一瞬の風になれ 第二部

  • [著]佐藤 多佳子

カテゴリ:
単行本 (273頁)
ISBN:
4062136058
発売元:
講談社 (2006/09/22)
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冬のオフシーズンを経て、高校2年生に進級した新二。冬場のフォーム作りが実を結び、スピードは着実に伸びている。天才肌の連も、合宿所から逃げ出した1年目と違い、徐々にたくましくなってきた。新入部員も加わり、新たな布陣で、地区、県、南関東大会へと続く総体予選に挑むことになる。
新二や連の専門は、100mや200mのようなショートスプリント。中でも、2人がやりがいを感じているのが4継(400mリレー)だ。部長の守屋を中心に、南関東を目指してバトンワークの練習に取り組む新二たち。部の新記録を打ち立てつつ予選に臨むのだが、そこで思わぬアクシデントが……。

第2部に当たる本書では、人と人の繋がりに重点が置かれている。新二と連の友情、先輩・後輩の信頼関係、新二と谷口若菜の恋愛模様。第1部で個々の人物を丹念に描き、読者に感情移入をうながしているだけに、皆の気持ちが1つになっていく姿は強く胸を打つ。
特に、一人ひとりがバトンをつなげていく4継の描き方が素晴らしい。自分勝手と思えるほどマイペースな連が見せる、4継への、仲間で闘うことへの執着、意気込み。連のまっすぐな言葉に新二たちがはっとする時、その言葉は読み手の心にもストレートに届くのだ。
本書は、起承転結でいうところの、承句と転句。さまざまな事件、障害、葛藤を経て、スピードに乗った物語は、第3部のフィナーレへとなだれ込む。(小尾慶一)

2008
06/11
Wed

陸上をやっていた人は是非

[No.20] posted by あるばとろす

別に陸上をやってなかった人が読んでも十二分に楽しめると思うが、中学、高校でもいいから
学生時代に陸上をやっていた人なら、物語の中の場面が生き生きと想像できる。私自身も神奈川の
高校で陸上をやっていたせいか、この本を読み終えた後、もう一度青春時代を送った気分がした。
いままで読んできた小説の中で間違いなくベスト5に入る面白さだった。三冊あるが、一日で読んでしまった。

2008
06/11
Wed

キャプテン守屋の信念に、泣けます。

[No.19] posted by たつパパ

3巻中では一番引き込まれました。
印象に残ったのは,守屋部長と新二がグラウンドを眺めながら話す場面。

才能には決して恵まれなくても“毎日ベスト更新。練習も試合も”という生活を実践してきた不言実行の人・守屋。誰よりも部に情熱を傾けていることを認められた先輩から最大級のほめ言葉を頂き,その上で次期部長に指名されたら・・・

新二でなくても,首を縦に振ってしまいそうだよ。

「はい!付いて行きます!」とコロっと引き込まれて自分も頑張ってみる。こういう先輩を信じると,適当にやったつもりでも,あとで振り返ったりする実はスゴイことやってた,なんてケースがあったりするからね。

高校時代に少しでも頑張った記憶のある人は,それを呼び起こされると思います。

2008
02/24
Sun

トレンディドラマ的

[No.18] posted by ひで

3部作の中巻。1作目に続いてまるでウンチク漫画を読んでいるような感覚を覚えるほど、競技情報や10代の心情をよく調べ挙げられて描かれている。会話のところどころに違和感を覚える言葉の多さが感じられ、男性作歌にくらべると力強さが劣る内容だが女性作家らしい繊細なニュアンスで地味になりがちな陸上競技をドラマ的に表現している。個人的にはリアル感が薄くイライラさせられる事も少なくないがトレンディドラマ的にとらえればそこそこなのかと思う。ドラマにも少々期待したい。

2008
01/02
Wed

気持ちの用意を整えて

100.0% (1 / 1)
[No.17] posted by 香桑

途中で主人公の新二が二年生になり、起から承へと順調に進んでいるように見せかけて、転まで転がり込んだのが、この巻だった。
読者であるこちらも、ここまで順調に読み進んできた。4分の3ぐらいのところで気になる章題に出くわし、慌てて飛ばし読みして、また戻って読んだ。
淡い恋の予感の揺れ。先輩の引退を見送る揺れ。後輩を見守る責任感の揺れ。
友人の失恋や家族との齟齬や、いろんな出来事が日々の中には起きる。
期待と嫉妬と。劣等感と罪悪感と。憧れと幻滅と。揺れは、自然な反応だ。
動揺と衝動に突き動かされたり、自暴自棄になったとしても、それを乗り越えていけばいい。
バトンがあるから、走り続けることができる。受け取ったものを届ける気持ちの用意が整ったら、3冊目が待っている。

2007
07/26
Thu

眩しい・・・

100.0% (3 / 3)
[No.16] posted by 87

どんどん陸上にのめり込んでいく主人公:神谷新二に高校卒業後ジュビロに入団を決めた兄から陸上シューズを買ってもらう。そのころ陸上はオフシーズンとなり2年の来シーズンへ向けて個人の鍛錬期へ突入していた・・・

話題の本の第2部。第1部と同様に熱い思いを胸に呼び起こしてくれる。こんなにまで何かにひたむきに取り組み,悩み,苦しむ濃密な時間を懐かしく感じる。物語の中に出てくる『可能性』を忘れかけている私には眩しすぎる一瞬がいっぱい詰まっている本である。次巻が読みたくてたまらない・・・

