- [著]乙一
- カテゴリ:
- 文庫 (190頁)
- ISBN:
- 4044253048
- 発売元:
- 角川書店 (2005/06/25)
- 価格:
- ¥ 460 (税込)
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夜の闇に憩いを感じる心
二冊で一つの表紙のデザインが凝っている。黒い刃の、一本のナイフ。
登場人物の一人称で進められるため、物語の終わりで、犯人や被害者が推定した人物と違っていたこともある。
というか、私はだまされまくった。うーん。裏切り方が見事だ。
そこは面白いと思った。特に、「犬」はやられた。なんともいえない切なさに胸を突かれる。
とはいえ、乙一らしい、淡々として、感情の起伏の少ない文章であるが、解体された死体の描写などは苦手なので、☆は少なめ。
ここまで来れば……
グロテスクも、ここまで書けば立派なものだ。一応、今まで読んだ乙一の作品の中では最高かも。主人公の内面にも、まあこの程度に踏み込んでいれば十分であろう。中途半端に童話してたり、どこかに希望を残そうとした痕跡のあった作品よりは、こういう方が好みだ。
他の方のレビューを読んでみると、あとがき作家になりかけていて面白い。気持ちはわかるし、やったこともあるが、あとがきから読むのはやっぱり邪道です。
娯楽大作。
目を覆いたくなるような残忍な場面も映像・画像ではなく、文字として表現されると、直接的でない分、劣悪にならずに、気品ささえ感じる。
残酷で暗い色調の中にも、端々に華を感じるのは、作者の力量か。
読者にあっと言わせる物語の展開といい、すばらしい作品。
小説特有のトリック
◆「犬」
連続ペット誘拐事件が巷を賑わせていた。
そんな頃、ゴールデンレトリバーとその飼い主の少女と出会った“僕”は―。
おそらく、視覚化不可能な小説特有のトリックが
使われているため、コミカライズされなかった作品。
不安や恐怖、さまざまな抑圧された感情に追い詰められた
犯人の人物像はすぐれて現代的で痛ましく、胸に迫ってきます。
▼付記
ちなみに、本作での森野の出番は比較的少なめですが、
意外とベタな「弱点」が明かされ、萌えキャラっぷりを
ちゃっかりアピール…、と思いきや、しっかりと
「裏」があったのですね。
読み終えるのが惜しいとすら思いました。
とても乙一らしい作品で、魅力的です。
文章が非常に読みやすく、繊細な描写がとても綺麗です。
主人公の「僕」は、どこか人間的な感情の欠落した少年なのですが、残酷で無感動な彼の心情や心理に、不思議と「人間らしさ」を感じました。
ただ、作中グロテスクな表現も多いので、物語と現実を混同して考えてしまう方にはお勧めできません。
パターン化されたミステリ
高校のクラスでは溶け込んでいるけれど、実は芯まで異常な男の子。
クラスでは浮いた存在、異常な神経の持ち主だけど、
実は芯まで異常には入り込んでいない女の子。
そんな2人が絡むプチサイコホラー。
「その笑顔の作り方を私にも教えてくれない?」の台詞に、
ゾクリとした感覚を味わったのは私だけじゃないと思います。
多重人格探偵サイコとかが好きな人は、まず「買い」かと。
構成としては短編が続く感じなのですが、いくつか読んでいくうちに、
話の構成にある種のパターンが見えてきます。
人によっては、「ああ、またか。」と感じてしまうかもしれませんが、
個人的にはルールを知っているパズルを、いくつも解いている感覚で楽しめました。
(ナンバークロスは、ルールはどれも同じだけど、全部問題は違う。みたいな。)
面白いけど注意
乙一さんの作品が好きな自分としては、満足です。
ただ、多くの乙一さんの作品のように「切なさ」を期待してはいけません。
けっこうグロいシーンもあるので、そういうのが苦手な方は気をつけてください。
それなら平気って方は、ぜひオススメします。
ただ、なぜゆえ2分冊にしたのかが不明……
ノベル界のトリックスター
内容は結構グロいのですが、それを感じさせないほど美しく様式的な描写が読む者を惹きつけてくれます。
凶悪犯罪者に対し崇拝に近い感情を抱く二人の学生が数々の事件に関わっていくストーリーが
正義も悪も廃した「只の事実と当人の感情」を中心に描かれております。
文章のみで全てを伝える小説ならでは(とゆうか小説でしかできない)トリックが使われており
普段小説に触れない方には是非読んで欲しい作品です。
きっと活字の新たな魅力に気付かれる事でしょう。
まさに、著者自身が言うとおり
著者はあとがきで書いている、こんな現実味の薄い展開をしていて大丈夫なのだろうかと。大丈夫だったんじゃないですか?それを買う人がそれなりにいるんだから。内容は「ZOO1」なんかと同じ。他に言うこともないでしょう。
表現が怖いところがあります
推理小説のようなライトノベルのような本です。
ただやはりグロいところがありますので注意。
(ホラーってわけではないです)
失踪HOLIDAYやCALLING YOU等のイメージから入ってくるのはやめましょう。
