- [著]辺見 庸
- カテゴリ:
- 文庫 (365頁)
- ISBN:
- 4043417012
- 発売元:
- 角川書店 (1997/06)
- 価格:
- ¥ 720 (税込)
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“食べること“とは
かなり古い本ですが、とても考えさせられました。
“食べる“という行為は“生“につながります。
この本を通して私はあらためてこの事に気付かされました。
手足が不自由でも肘と膝で必死に救援物資を貰おうとする人、
戦争で住む家を無くした難民の人々の食べたくても食べれない状況。
宗教や国は人々の幸せのためにあってほしいのに、
現実は戦争のためにお金は使われ、人々は食べれない。
例え私が募金をしたところで本当に苦しんでいる人々にどのくらいの援助になるのか?
支援団体と称する人の私財にされ、行き届くのは脂身たっぷりの肉を食べた豚のような男ではないのか?
飢餓があるのに、それをメディアで見たり読んだりしている自分には何もできない現実。
考えると悲しくなります。
私の食への意識はこの本を通して変わったと思います。
食事をもっと大切にしようと思いました。
食の大切さ、いろいろな楽しみ方が知れる本です。
是非 読んでみてください。
90年代世界のある一面
食べるという行為をキーワードに、90年代世界の病巣を描いたノンフィクション。
諦め、怒り、悲しさ。
そこに描かれる人物と事実がそのままひとつのストーリーとなり、われわれに何かを訴える。
時代は変われども、読みつがれるべき名作。
名作
数年ぶりに読み返してみたが臨場感が溢れている。
ルポとしての完成度が高い名作である。
食う事について
日本は豊かな国であるとあらためて感じた。著者の率直な(過ぎるところが)新鮮に感じる。食うという行為は、当たり前に思える。しかし、食えないのが当たり前という国もあるのだ。日本に生まれてよかったと思えた。
この本さえ読んでおけば、、、
バングラデッシュの村の小汚い定食屋で出て来たカレーを目にしようと、シンガポールでカエルの煮つけを出されようと、どんな場所にいても自分の内側から猛然と食欲が涌いてくる自信が持てる。そして食欲を満たされると次の場所に旅をしたくなる。生きる事=食べる事そして旅をする事へのモチベーションを掻き立ててくれる一冊である。
世界の食卓から・・・
「食べる」とは何か?を考え直すために世界中を旅した著者の旅行記です。
食べることは極めて私的な作業であり、置かれている環境、境遇、文化、生き方に影響を受けており、また逆に影響を与えていると思いました。
最近、コンビニのおにぎりとそばがおいしく感じますが、日本の文化と技術はこんなところに息づいているのではないでしょうか。
「食う」ではなく「食」に関する本だ
一言で言えば、深い。
それに尽きる。
人は食わねば生きては行けぬ。
その「食う」にフォーカスした本だと思ったが、
読んでみると人の「食」に注目した本なのだ。
人は生きるため、好むと好まざるとに関わらず、
何かを食べて生き、食べなければ死ぬ。
そんな当たり前のことを淡々と綴っている。
この本を読んで、山岡俊介氏の記事を思い出した。
ピュリッツアー賞候補にもなったジャック・ケリー氏の
コラムに関する記事で、飢餓の東アフリカで出会った
兄弟の愛と命のはかなさに関する記事だ。
この記事を読んだ時は涙が抑えられなかった。
この本は割と淡々と読み進めれられるけれど、
「この本+何か」によって人は変われる。
そんな、世界への入り口みたいな本だった。
前述の山岡氏の記事を探していた時に、
飢餓・グレープフルーツをキーワードにした。
ダイエットの記事が山盛り検索されたよ。
あぁ、これが現実なのだな。
「食」にまつわる物語
人間の三大欲求の一つである食欲を満たすための、「食べる」という行為。それは飽食国家である日本に住む我々にとって、あまりに日常化され、その行為について深く考える者はあまりいないだろう。
不感症に陥った舌と胃袋。それらを一度叩き直そうと、筆者は旅に出る決意をした。「食」という一つのテーマを掲げ、はっきりした旅程は無いが、現地の人に会い、そして食べ、飲む。そこで筆者が見て、感じたものとは、もはや「食」という枠の中では言い表せないほど、様々な事象で溢れかえっており、混沌としたものだ。そこには現地の人々の文化、気候、経済状況、歴史があり、そしてドラマがある。しかしそれらの根幹に常にあるのは、あまりに単純で、あまりに複雑な「食」という行為だ。「食べる」という事に関して、鈍感になってしまった我々日本人には、はっと気付かされるものが多くあるだろう。
迷いの文学
「人びとと同じものを、できるだけいっしょに、食べ、かつ飲む」。
上からの視線ではなく、世界の人びとと同じ目線でものを見る。
じつにシンプルな目的だ。
しかし、本編が進むにつれ、著者の迷いが見えてくる。
世界中を旅しているのに、いまだに日本をひきずっている自分。
間違った質問をしてしまう、宗教への偏見がある、飢える子供に何もできない自分。
文章には、世界の食の内容よりもむしろ、著者=日本人・欧米人などの恵まれた人々の心の迷いがはっきり写しこまれている。
結局はジャーナリストとしての特権=豊かな日本人の特権を駆使したルポには、当初の目的のようなヒューマニズムは姿を隠してしまっている。
それを批判することは簡単だ。
しかし自分がもしこの立場にあった時、同じことをしないのかと問われれば、しないと言い切れる確信は全くない。
「驚いたり、嘆いたりならだれにでもできる」。
バナナ畑のフレッド青年の言葉が身にしみる。
臨場感があり、読み進めやすい
マスメディアにありがちな抽象的で一般化された、無機質で記号のような世界情勢の海から離れるにはもってこいの良書。筆者の体験からは、自分自身がいかに無知であるかということを数多く思い知らされる。文体も癖がなく読み進めやすいことも広く読まれている一つの理由かもしれない。ただ、筆者が海外特派員として保護された状況下での取材のためか、あくまで一人のジャーナリストとしての立場から結果的には脱しておらず、作品全体としてみるとやや凡庸な感も否めない。
