セブン・イヤーズ・イン・チベット―チベットの7年 (角川文庫ソフィア)

  • [著]ハインリヒ ハラー
  • [原著]Heinrich Harrer
  • [翻訳]福田 宏年

カテゴリ:
文庫 (474頁)
ISBN:
4042770010
発売元:
角川書店 (1997/11)
定価:
¥ 987 (税込)
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142,668 位
評価: 4.5
2005
03/01
Tue

5★文筆家顔負け登山家が遭遇した歴史的場面

66.7% (10 / 15)
[No.4] posted by ブリキ男

 正直この作品に会うまで、チベットとモンゴルの区別がつかなかった。
世界の屋根・陸の孤島・禁断の秘境いろいろな冠を持つ国だが。読み終え
僕の中でハッキリとチベットが顔を持った。

 本書の前半は登山家ハラーの捕虜収容所脱獄からチベットへの密入国という
いっけん暗く辛い紀行ドキュメントが延々続くが、意外と楽しんで読めた。
なぜなら収容所仲間との助けあい、旅路で出会う親切な遊牧民・隊商、大自然
チベットの動物たちが、物語を彩るからだ。
 後半は冒険家の成功物語と一方で中国共産化の波が描かれる。西欧人ハラー
がアジア的な慎ましさを会得し、チベットの食客から若き法皇の教師にまで
登り詰めるドラマは感動を呼ぶし。紀行浪漫としても、遊牧民の風俗誌
(兄弟で妻を共有する一妻多夫には驚いた)や。歴史実話としても幅広く楽しめる。
今は亡き秘境を西欧人の目から紹介する記録としても貴重だが。

 僕は登山家ハラーの自然との格闘が一番記憶に残ってる。渡河や吊橋で
なかなか言う事を聞かない荷役ロバや牛との格闘や。-30℃のキャンプ生活で
愛犬と肌を寄合う場面などは感極まる。 
 しかし読み進むにつれ僕は、鎖国の江戸時代と重なり祖国日本の歴史・政治状況を考えずにはいられなかった。我々はイチ早く脱亜入欧を果たしたが、それで楽観できるだろうか。単一民族の我々には、ここで描かれたリスクを体感できない。言葉の通じない組織化された盗賊団に、身を守る武器もなく囲まれた経験や。中国・インドといった貧富・階級差の激しい強国と同じ境界を共有する重圧。これらを想像できる日本人は非常に少ない。この本を読んで改めて非武装中立という美辞麗句がいかに寝言だったかは、辛うじて想像できた。

2002
08/25
Sun

チベットに興味がある人は一番最初に読むべき

85.7% (18 / 21)
[No.3]

映画化された・・というと少々ミーハー的なイメージがあるかもしれませんが、この原作はまったくそのようなことはなく、きちんと、しっかりとした内容で、50数年前の平穏な頃のチベットについて書かれています。

紀行文学という部類にはいるようですが、チベットの風土や土地や生活について知る風土誌としても、チベットが一国であった頃の様子を知る歴史書としても、ダライ・ラマの若き頃の伝記としても、またチベット仏教について知る仏教書としても、すばらしい一冊だと思います。

最近はチベットについての紀行文も多く出ていますが、その大半は著者の自慢話や自己満足に終わっているものが多く、冷静な目で落ち着いてチベットを語っているものが少ないと思いますので、この本は大変貴重な一冊だと思います。

ただし、現在のチベットは、この本に書かれているような独立した国ではありません。この著者ハインリヒ・ハラーが再度、チベットに赴くことができたら、現在のチベットをすばらしい文章で私たちに伝えてくれることでしょう・・それが出来ないと思われるのが残念です。

2002
01/29
Tue

映画原作

70.6% (12 / 17)
[No.2] posted by chatbrun

「セブン・イヤーズ・イン・チベット」を観て、人生観が変わるというと
言い過ぎかもしれないがとにかく(いい意味で)衝撃をうけ、本当に感動した
私はこの本を求めました。
注意して欲しいことは、これは映画のノベライズ作品ではなく、原作本であ
って、映画はこの本をベースにしているに過ぎないということです。

しかし、私たちにとってそうそう馴染みのないチベットの文化について知る
一助ともなるでしょう。淡々と綴られています。

2001
06/05
Tue

ブラッド・ピットだけを見るのではなくチベットについて学んで欲しい

66.7% (10 / 15)
[No.1]

同じタイトルでブラッド・ピット主演で映画化されました。彼が出ているからという理由で映画を見たり、本を買うのは別にいいと思います。でもせっかく日本ではあまりなじみのないチベットに触れたんだからもう少しチベットについて学んでみてはいかがでしょうか?

著者ハインリヒ・ハラーがチベットに行って価値観が変わったようにこの本を読んだ人はきっと何かが変わるでしょう。


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