明香ちゃんの心臓―検証 東京女子医大病院事件

  • [著]鈴木 敦秋

カテゴリ:
単行本 (303頁)
ISBN:
4062133229
発売元:
講談社 (2007/04)
価格:
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評価: 4.5
2008
05/04
Sun

日本医師会の調査

25.0% (1 / 4)
[No.6] posted by りぼん

2000年日本医師会の調査、米国医師数約70万人にたいして免許取消1642人、日本医師数約24万人にたいして免許取消6人と本書228ページにあります。300ページには医療上の過失による医師免許の停止件数は依然として年間一桁に留まりその期間も大半は一年程度に過ぎない、と書かれています。ちなみに手術を見学させないので、何十時間の手術をひとりでやっているようなことを言う心臓外科医を特別視していましたが、分担して手術していることを本で知りました。

2008
03/31
Mon

感情的な糾弾ではなく、冷静な検証が印象的

100.0% (8 / 8)
[No.5] posted by 辰巳

医療ミスの発生、東京女子医大の隠蔽などをヒステリックに糾弾した本なら、
私はここまで感動しなかったと思う。それは安手の週刊誌と変わらない。

もちろん一番つらかったのは明香ちゃんであり、その遺族である。
女子医大の隠蔽体質やずさんなチェック態勢は、許しがたいものがある。

しかし、ミスを犯した医師だけが「100%まったく悪」かというと、
一概に言い切れないものがある。
病院全体の体質、日本の医療界の悪弊……それらを背負わされた部分も
まったくないとは言えないのだ。
医療ミスは起こしてはならないし、起こってはならない。
しかし医療ミスの責任は、一医師だけに負わされるものだろうか。
私もかつて、父が医療ミスで危篤状態になったことがある。
幸い今は元気になっているが、危篤状態を脱したとき、
執刀医が泣きながら詫びたことを今でもよく覚えている。

著者は、基本的には遺族側に立ちながら、医師の苦悩も描こうとする。
この困難な作業を成功させたのは、著者が徹底して医療現場に踏み込んで取材を重ねたからだ。

糾弾されるべきものは糾弾されるべきである。しかしそこから、悲劇を繰り返さないための教訓を得ないと、
同じことがまた起こる。

著者が本当に言いたかったことは、そのことだと思う。
講談社ノンフィクション賞受賞もうなずける好著である。

2007
09/29
Sat

すべての大病院の待合室に置いて欲しい本

77.8% (7 / 9)
[No.4] posted by 本多欣亮

読んで最高に驚いたのは、施術した医療関係者の初歩的ミスよりも、看護士や事務員の患者に対する接し方や態度でした。こんな電話応対や説明の仕方がまかり通っていた(そして今はずっと改善したものと強く希望します)のだと思うと、怒りを通り越して力が抜けてしまった。女子医大の異常体質を描きながらも、作者は女子医大だけで起こりうる事ではないんだよ。と力説している気がします。権威に凝り固まったすべての大病院の待合室に置いて欲しい本ですね。人工心肺が人工腎臓(透析機)などに比べて進歩が少ない事実や、あきれるほど原始的な原理に支えられている点などもこの本ではじめて知りました。なによりの患者の自衛策は、常識や直感に従っておかしいと感じたら病院を変えるぐらいの勇気も持たないといけないのかも知れない。しかし、高度な難病ならこれも難しいですね。実に難しくなおかつ誰でもある日突然直面しうる問題なんです。

2007
08/01
Wed

理不尽の世界ですが。。。

38.5% (10 / 26)
[No.3] posted by 読む女!

ニュースなどの報道で知っていたのですが、
本として読むと、改めて日本の医療と医療裁判の理不尽を感じます。
正直言って、読むとどちらかというと元気が無くなります!
でも、現実がどんなに理不尽でもその現実を知る事が大事なのだという意味で、
また、そう言うあまり楽しく無い本が世に出る事も大事なのでは?と思い、
日本の医療の現実を知って元気は無くなりますが、星5つにしました。
それに、医療過誤ではありませんが、私の父も女子医大で5年もガンを見落とされていました。
そのとき医者が父に『あなたはもう爺さんだからガンも進行が遅いよね!』と言って笑ったそうです!
私は、なんだかそれってドクハラなんじゃないかな?と思いました!
結局父は、手術後数年で死にました。直接の死因はガンでは無かったのですが、
娘としてはもっと早くガンの治療をしていれば、人生の最後をエンジョイできたのにと、
もし当時、この本を読んでいたら、
もっと早く父に「女子医大はやめたほうがいいみたいよ!」というアドバイスが出来たのに、
と思うと、くやしいです!
だから医療過誤に直接関係の無い方でも、読んで損のない本だと思います。

2007
07/16
Mon

何冊本が出れば反省するのでしょうか?

41.4% (12 / 29)
[No.2] posted by So.b.it

 私の家族も東京女子大で医療過誤を受けたので、この本を書店でみかけてすぐに買いました。
最初は主治医に謝ってもらえるものと思っていたのですが、完全に無視され、
家族で、上司の教授に直訴したところ「そんなこと言いに来てどうするんだ!」と、
恫喝まがいの事を言われました。重い後遺症が残ったのに紹介状も書いてもらえませんでした。
あまりの不誠実さに結局、訴えたのですが、この本と同じようにカルテは改竄されていました。
主治医もその場に居た看護婦も、完全に事実を否定しました!
確かに医療全体の構造の問題もあるのでしょうが、私は、それ以前に医師の人間としてのモラルの低さを感じました。
かりに自分の過失を認めないにしても、目の前に、後遺症に苦しむ患者が居ても、無視する感覚が、
医療システムの問題だけではなく人間としての品位が低いのでは無いのか?と、思いました。
実際、主治医は、テレビにも出ている有名医師なので、医療技術が無いわけでは無かったのです!
ただ、実際の診療では手抜きをしても、その結果、患者が苦しんでいても平気だったのですから、、
いったい何冊本が出れば、医師は反省するのでしょうか?絶望しています。

2007
04/30
Mon

医療を真剣に考える本。

77.8% (21 / 27)
[No.1] posted by ドクトルF

 前著「小児救急」で、現代医療の問題点に鋭く迫った作者の本。今回も専門的な心臓外科手術における医療ミスについて、その複雑な背景を解明して行く力作。
 毎回感心してしまうのは、作者の視点。ともすれば声高な非難になりがちな主題を、冷静に分析。悲劇が繰り返されないためにはどうしたらよいのか、取材を進めている。その取材姿勢の柔らかさ・穏やかさから、作者の優しさが感じられる。
 主治医が心臓手術前日に、他の病院でバイトしなければいけない現在の貧しい医療状況は、「小児救急」での過労医師像と重なって見えてしまう。
 


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