- [著]日垣 隆
- カテゴリ:
- 単行本 (246頁)
- ISBN:
- 4062097923
- 発売元:
- 講談社 (1999/07)
- 定価:
¥ 1,680 (税込)- 在庫状況:
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ユーズド商品:¥ 3,980 より
なぜ少年の殺人は正当化されるのか
あまりにも悲惨な少年殺人事件を詳細に追った名著である。
ムカツクからやっただけ、という副題に在る通り、加害者たちは「ムカツイ」たので
被害者を極限状態までリンチし死に至らしめている。
裁判では、まったく反省の色が見られない加害者たちの言葉が延々と続く・・・
なぜ少年の殺人は正当化されうるのだろうか?
なぜ少年であるというだけでその殺人は擁護の対象となり、多くの大人が「反省とは無関係に」
少年たちを社会へ復帰させようとするのだろうか。
加害者は恋人をリンチ殺人の現場にも連れてきており、死体に小便をかけている。
しかも病院で「このまま死ね」と言い放った。
無論これでも擁護する人はいるのだが・・・
なお著者は、多くの少年殺人について調べ書いており、中には社会に復帰した元少年に脅迫もうけているという。
元少年の犯罪も正当化されうるのだろうか
日垣少年の記憶
日垣隆という名の評論家が出てきたとき、そしてその人が長野市出身だと聞いたとき、
僕の胸中をある事件が横切った。
僕がいた中学で林間学校の最中に側溝に転落して死んだ少年がいたが、その名を
日垣といった。その死は事故後一週間も苦しんだ末に死ぬという残酷なものだった。
そして彼には2学年年上の兄がいたことも知っていた。
学校からは事故は友達と戯れているうちに誤って転落したと説明されていた。
日垣隆の本を読むうちに彼がまさしく死んだ少年の兄であり、
あの事故は故意に突き落としたらしいことを知って愕然とした。
日垣隆が、あのような攻撃的で論理的な文章を書く由来を自分はわかったように思った。
だが、あの事件の真相はどうだっただろう。むかつくという少年の幼稚な憎悪が本当に
あったのだろうか(死んだ日垣少年は学年一の秀才であった)。あったとしてそれは
大人の同種の感情と比べてどの程度の責任を負えるものなのだろうか。13歳である。
それとも本当にクラスメート同士の無邪気な戯れの悲劇的な結末だったのだろうか。
少年達の輪の中で、ひょっとすると自分も加害者になっていたかもしれない。
少年時代の僕はワルでは無かったけれど、バカだった。結果を考えずに友達を溝へ
押すようなことは自分もしたかもしれない。事実、僕は同級生がいたずらで投げた
石が顔に当たって怪我をしたことがある。石があと3センチずれていたら僕の右目は
つぶれていただろう。そのことを考えるとぞっとする。だが、相手ははっきりと僕を
傷つけようと考えていたのか、何も考えずに戯れで石を投げたのか、わからない。
少年の心は未分化で幼稚だ。
もし、僕が日垣氏のような体験をしたらどう思うだろう(僕にも弟がいる)。
子供のやったこととしてあきらめるだろうか。相手を殺したいと思うだろうか。
答えはない。
特にこの本についてのレビューというわけではないので、星の数は形式的なものです。
読むだけでも、こんなにつらいのに
著者の「サイエンス・サイトーク 暮らしを守る安全学」でもこの本に触れているのですが、読者感想が「つらくて読めない」と言うのが多いそうで、日垣さんは冗談ぽく「読まなきゃ感想じゃないだろ」と言う行が有りますが…。判るんです。これを読むには相当なパワーが要求されます。ましてや、読むだけでもこんなに打ちのめされるのに当事者となった家族の無念はいかほどかと…。でも、社会問題に関心が有るならば、読まなければいけないと思います。
念の為補足しますが、日垣さんが「冗談ぽく」と上で書いたのは文面で判断したからです。
氏もまた、別の事件での当事者で、学校がいかに非道な事をすることがあるのかもサイエンス・サイトークの中にも書かれてます。
