- [著]重松 清
- カテゴリ:
- 単行本 (341頁)
- ISBN:
- 4062140039
- 発売元:
- 講談社 (2007/05/31)
- 価格:
- ¥ 1,575 (税込)
- Amazonポイント:
- 15 pt
- 在庫状況:
- 通常24時間以内に発送
ユーズド商品:¥ 151 より
下巻は間延びしちゃった感じ
下巻のテーマは、微妙にずれた感じだった。衝撃事件の渦中の夫婦や、星を見上げた四人組の物語は、それなりに魅力的な設定だった。それが、癌で死ぬ人を中心に描かれると退屈だ。申し訳ないが、若くして癌で死ぬなんて、ごくありふれたことである。交通事故死と同じ程度である。当事者としては重大事だが、今時、癌で死ぬという事柄が小説の中心事項として描かれるのはつらい。
当たり前のことを、正面切って感動的に盛り上げようとされると、押しつけがましい感じがする。
幼なじみ4人組の人生いろいろ
北海道の炭鉱町で育った、幼なじみ4人組のお話。
4人組とは言え、うち1人は完全な脇役扱いで、あまり語られないわりに、4人が接触する周辺人物のことまで、実にボリュームたっぷりに書き込まれている。
この4人の仲良し時代が突然終わりを告げたらしいのだが、その理由は長く明かされない。
4人のうち3人は東京で再会し、うち2人は特別な関係にあったらしいことを匂わせるのだが、これも長らく明かされない。
以上のことで、非常に下巻まで引っ張られるのだが、それが明らかになっても、あまり衝撃がなかったというのが正直なところ。
作りこみ過ぎというか、引っ張り過ぎというか…。
ただ、主要人物の一人の闘病ものとして、引き込まれてしまったのも事実である。
死を前に自分を、過去を、血縁者を許す…その過程はなかなか説得力あるものであった。
ただ、この物語は内側から「うわ〜っ」と感情が込み上げるような、そういうのを狙って書かれているなという気がすごくするのである。
その作為性が見え見えなせいで、泣けなかったのだろうか。
乗り切れなかった感が、非常に大きい。
息絶えた星の光も輝きだけ空に残る
シュン、トシ、ユウちゃん、ミッチョの幼馴染の4人。
下巻では静かに命を終えようとするシュンの姿が胸にしみます。
「命」という言葉を、星空になぞらえて語るミッチョの言葉。
小学校4年生の息子を残し、死んでいく父、シュンが息子の哲生に語る言葉にはとても感動しました。
小説だからいいけど、実際にわが身に起こったら、
こんな冷静でなんていられない。
こうして「命を見つめること」って、きっと避けられない時がくるんだろうな・・・。
幼き日の輝き
ずっと涙がとまらないまま読み終えました。単に病にかかった男の話だったら、こんなに泣けなかったと思う。主人公含め、幼なじみ4人が星空の下に約束を交わしてからその後の、それぞれの人生を丹念に描いているからこそ深みがあるんです。
その中で倉田千太郎が関わった過去の炭鉱事件でのエピソードが最も重要な物語の核となり、運命はトシと母親の〈倉田〉との因縁、シュンとミッチョの秘められた過去、北都観音での過去への清算…とメリーゴーラウンドの如く回り続ける。
私はそんな中で雄司の存在に一番癒された。おちゃらけているようで実は自分を道化にしながら周囲の暗くなりがちな雰囲気を和らげるユウちゃんの優しい思いやりが最高に胸に響いた。
下巻の〈東京〉の章で“俺が語る。北都に帰ってきたアークトゥールスと、東京に帰ってきたスピカの物語を、俺が語る…”では、アポロ12号にまつわる話を含め彼特有のユーモラスな語り口に笑ったり泣かせられた。
誰かを憎んだり、自らの罪を背負って過去と断絶してきた者たちの贖罪の物語を読んで、人の弱さや強さを愛おしく見つめる作者の優しい視点が伝わってくる。空から降る雪を、雪は星だよ、わたしたちの街に降りそそぐ白いものは星なんだよ、という言葉に心から涙が出ました。大人のための上質な夢物語ですね。絶対にハンカチをお忘れなく!
