牛乳の未来

  • [著]野原 由香利

カテゴリ:
単行本 (286頁)
ISBN:
4062122987
発売元:
講談社 (2004/04)
定価:
¥ 1,680 (税込)
在庫状況:
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187,189 位
評価: 4.0
2008
07/20
Sun

これだけで判断するのは

0.0% (0 / 1)
[No.6] posted by pharedebaleine

主流とは別のやり方を実践している酪農家を聞き書きの形で掘り下げていきます。もちろん負の部分も他の人への聞き書きでバランスをとっているようですが、両者とも定性的な表現にとどまっているため本当のところはどうなのか判断しづらい。この本だけで判断するのは危険で、他の酪農関連の本とあわせ読んでみるべきでしょうね。

2006
07/21
Fri

素人が知らないことを書くと害を流す

36.8% (7 / 19)
[No.5] posted by 酪農のドーベルマン

著者は酪農および人類の農業史にまったく知識を持たない人であることは、一読すればすぐ分かる。しかも彼女が取材の対象としている酪農家は酪農のプロから見ると「困った」人たちという位置づけになる。

三友氏などは酪農界に大きな害毒を流したといって差し支えない。本人の酪農は貧弱で科学とはまったく縁のない代物であり、乳質が悪いので農協も困り果てている。脱都会派であり、口が達者だが酪農の腕前は素人同然である。規模縮小、乳量低下を主張するが、自分が乳量を高めることが出来ないだけである。しかし、自分はかつて組合長をやっていたので、それでも給料があるから食っていけた。それをマイペースと称して講演して歩くので各地で負債を償還できないで倒産する酪農家が続出した。こういうタイプには新聞やテレビが無知のために食いつくので、被害は増幅する。このタイプに野原さんのように善意だが無知な人はすぐに騙されるのである。この本に登場するような酪農家は自分がひっそりと好きなようにしていれば罪がないが、アイデンティティに自信がないので、他の酪農を非難し始める。

日本の酪農の本流は科学的、経済合理的な営農で、安全で価格の合理的な牛乳を生産している。野原さんの本や、彼女に入れ知恵している酪農家の発言は、悠久のインダス河に放尿するようなもので、矮小で醜い。

2005
04/29
Fri

学ぶところ、多し

75.0% (9 / 12)
[No.4] posted by shuuji

 本書は、野原由香利さんが聞き書きにより、斉藤晶さん、松岩達さん、吉川友二さん、新村浩隆さん、足寄町放牧酪農研究会、三友盛行さんら、北海道の放牧酪農家達を巡り、題目そのままの『牛乳の未来』を考えた本である。
 
 登場する話し手は、既に自著も出している方もいるが、(文面からは質問は割愛されているとはいえ、)質問に応える形なので、また別の側面が語られているし、聞き書きの間に入っている著者の要を得た酪農界の資料の配列もいい。
 
 本書の著者は斉藤牧場に魅せられ、それを聞き書きとし、賞をもらった後で、ふと、なぜこんなにも良い牧場が広まらないのか、という疑問を持ち、それを紹介された酪農家の行く先々で考えている。そして、確かにそこでは様々な登場人物が、別の角度から、斉藤牧場の死角を指摘しており、それぞれに自身の立脚点があり、説得力がある。それでも最後に斉藤牧場に戻ってくる著者は、やっぱりその目前にあるものに感動してしまう。その結論を早急に出さず、今、感じたことをそのままに、素直に書いているのが寧ろ良い。

 また各章に登場する登場人物たちも、何もこの質問の応答者にばかりなっているわけではなく、皆それぞれにヴァイタリティーと、それに基づく落ち着いた酪農の理念と未来への夢を展開する。本の中にもそうした指摘があるが、どの村でもそこに1人や2人、こうした人はいるものだが、こうした一人一人の姿は、なかなかマスメディアのなかで伝わってこないのが現状であろう。場所は北海道だが、自分の近くにもこんな酪農家さんがいないかな、と探してみたくなる本であった。

2004
08/13
Fri

お勧めします。

54.5% (6 / 11)
[No.3]

本書は山地酪農というエコロジカルな酪農を営んでいる斉藤晶氏を中心に、
現代の酪農が抱える問題をつつましくも勇敢に乗り越えようとしている
酪農家を追ったノンフィクションである。

酪農という題材を元に、
資本主義社会の低コスト至上主義があらゆる場面で生み出している、
「物」の品質の低下とそれに伴う犠牲が鋭く描き出されている。

BSEを発生させた原因はそもそもどこにあったのか?
安価な商品を提供、購買できればそれでよしとする、
私達人間にもはや可能性は残されていないのか?

酪農の厳しい現実は決して楽観できないが、
本書に登場する酪農家達はみんな幸せそうである。
何が彼らに幸福をもたらしているのか?
読んでいる者にまで幸福感をもたらす

彼らの生き方は酪農だけではなく、
加速し続ける資本主義社会の弊害に対する一つの打開策を提示している。

インタヴューは聞き書きという新しいスタイルで再現されており、
読んでいると話し手から直接語りかけられているかのような臨場感を覚えた。
話し方や方言から個性が浮かび上がってくると

理念や生き方まで話し方に表れているように感じられるのも面白かった。

2004
06/21
Mon

新しい酪農の夢を

66.7% (10 / 15)
[No.2] posted by よろこび2

 野原 由香利さんが、数人の新しい酪農家に聞いた未来の酪農のあり方についてのレポートです。始めは斉藤さんという山地に牛を放牧して、雑草地を長い期間かけて牧草地にする話です。
 

 私は、他の酪農家が放牧してマイペースで乳牛をのんびり世話をして、生活を楽しんでいる様子に感心心しました。自分達の生活を楽しみながら、美味しい牛乳を作っている姿に感動しました。

お話を聞いてまとめたもので、とても読み易いです。

 多くの方に読んでいただいて、日本酪農の問題点と未来について考えて頂きたいと思います。

2004
05/03
Mon

イーハトーボの子供たち

80.0% (12 / 15)
[No.1] posted by tetsunaff

 可愛い表紙を開くと一面の野原、こちらを真っ直ぐに見つめる一頭の牛。
 なんじゃ、例によって無邪気な自然礼賛本かと、ページをめくる。
 するとそこには、理想を現実化しようともがく男たちがいた。それぞれの思想は微妙に距離を保ち、絡み合い、そして反発する。

 読み進めるうちに、一人一人の思想は異なるが、かれらが同じ理想に向かって、別の道を走っているだけだと気付く。そしてその向こうに賢治の語った理想郷(イーハトーボ)が透けて見えてくる。
 読み終えてぼんやり考えていると、一つの泡が深くから湧き出てきてポンとはじけた。

 そうだ。これは「牛乳の未来」などではなく、ぼくら人間の生き方の未来を提示した本なのだと。

 何気なくカバーを外してみると、草原の何頭もの牛が、ぼくをじっと見つめていた。


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