2007
07/12
Thu

気分は春高陸上部のOB

88.9% (8 / 9)
[No.15] posted by 観る読む

三巻も一緒に買っておきましょう。
100メートルを走り抜けるようにあっという間に読める二巻です。

高校三年間の内、競技者として最も重要な二年生のこの時期を新二や連はどう成長するのか。

さながらコーチのような視点でも読んでしまった。
それほど、春高陸上部の部員達が愛おしくなった。

後輩ができた。先輩が引退した。
先輩の引退試合で涙を流す彼ら。
その寂しさ。
練習の成果が報われる一瞬。
その嬉しさ。
「その感覚知ってるよ・・・。」
怪我をして焦るその感覚、
「わかる。」

彼らが味わっている全ての感情は、若かりし頃の自分の感情でした。

競技場の雰囲気が、リアルに蘇った。

4継、マイルの決勝前。
夕暮れ時。
トラックとスタンドの一体感。
あの緊迫感。静けさ。興奮。

思い出しました。陸上をやっていた当時のこと。
当時の仲間、当時のライバル。当時のワクワクするような妙な緊張感。

緊張感をあんなにも的確に文字で表せるなんて、作者は天才ではなかろうか。

次は三年生。泣いても笑っても最後ですよ。
頑張れ!頑張れよ!
そう拳を握って、二巻を閉じた。

2007
06/12
Tue

青春

100.0% (5 / 5)
[No.14] posted by minom3

この暑くなってきた時期と青春の熱い感じがマッチして、自分の気持ちまで熱くなってしまう。短距離(=陸上)にかける高校生の熱さ。自分の高校時代と比較してしまう。あんなに打ち込んでいなかったよなぁ・・・。あんなに打ち込めてたら、もーちょっといいとこまでいったんじゃないか?!みたいな。

そして、それとは別に人間模様。キャプテンってあんなにみんなに気を使うのか?今の高校生って、そんなにオトナなのか?少なくとも自分はそんなにオトナじゃなかったし、自分の周りの先輩や同級生、後輩もあんなにオトナじゃなかったと思う。

いろんな想いを巡らしながらも、負けたら引退というシチュエーションでのレース。そんなに試合は今はない。今はそんなプレッシャーの中での試合なんてない。でも、今でも忘れないそーゆープレッシャー。また、そんなプレッシャーでやりたいような、やりたくないような。でも、絶対に戻れない、やれない、できない。でも、真剣勝負ならできるのか?!でも、目一杯に打ち込んで、練習して、試合に臨むからあれだけの気持ちが試合にぶつけられる。今はムリ?仕事が・・・。言い訳?だって、ヤツらにだって授業とか、試験とかあるし。そしてら、できることだけやればいいんじゃないかって?

なんとなく、汗臭い気分になってしまうけど、その汗臭さが爽やかなこの作品。早く続きが読みたい。

2007
06/10
Sun

泣きまくり、3巻まで一気に読みきった

100.0% (4 / 4)
[No.13] posted by miemiemama

彼らが今ここで走っている、自分が主人公になって今バトンパスのその瞬間! ってなふうに、ストーリーにのめりこんでしまいます。
 兄とのやりとりのシーン(チームジャージ)で、だぁ〜っと泣きました。もうそれからはとどまることを知らず、食事もトイレも家族との会話も一切なしで 一気に3巻のラストまで読破しましたよ。過去スポーツ(部活)に一生懸命だった人は、絶対この本を読んだら感動せずにはいられないね。
 1〜3巻あるけど、3冊そろえてから読み始めましょう!!
ちなみに、私は、1日半かけて読みました。ずっと部屋にこもって読みふけりました。こんなに読むことに集中できた本は初めてです。職場の先輩にもすすめたら、先輩もはまりました。
 心理描写が素晴らしい! 

2007
05/09
Wed

真っ直ぐに青春を駆け抜けていく。

100.0% (4 / 4)
[No.12] posted by 猫村しず

第一部に引き続き、さわやかな熱さが心地よい。
この第二部では、特に、部活の人間関係を通して主人公が成長していく姿、また、“恋愛未満”とでも言うべき淡い思いが、やや進展しそうな、そうでもないような微妙な展開、さらに、敬愛する兄の身に降りかかる衝撃的な出来事と、盛りだくさんで、読み応えも充分。
主人公が文字通り真っ直ぐに青春を駆け抜けていくさまは、何とも小気味よい。
大人の世代にとっては、「青春」という言葉の持つすがすがしさを追体験できるし、リアルタイムで「青春」を生きる世代にとっては、共感や発見に満ちてもいるだろう。
読み終えるや否や、すぐに第三部を手に取らずにいられなかった。
2007年本屋大賞に輝いただけのことはある。
納得の一冊。

2007
03/10
Sat

人は集団の中で変化するのだぁ!

90.0% (9 / 10)
[No.11] posted by teeakira

いやぁ、もう、泣いた、泣いた。
一ヶ所じゃないですよ、泣いたの。

一人の少年の成長物語といえばそれなのだが、やはり人は、集団の中で、変化していく。

それは、友人であり、ライバルであり、先生であり、親であり、兄弟である。

近い将来、そのかけがえの無いものの価値を知る時が来る。
もちろんそれは今かもしれないが、もう少し先かもしれない。

誰もが、そのことを知っている。
そこに心動く人が、感動を共有できます!


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