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世界の三大失敗をご存知だろうか。タコマ橋の崩壊、コメット飛行機の墜落、リバティー船の沈没…。これらは人類に新たな課題を与え、それと向き合うことで我々はさらなる技術向上の機会を得た。一方日本では、JCO臨界事故、三菱自動車のリコール隠し、雪印の品質管理の怠慢など、失敗の隠匿がさらなる悲劇を引き起こした。
本書によると、失敗は、未知との遭遇による「良い失敗」と、人間の怠慢による「悪い失敗」の2種類に分けられる。不可避である「良い失敗」から物事の新しい側面を発見し、仮想失敗体験をすることで「悪い失敗」を最小限に抑えることが重要である、と筆者は説いている。
また、過去の豊富な例から学ぶことで失敗の本質を多角的に検証する方法や、時間がたつと形骸化してしまう失敗例を効果的に伝承する方法についても言及している。さらに、マニュアル化した対応方法では前例のない事態が生じたときに対応できなくなるとして、とっさの判断力や創造力を養う失敗経験を教育に取り入れることを提唱する。
本書は、親しみやすい入門書の形で我々に「失敗学」の重要性を伝えている。世界の失敗の歴史についても多く扱っているので、読み物としても楽しめる。(佐藤敏正)
理屈より実績重視の実務家向け良書,内容は深く重厚
[No.19] posted by 和泉 茂一
畑村氏の講演はこれまで何回か聴講しており(失敗学関連のお話),今さらと思いつつも手に取ったのが本書,もう少し早く読んでいた方がよかったと思ったのが実感です.失敗学の趣旨とは,失敗と上手に付き合うことを実利の伴うメリットまで高めることであり,失敗を肯定的にとらえることがポイントといえる.企業人としても,教育界にいる方にとっても大変役に立つ内容であり,失敗事例集は別途発刊されているにしても,その事例の豊富さには圧巻される.特に雪印(集団食中毒)とJCO(核物質取り扱いの臨界事故)のケースは生々しく感じた.一読することをお勧めしたい一冊である.
本書を読み進むうちに気付くこととして,経営学との共通点や(例えば,設計の思考過程のたどるらせん構造はCharles Fine のサプライチェーンデザインにおける二重らせん構造をイメージできる),心理学を重視した訓練失敗の提案などはセブン&アイの鈴木敏文氏の「商売は経済学で動くのではなく顧客の心理学で動く」を思い出す.失敗学は理屈とは異なる実学の部分を重視しており,まさに経営にかかわる実務家向けの発想に近いのかもしれない.一流の経営者の考え方は理屈では無く,実績として会社を継続し,成長させることが重視されるわけで,実学をベースとした発想が相通じるのかもしれない?
本書は一般向けの記述になってはいるが,特に理系の人が読み進めると意外にロジカルな組み立て方を感じることができるのではないか? 例えば,樹木構造を用いた要因分析(QCにおける特性要因図に近い)は非常に理解しやすい.
失敗は成功の始めりであることを示唆してくれる
[No.18] posted by サトマン
様々な失敗例をあげ、失敗することがやがて成功につながることを示唆してくれる。
また、成功を維持するためには、「現地」「現人」「現物」を心がけるようにとあった。ようはよく見て、考えて、足を使って、しっかりと直接物事を向き合うということが大切だということだ。
失敗に対してニュートラルになる(若い人におすすめ、理由はレビューに簡単に記す)
[No.17] posted by mbookdiary
いやぁ、これはよい本。失敗を見てみないふりをするのではなく、それに正面から向き合い多くのことを学ぶことを提唱している。面白いのは失敗ピラミッド。失敗にもレベルがあって、簡単なケアレスミスから組織の失敗、社会の失敗、そして未知との遭遇に至る。未知との遭遇などは新しい技術が使われ始めたときなどに起こる。そういう失敗は一定の確率で発生する。しかし、そうでない失敗は防ぐことができる。
また、失敗の経験は客観的なものでは説得力が欠けることが多い、例えば、家族とけんかをして苛立っていたということや、自分に対する過信などそういう背景が説明に加わることによって臨場感のあるものになる。
偽者のベテランと本物のベテランの話も面白い。山登りの下見という任務をこの二人に課したときに、偽者のベテランは山登りなんて簡単だと豪語する。本物のベテランは慣れていたとしても、ただ上るだけではなく、雨が降ったときはこの未知を通ろうと考えたり、こういう場合には途中で引き返そうと考えたりいろいろな場面を想像してそのときの対応を考えている。また、本物のベテランは経験だけではなく、自ら積極的に勉強をし、経験に加え知識を身につけている。
日本社会の構造に染まる前の若い時期にこの本を読んでおくとうまくこの本の影響力を自分の人生に生かせると思う。失敗に関してのネガティブなイメージが染み付いてしまった人がこの本を読んで自分の考えを根本から変えるのは難しいかもしれない。
失敗学は日本の組織に根付くのだろうか・・・
[No.16] posted by daphnetin
失敗学。提唱されてから随分と時間が経ちましたが、最近は先進的な企業だけではなく、
