- [著]アドルフ・ヒトラー
- カテゴリ:
- 文庫 (506頁)
- ISBN:
- 404322401X
- 発売元:
- 角川書店 (1973/10)
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ええかげんなオッサンの「ええかげん」な本
非常に有名な本であり、ヒトラーが刊行を後悔した本でもある。ナチス党が貧しい時期、党費捻出のために刊行した本であり、獄中でヒトラーが口述したものをアマンら側近が無理矢理(苦笑)文体に直して出版するという暴挙を行った本。その後本を一冊も出さなかったのはこの本の失敗のせいだと思う(苦笑)基本的なヒトラーの考え方の理解としては重要だけれど、この「芸術的画家」さんは感性で生きていた人なのでこの本でこう書かれているから…と解するのは不適切ではないかと考える。例としてローゼンベルグを挙げる。ナチの理論家として「ナチズム理論の総統代理」(本当はもっと長いが短くした)の肩書きがあったローゼンベルグの著作「20世紀の神話」について「あんなもん読めたもんじゃねえ」と普通に罵倒していた。ナチズムっていい加減(爆笑)。そういうあいまいというかゆるいとこまで踏まえて読んで欲しい。だからこそアーリア至上主義のくせに黄色人種と同盟を結ぶのだ。
思っていたより共感
議会制民主主義に対する批判、教育論、目的と手段の混同に対する批判にはかなり共感した。ゲルマン民族至上主義はバカげてると思うが。
議会でお絵描きしている議員、他党の揚げ足を取ろうと必死になっている政党、選挙前になると急に態度が変わる政党。こんな連中(みんながそうだというわけではないのかもしれないけれど)が政治をやっていることに対する、吐き気がするほどの怒り。よくわかる。
普段は暗記ばかりさせている歴史の授業。なのに「なぜ歴史を勉強しなければいけないのですか。」と訊かれると「過去の人の過ちを繰り返さないようにするためだよ。」などと答える教師。バカげている。
客観性とか合理性とかいう言葉を乱用する人たち。結局何をしたいのかは不明。
ヒトラーによる批判を無視しながら、教育改革云々、政治云々と語る人々がいかにうそつきだかわかる。
読むのがしんどい…
ゲルマン人至上主義ったって、それを唱えてる本人やナチス幹部たちがそもそも優秀とは言い難い。中には現代の政治に通じるノウハウなど出てきてその部分は興味深いが、ほとんどは矛盾しまくりの無意味な思想と誇大妄想が長々と続いていく…。当時のドイツ国民はこの本を強制的に買わされたらしいが、全部読んだ人はほとんどいなかったらしい。政治家に必要な資質は、人を惹きつけるタレントじみたカリスマ性(苦笑)だけなんだろうか…。
皮肉にもこの妄想で政治が行われた第三帝国は共産主義のソビエトと、移民の(非純潔の)国アメリカの現実的(妥協的)な連合の前に潰れた。
その後アメリカはナチスの迫害を逃れてやってきたユダヤ人や芸術家の活躍により、資本主義でこの世の春を謳歌する。
そのアメリカもやがて米帝と侮蔑されるような帝国主義国家へと変貌し、銭ゲバ清教徒たちによるオカルトじみた政治が行われるようになっていった…
ヒトラーの書いた本
ヒトラーが獄中で書いた本です。ヒトラーの生い立ちから始まり、政治活動にいたる経緯が書かれていますが、自分の都合のように、脚色してる節があります。演説がとてもうまかったようですが、本を読んでも、やたらと理屈っぽい割には、内容がなく、心を打つものは何もありませんでした。内容は空虚でした。この人がユダヤ人が嫌いなのと、ドイツ民族が好きなのはわかりましたが、後は書いてあることがよくわありませんでした。論旨は相当飛躍があり、無茶苦茶なような気がしました。真面目なドイツ国民がヒトラーについて行った理由がわかるかなと思って、読みましたが、どうして、この人についていったのか、わからずじまいでした。
売れない絵描きの伍長殿の姿
意外な話だが、実はヒトラー肯定派も否定派も、次の一点においては意見が共通しているという。
「ヒトラーは、少なくとも1938年までは、偉大な指導者であった」と。
私自身はヒトラーは永遠に断罪されるべきであると思っているが、しかし彼の行った政策などをみていると、確かに評価するべき部分もある。
ケインズが、その理論を公的に発表する前から、すでに彼はケインズ理論でいうところの「公共投資による有効需要の創出」を行うことにより、もはや誰もが投げ出していた(当時、ドイツ経済を立て直すには半世紀以上かかるとさえいわれた)経済をわずか数年で立て直し、現在でも彼の拡張したアウトバーンはドイツでは欠かすことの出来ないものとなっている。
また、彼の行った有機栽培や、国民の健康推進(まさに健康帝国ナチス)事業、自然保護法、動物愛護法など、現代でも評価する政策は多々あるように思われる。なるほど、ナチスがあれほどの大国となりえた理由もよくわかる気がする。
だがその一方でヒトラーは、ヨーロッパ諸国を脅してかつてのドイツ工業の心臓部であるラインラントの奪還に成功。その後、オーストリアも併合し、ついにはイギリスのチェンバレンをうまく騙してチェコスロバキアへと勢力を拡大させる。
彼の人物像は、あくまで我が闘争の文章から察するならば、冷徹で合理的な一面もあるが、しかし一方で独善的であり、大衆すら内心ではバカしていた(彼は演説の場では大衆に対して甘言を弄し、アーリア人の優越性を説いていたが、非公式な場では大衆をバカ呼ばわりしていた)姿が窺える。
