないです。うん。悦に浸ってるのは貴志さんだけで、大部分の読者はおいてかれたん
じゃないかと・・・・・・。
でもまぁ、なかなか満足感ありますよ!
シリーズ化への布石か。貴志祐介らしからぬ、凡作。
いわゆる密室殺人物のミステリ小説。この後、探偵(泥棒)役の何でも屋と女刑事が、謎解きをする作品がシリーズ化されている.このシチュエーションは、森博嗣のVシリーズとよく似ている.貴志作品は本格ミステリ狙いだが、所詮、密室殺人など作り物でしかおこりえない物語りだし、殺人の動機を示すため、あとから犯人のバックグラウンドを説明する下りも、今ひとつぱっとしない.特に、この殺人のトリックだが、アリバイを作るためとはいえターゲットを確実に殺すことができるかもわからない、硝子に証拠が残るかもしれない方法で、わざわざこんな面倒なことをするだろうか?あくまでトリックありきのこの作品は、貴志祐介もネタ切れかとがっかりさせられたものだ。この作品が推理小説の賞をもらう時点で、ミステリ小説という分野のレベル低さがわかるというものだろう.残念ながら、わざわざ購入してまで読む価値はない作品。
本格ミステリ
我孫子武丸や宮部みゆき程度しかミステリは読んでないのですが、これもよく出来たミステリでした。
まず、防犯に関する知識ですが、流石は徹底的にリサーチする貴志さん、リアリティがあります。
私自身が無知なので本書の情報が正確なのかは判断出来ませんが、かなり説得力があります。
読んでいて「あー、私も戸締りはしっかりした方がいいかもな」とか思ってしまいます。
また、密室トリックに関する試行錯誤を繰り返す過程も楽しめました。
介護猿を使った可能性、介護ロボを使った可能性、カメラを細工した可能性、事故の可能性などを消去法にて消していく訳ですが、
この過程がよく出来てます。
実際のトリックは結構大胆なものですが、それは読んでのお楽しみ。
比較的読むのが遅い私でも3日くらいでスルスル読めました。
構成が中途半端
密室殺人をテーマとした本格物。介護サルや介護ロボットと言った、
如何にも怪しげな道具立てが次々と登場し、弁護士の青砥純子
と防犯コンサルタントの榎本が謎を解いて行く。
この作品は二部構成になっており、前半いい調子で謎解きが展開して
行ったと思ったら、後半は何故か一転、犯人目線の倒叙形式となる。
この構成は中途半端である。
作者としては、犯人の心理を書きたかったのだろうが、前半で推理を
働かせていた読者にとって、いきなり犯人が判ってしまうと言うのは
かなり興醒め。
犯人の動機も、殺人まで犯す必然性が無いように感じる。
作者はこのトリックを書きたかっただけではないのか。
とは言え、探偵役の防犯コンサルタント榎本のキャラクターは
なかなか魅力的であり、弁護士の青砥とのコンビも良い味を
出している。読み物としては充分楽しめる一冊である。
ここまで密室にこだわるミステリー、久しぶり
六本木センタービル通称ロクセンビルで、介護サービス会社の社長が撲殺される。
容疑者は、死体のすぐそばの部屋で眠っていた専務。
現場は密室。専務以外に殺害できる人間はいないと思われるが、彼は一貫して無罪を主張する。
そんな中、専務の弁護士、青砥純子は、防犯コンサルタント、榎本径に密室を解いてくれるよう依頼する……
最近のミステリーで、初めから最後までひたすら密室にこだわっている作品を久しぶりに読んだ気がします。
アクロバットなトリックは使っていないのに小難しくなくて、おもしろかった。
ただ後半、倒叙になるせいでものすごく犯人に肩入れしてしまいました。
探偵が飄々としているだけに、切ない……本気で逃げ切ってほしいと思ってしまいました。
ラスト、青砥先生と榎本とのやりとりも、本来ならすっきりできる軽快さだったと思うんですが、なんだか悲しかったです。
あと、個人的にですが、犯人はそこまで意外じゃなかったと思います。わりとはじめから存在感あったと思うんだけどなあ……
貴志さんは、ミステリーよりホラーが天職
うーん。。。
なんといっても、「天使の囀り」
そして不朽の名産「黒い家」
この、2大ホラーを読んで、これを読んだらちょっと哀しい(笑
けっして、つまらないわけじゃないです。
でも、貴志さんは、ミステリーよりホラーが天職と思います。
ミステリ
ホラーでなくミステリ。
それも本格ミステリ。
この作品を読んだ後にすごく久しぶりにアガサ・クリスティを読みたくなった。
ただ、このトリックに関わる仕事をしていない人間には、とても思いつきようのないトリックなので、上質なミステリの謎解き後に感じるはずの「やられた!!」感は希薄だ。
恐怖感は全くないので、著者の過去の作風から「怖いもの読みたさ」で買おうとする人は買わないほうが無難だろう。
解決の後の探偵役の二人のやり取りは「蛇足」。
シリーズ化を視野に入れた蛇足かもしれないが。
シリーズの次の作品がでているので買うのだろうが、おそらく単行本では買わないだろうな。
ディテールに凝った密室もの
前半は密室の謎解きを、後半はその解明をそれぞれ異なる人物に語らせている。共通しているのは、ディテールの細かさで、正直よくわからない部分もあるが、理論的な視点から一つひとつトリックの可能性を消してゆくくだりは非常に緻密だが、好き嫌いが別れるかもしれない。また、後半の謎解きも、「ミステリーの謎解き」としては評価のわかれるところ。ただし、犯行にいたる犯人の心理は共感できる。探偵役となる女性弁護士と犯罪コンサルタントのコンビも微妙な距離感を保ちつつ、キャラクターがしっかりしていて、魅力的。
文庫版の巻末には、法月綸太郎氏との対談も収録されている。本作は、ある意味「新本格」に近いテイストなので、この対談は一読の価値ありです。