知識だけではなく、一部の企業では定着しつつあるようにも見受けられます。
「失敗学」といった用語を提案した本書を改めて手に取り、時代背景や諸問題に対する
失敗学の提起などを確認いたしました。そこからは本書が書かれた2000年
より、企業などの組織内での失敗に対する姿勢は変化が見られないことに愕然と
させられました。
私が確認したかったことは、果たして当時失敗学の中心の話題であった雪印食中毒
事件、JCOの臨界事故などから企業の姿勢は変わったのだろうかということです。
明らかなことは、組織の大失敗がそれが減るどころか、むしろ失敗の範囲は巨大化し、
より複雑・巧妙になり、そして結果として悪化しているということです。
最近でも、リチウムイオン電池の爆発事故、食品偽装などは話題に上ることも多く、
失敗の原因を追究し根本解決を考える試みはされているように思えません。どこに
責任があったのかを問い詰めて、その部分を切り捨てれば一件落着という姿勢。
喉もと過ぎればとはいいますが、明らかに疲弊しきっている組織には失敗学も単なる
一つのお題目でしかなかったのだろうと思います。
本書でも一部述べられていますが、失敗を忌み嫌う日本の風土に、失敗学を本当に
理解して根付かせるためのシステム作りを組織ははじめるべきなのかも知れません。
成功する原動力
100.0% (1 / 1)
[No.15] posted by HJ
畑村さんの本を読むのは2冊目。
一貫した哲学があり、思いに共感を覚える。
失敗と聞くと、何となくマイナスイメージを
覚えてしまったが、失敗学は、実は成功学であるように思えた。
新しい分野へ挑戦し、失敗した場合は
それを繰り返さぬ様、分析・反省すること。
また具体的にご自身が失敗から学ぶ取ってきたことも
記述されたおり理解が深まる。
実は、この本よりも以前に図解中心の失敗学を読んだ。
内容は同じようなものであったが、こころに残った大きさは
本書の方が上である。
文章の持ちえる力を改めて認識するきっかけにもなった。
失敗から学ぶこと
[No.14] posted by タカカズ
失敗から学ぶこと。すぐに思いつくのは、同じ失敗を繰り返さないこと。
当然、それはとても大事なことです。
でも、それだけじゃない。
エンジニアにとって、失敗から学ぶことは?
この本を読むと目からウロコ状態です。
単に同じ失敗を繰り返さないと言うだけでなく、もっと前向きな、創造的な
意味合いがあることを悟ります。
どんな分野であれ、エンジニア必読の書だと断言します。
いい本だけど。。。
100.0% (4 / 4)
[No.13] posted by English learner
失敗学というタイトルをつけた出版社の勝利ですね。
この本は失敗学という考えを広めるのに貢献しましたが、
内容的には、抽象的な概論論がメインです。
(この研究そのものは畑村先生だけでなく、同じ様に
複数の人で研究していたようです。)
同じように研究されていた中尾 政之さんの失敗百選の方が
具体的で体系化されていて面白いです。
(この方も畑村先生と一緒に活動されていたようです。)
学校の先生らしく、抽象的な概念や学問化することには長けていますが、
私にはいま一つ迫力を感じませんでした。
畑村先生の本では「危険学のすすめ」の方が実践的で
格段に面白いです。
こっちの方が、真剣味、迫力みたいなものがあります。
世代を超えて読み継がれて欲しい本
66.7% (2 / 3)
[No.12] posted by 本が好き
僕の場合、失敗を恐れる気持ちが強いですが、失敗に対して真摯に向き合う事の大切さを知らされた本です。
「失敗は成功のもと」といわれる格言を生かすためには、失敗と向き合い失敗の法則性を理解し、要因を知り、
失敗が成長して致命的なものになる前に未然に防止する術を覚えること。
失敗から学び、失敗のマイナス面ばかりを強調するのではなく。 失敗のプラス面に着目し次の技術の進歩に
つなげるか、また失敗を如何に知識化して組織・社会で共有化していくべきかの方法論、新しい事にチャレンジし
て創造性を発揮するために失敗学から学ぶ方法論等参考になります。
昨今の、事故が多発する日本社会において、より多くの方・世代を越えて読み継がれて欲しい本です。
社会人として必要な知識
100.0% (4 / 4)
[No.11] posted by I
完全ではない人間にとってミスや失敗はつきもの。
それを隠すのではなく、「知識」として体系化する必要性が
理解できる。世代を経るにつれて、失敗に対する危機感が薄れていく
その対策が書かれている必見の本だと思います
失敗は成功の母、まさにこの一言に尽きる
100.0% (5 / 5)
[No.10] posted by tagachil
人はできるだけ「失敗」せずに人生を過ごしたいと考えます。
しかし、失敗から学べるものは偉大で、それを教訓にすることでより大きな成功を収めることができるということを教えてくれる一冊です。
特に日本では失敗が悪しきものととらわれがちであるため、人はすぐに失敗を隠してしまいます。(私もそうですが・・・)
ただの不注意による失敗は別ですが、本書を読むことで失敗することへの恐れが少し薄くなるように思います。