- [著]牧野 修
- カテゴリ:
- 文庫 (350頁)
- ISBN:
- 4043522061
- 発売元:
- 角川書店 (2004/09)
- 定価:
¥ 740 (税込)- 在庫状況:
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まずはご一読を。
次々に起こる怪奇現象よりも、怪奇現象に見舞われて錯乱する犠牲者達の心理描写(思考回路の再現)が狂っていて怖いと思いました。この作者は追い詰められた人間の狂気を書かせたら天下一品です。
主人公が自分の過去を辿って行くうちに現実と虚構の区別がつかなくなっていく恐怖も見所です。自分の思い出が、本当にあったことなのか後から捏造された記憶なのかがわからなくなっていく不安。それを確かめようにも、証明してくれるはずの人達と何故か連絡が取れず、どんどん袋小路にはまっていく恐怖。記憶が間違っていたり、あったことを忘れていたりという記憶の不確かさは誰もが経験していると思うので、割と普遍的な恐怖ではないかと思います。
また、心理描写が大変に上手な人なので、ハマる人は本当にやみつきになります。狂気や悲しみ(特に、冒頭で娘を失った主人公の悲しみ)の描写が際立って上手いです。読みやすい文章なのでハマらなくても普通に読めますが、ツボに入ると残りのページを確かめながら「あとこれしかない!読み終わるのがもったいない!」とびくびくしながら読み進めることになります。少しでも興味が湧いたなら、購入してみては如何でしょうか。文庫ですし。
小説の中に小説?
本書では、どこまでが現実で、どこまでが幻想かが曖昧だ。しかも、おどろおどろしい表現もあり、恐怖感がじわじわと迫ってくる。本書では小説の中に小説があるという構造なのかな?と、当初は思ってしまう。しかし、結末はそうでは無かった。結末に至る過程も面白いが、結末には強い恐怖感と戸惑いを感じる。小説の中の小説が、実は現実だというのだ。こうなると、どちらが現実で、どちらが幻想なのかが、よく分からなくなる。合わせ鑑を平行に立てた時の像を連想している様な感覚だ。
なお、著者自身の後書きによると、本作品はの着想には、フィクションではない部分もあるという。著者の作品は、慣れるまで少し時間がかかるが、慣れるとはまる。一度はまると、容易には抜け出せない。
腐臭が漂ってきそうな怖さ…
主人公が書き進めていく小説、「屍の王」。書いているうちに体験する出来事が、
幻覚なのか現実なのか、そして自分が何者なのか、分からなくなっていく不安感。
読んでいるうちに、主人公の不安感と恐怖が読者に感染していくようです。
惨殺、腐臭漂う感じなど、結構生々しく、過激な描写でした。(成年向きの部分も…)
幻想的なホラーを求めている方には不向きかも?
日本古来の伝説的なものがベースになっているようです。
