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直木賞受賞作の『GO』、また『レヴォリューションNo.3』で、痛快な青春劇を描いてきた金城一紀の中編小説集。「恋愛小説」「永遠の円環」「花」の3編を収録。『対話篇』というタイトルが示すように、いずれも人と人との出会いや、対話を通して生まれる物語となっている。これまで軽快なテンポの小説を得意としてきた著者が、じっくりと人間の関係性に重点を置き、創作に取り組んでいる。
特に印象深いのは、冒頭の「恋愛小説」。親しくした人間がかならずこの世を去ってしまうという、数奇な運命の男が、ただ1度経験した恋愛の顛末を描いている。ひとを愛したいのに愛せない男のもどかしさが胸に迫る、どこか非日常な匂いのする1編だ。
また、余命いくばくもない主人公の復讐を、ミステリー調に描いた「永遠の円環」、老弁護士と青年が過去の記憶をたどりながら、ある目的のため旅をする「花」。どれも死、別離など暗くなりがちなテーマを扱いながらも、さわやかな印象を与える作品である。それは、のっぴきならない状況に陥っても、「間違いない。この世界は素晴らしい」(「花」)と主人公に語らせる、著者自身の前向きな姿勢があるからだ。全編を通して感じられる、生きることに対する真摯な眼差しは、既存の金城作品の根底にも共通するものである。ハッピーエンドで終わる話ばかりではないが、登場人物それぞれの人生が、じわりと心に響いてくる作品集だ。(砂塚洋美)
大切な物って?
[No.36] posted by yu:sdi
この本を初めて読んだのは、確か・・・・中学生の時。
その時は金城さんの事が知らなかったからそのまま『いい本だったな』と思っただけで、そのまま記憶の中にしまいっぱなしにしていました。
それから数年たって、GOに魅せられて金城さんの存在を初めて知りました。
そのときに、『対話篇』の作者だと気づき、また読みたくなり図書館に行って借りてきました。
どの話も掴みどころがなくて、だけどとても心に染みる物語ばかりで読んでいる途中にもかかわらず心が熱くなり泣いてしまいました。
とくに『花』はいい話でなかなか本で泣かない私でも泣いてしまいました。
もし明日死ぬとしたら?
もし明日記憶を失ってしまったら?
そんなの、怖い。
だけど、運命なんて誰にも分からない。いつどこで誰が見守っているかも分からないから、私はこれからも生きるんだ。
パチン。
「花」がいいです。
[No.35] posted by かっこ
本当に愛する人ができたら、絶対にその手をはなしてはならない
をテーマに3つの短編がつづられています。
圧倒的に3話目がいいです。
ありがちといえば、ありがちな話なのかもしれませんが、素直に感動し、なかされました。
愛し合っていても、どうしても、うまくいかなくなってしまうことはあると思う。
でも、だからって愛なんて信じられない・・というのは違うんだと思わせてくれます。
尾崎豊の某曲(君が教えてくれた花の名前は・・・のやつ)が、読み終えた後頭の中をエンドレスで回りました。
夢はかなうものなのですね
[No.34] posted by sasuke
「恋愛小説」の主人公の「僕」は大学を卒業したらどうするのと問われて「本当は小説を書こうと思ってるんだ。読んだ人がみんな救われるような小説を書けたらって思うんだけどね」と語る。
だいぶ夢がかなっているようですね、金城さん。
これは今ひとつな内容でした。
0.0% (0 / 1)
[No.33] posted by にゃんこ
金城一紀らしからぬ世界観のような感じで、読み終えた後の爽快感が薄い作品でした。
映画篇のあとで
[No.32] posted by vega
先に「映画篇」を読み、あとでこちらを読みました。
「映画篇」や「GO」とは印象が違い、驚きました。
「映画篇」では全体的に勧善懲悪で救いのある感じが好きでしたが、
こちらの「対話篇」にはあまり救いがない感じがして・・・。
特に「永遠の円環」は、妄想なのか現実なのか
ぞくっとした、ぞわぞわした怖さがありました。
なので、その次にある「花」は余計優しい気持ちで読むことが出来、
読みながら電車の中で泣きました。
荒唐無稽に思える出だしから、収束の仕方がとても美しく、
このストーリーが最後でよかった、
やっぱり救いがある、と思いました。
みなそれぞれに臨場感があり、なんともいえぬ怖さがあり好きですが、
この中では「花」が一番好きです。
そして、「対話篇」より「映画篇」の方が、好きです。
とても読みやすい。
100.0% (1 / 1)
[No.31] posted by tao
結局のところ、大切な人の手を捜し求め、握り続けるためだけに、僕たちは
うすのろな時間をどうにか生きてる。
僕は思う。想像力は精神や欲望が満たされていない者の専属品なのだ。
秋は『後悔と記憶の季節』なんだそうだ。冬、春、夏と過ごしてきた中で犯してきた過ちを
後悔し、それを記憶する。そうすれば次の過ちが防げるし、
それまでの過ちも何らかの形で埋め合わせることができるかもしれない。
そして、その記憶を胸に、来るべき厳しい冬に立ち向かう。
なるほどなあ〜〜と思った作中の文章であります。
すばらしい!
100.0% (1 / 1)
[No.30] posted by 聖飛
GOやRevolution No.3とは違い、静かで、落ち着いた雰囲気の小説
そしてやはり読みやすく、読んだ後の爽快感はとても忘れられません
心が温かくなるものばかりでした
さすが!
あたたかい
[No.29] posted by レントン
3話とも暖かい話だった。
恋愛小説は、題名通りの恋愛のあたたかさがある。
永遠の円環は、ゾンビーズシリーズの感じがあり青春小説だ。
花は、心温まる泣ける小説だ。
どれも最後にメッセージを添えてあり元気がもらえる作品ばかりだ。
静かな情緒あふれる描写が
50.0% (3 / 6)
[No.28] posted by するめいか
ことごとくツボにはまる。それは村上春樹なんかと比べてしまったらやっぱり劣ってしまうものだけれど、こっちはさらに(たぶん、わざと)若くて中くさくて、青くさくした少年の心のまっすぐな部分を的確に描き出していると思う。やっぱりいいものを持ってます、金城一紀。
物語的にはラストの「花」が一番完成度が高い。記憶に関する話なんだけど、もうせつなくてたまらない。最初の「恋愛小説」の冷たい空気も印象的だ。
ただ、「永遠の円環」は後半になればなるほど話がぐだぐだになっていってしまうので、あまりお勧めはできない。
珠玉の短編集
100.0% (12 / 12)
[No.27] posted by occhi
金城一紀の引き出しの広さに驚かされた。
「GO」「ゾンビーズシリーズ」のような躍動感溢れる青春小説かと思ったら、全く反対の静かで哀切な短編集だった。
どれも心にじわっと沁みてくる物語だった。
優しくて、切なくて、哀しくて。
そして愛しくて温かい。
特に「花」は絶品だった。
久々に琴線直撃だった。
今までの作風とは違っているように感じるが、実はテーマは通底している。
それは「現状から一歩踏み出す勇気」
これは、金城一紀が一貫して伝えようとしているメッセージだと思う。
できるだけ多くの人に読んで欲しいと思う。
僕は図書館で借りて読んだのだが、あまりに素晴らしかったので、翌日書店で新品を購入した。