おそらく、彼の歪んだ人格構造の原因は、彼自身のコンプレックスにあるだろう。幼い頃から空想好きで、絵描きになることばかり夢見ていたが、実際には絵描きとして大成するだけの技量はなく、美術学校には2度も落ち、第一次世界大戦では奇策で敵兵を捕らえ、鉄十字勲章を獲得するが、軍内部でもその独善性は変わらず、リーダーシップがないと軍に判断され、せいぜいが伍長止まり。親の遺産で禄に定職にもつかずワーグナーのオペラばかり見て過ごし、浮浪者収容所に入るがそこでもあい変わらず周囲といさかいばかり起こしている。風采も上がらず、自身の希望した画家になることも出来ず、自分が命をかけて戦った第1次大戦でも敗北の屈辱を味わい、やがてこの男は憎悪をユダヤ人へと向ける。そして自分をつまはじきにしてきた大衆を軽蔑することで自尊心を保ち、妄想を糧としてより狂気を強めていく…。
本当の意味での友はおらず、彼が欲したものは、ただ自分の思いの通りに動く忠実な部下と愛犬、そして決して自分に反抗しない子供達のみ。いつまで経っても、死ぬ最後の瞬間までも、自らの弱さを克服することの出来なかった男。妄想とコンプレックスとともに、自らとドイツを破滅させた男。哀れといえば哀れだが、しかし他人の手ではもはやどうすることも出来ない男。
それがこのアドルフ・ヒトラーという男である。そして人々は、このような男でさえ必要としたのだ。それほどまでに、当時のドイツ国民は追い詰められていたのだろう。
ヒトラーは滅びた、彼が築き上げたナチズムとともに。だが彼の遺志を継ぐものは、今後いくらでも現れるだろう。それはドイツに限らず、日本にだっていつこのような男が現れるとも限らないのだ。なぜなら、我々人間はどれだけの世代を経ても、決して変わりはしないのだから。
アメリカのジャーナリストに童貞だと書かせた真面目人間
当時のアメリカのヒトラー評を見ると政治以外に全く趣味のない男で女を知らないとまで書かれている。それは事実ではなく人並みの女性経験もありわりに芸術的でワーグナーの曲を全て口笛でふけて上手いという特技があり受けたようだが基本的にクソ真面目でドイツ国家の事以外をするのは良心が許さなかったらしい。頑固な独身主義も死の直前に結婚する秘書で愛人のエヴァ・ブラウンとの関係すら知られてなかったらしい。この点全く違う立場のアメリカの業績を残した大統領ケネディと同じ二重人格的精神障害を持つ。
政権途上にある時期は反ユダヤ発言を撤回しユダヤ資本から金の出てたヒトラー
彼は本音は反ユダヤ主義であった。しかしそれ以上に権力意識の強い人間であった。当時のドイツはユダヤ系資本が財閥として資金を握っており反ユダヤ主義は党資金上、都合の悪い時期があり反ユダヤ主義を撤回しユダヤ系と握手をして資金を引き出していた時期もあった。実際ユダヤ人虐殺が本格化するのもドイツの戦況が不利になる大戦末期からである。彼はそういう二重性も持った政治家であった。
岸信介と昭和天皇の戦時中の反ユダヤ主義に影響を与えた人物
日本占領統治を上手くいかせる為天皇を守る必要のあったマッカーサーは戦時中の昭和天皇の親ナチス、反ユダヤ発言を抹消し平和主義天皇の演出に苦心する。岸信介は社会党指導者となる勝間田清一、和田博雄らと同様の革新官僚であり日本で最もヒトラー主義者で彼の外交政策を導入しようと謀った松岡洋祐外相はノーベル平和賞受賞者の佐藤栄作首相の恩人で生涯佐藤は松岡を尊敬し恩義を感じてやまなかった。岸は戦時中ナチスに習い反ユダヤ発言をしてるしナチスの政策を導入している。戦後は思想の近い社会党に入党打診するも社会党左派からは歓迎されながら社会党右派の西尾末広らの反対で挫折。自由党、民主党に入党し首相となる。
日本社会党の前身としてのナチス
ナチスの国家社会主義とスターリンの確立したソ連の一国社会主義の政策内容にほとんど変わりはない。資本家の権力制限、官僚主義、社会保障の充実など。このナチスモデルを日本に導入しようとしてアカのレッテルを貼られて資本家勢力から追放された革新官僚が戦後の社会党左派指導者勝間田清一社会党委員長、石橋正嗣社会党委員長の師、和田博雄社会党書記長らである。反米非転向でありその為に非武装中立論者であった。フランス社会党のミッテラン大統領も元ナチだが非転向。オーストリアナチの前身は禁止されたオースリア共産党、フランスファシスト党は共産党に吸収される。支持基盤が同一で政策が似通っていた為ナチと共産党の争いは絶えなかった。
彼が世界で最も理性的といわれたドイツ人を狂気に巻き込めた理由
ドイツ人は諸外国に比べ世界一理性的と当時評価されていた。しかし彼の狂気は見事にドイツ人の支持を得るのに成功する。それはカール・シュミットの友ー敵理論を上手く使ったのである。だれでも生活に不満を抱くと誰かのせいにしたがる。そこを突いた。まず財界、マスコミ界、学界を握り嫉妬を買っていたユダヤ人のせいだと思わせ敵意をさらに共産主義ソ連の脅威を煽り共産主義に敵意をさらにドイツ人の生存権を脅かす周辺諸国の脅威を煽りそれへの敵意を煽りドイツ人仲間の団結を得て戦争に突き進む。彼のこの方法はアメリカでも研究がすすみ政府も利用している。日本も様々な有力政党や有力企業と結びついた大手広告会社で研究がすすみ応用されている。