こめたい思いが強すぎて
「家庭」や「学校」というわりと小さなテリトリーの中でドラマを作り上げることの多い重松氏、本書はちょっと毛色が違うものでした。
「友情」「家族」「過疎」「許し」、それらのことが、盛りだくさんに入っているからです。
4人の友人、彼らを取り巻く人々、みんなを丁寧に描き、うま〜く絡めて行くのですが、なぜか焦点がぼやけた感じがしてなりません。
私的には「その日のまえに」のほうがずっと好きです。
許す人と許される人の物語
テーマは「許す・許させる」。
許さなくてはならない人、許されたい人たちの物語で、
広い意味では宗教的な雰囲気も感じる作品です。
世の中の不幸がこれでもかというほどに織り込まれているのには
少々しつこさを感じます。
登場人物が多く、一人一人の思いをしっかりと受け止めるのがあまりに重い。
果たして川原さんとミウさんのエピソードまで
必要だったのだろうかと疑問を覚えました。
すべてを話し、許し、許されたあとの彼らが
だからといって昔のような仲良し4人組には戻らないさっぱりさは好き。
ミッチョとトシはシュンの病室を熱心に見舞うわけではなく、
亡くなってからもお葬式へ行くこともない。
かつての仲良しも、今はそれぞれの人生を歩んでいる。
その「引き」の選択ができる強さに感銘を受けました。
俊介は40歳で亡くなった。40年も生きることができた。
あたたかい家庭を作りあげ、仕事でも認められた。
そしてひとつだけ心に残っていた黒い影もきれいに清算してして導かれた・・・。
そう考えるとこの人はずいぶんと幸せな人なのではないかと思える。
それに気づいたら泣くことはできなかった。
王国を築き、守り抜くために「鬼」にならざるをえなかった「神」・倉田千太郎。
俊介の人生より、倉田千太郎の人生の方に興味を覚える。
いつか千太郎の物語も読んでみたい。
闘病モノで「泣かせる」というものでもない。
それよりは宗教的な観点で心が動かされる作品でした。
運命の4ヶ月
一つの丘をきっかけに出会い別れることになった運命の4ヶ月。それぞれの胸にいだく過去と未来が生と死の重さを刻んでいく。振り返ることなく前に進んでいく登場人物の強さが読み進めていく毎に伝わってくる作品だった。
素敵な作品
受験生ですが、本が大好きです。
重松先生のファンになったのはちょっと前で、作品もまだ少ししか読んでいません。
学校の図書室に出たのを速攻借りたのが『カシオペアの丘で』です。
上巻はじっくりと数日かけて、下巻は1日でさっくりと読みました。
上巻では他人事だからなのか涙は出ませんでした。
けれども、下巻。
ティッシュが手放せませんでした。
涙を拭いて、服もビショビショになったほどです。
大切な人を思う気持ちは、幼馴染も,家族も,夫婦も,兄弟も,祖父と孫でも
変わらないんだなぁ…と心に染み込んだ作品です。
“この作品に出会えて良かった”と重松さんが好きな方なら
読んだ後静かに思うんじゃないでしょうか。
すっきりした終わりなのですが。
上巻は良くできていると思ったのですが、下巻はどうもしっくりきませんでした。
何となく話を先延ばしにしている様な感じがして、
メリハリ無く続いたように思いました。
上下巻の必要はないかも。
それにいくら夫婦だからと言って、
相手の過去すべてを知る必要はないんじゃないでしょうか?
それを話したことで許されるという解釈の仕方が理解できませんでした。
シュンが納得して死んでいったのは良かったことだと思いますが、
過去の恋愛を夫婦で披露するなんて、
悪趣味な気がしました。
下巻は☆3つ、トータルでは☆3.5。
四捨五入して☆4、と言ったところが私の評価です。
大作≠名作
カシオペアの丘で(上)の続編。読み切りタイプの作品ではないため、読むのであれば上巻・下巻セットで。
語り手が一章ごとに変わっていくため飽きずに読むことができ、また登場人物らの感情の変化が大変細かく描写されていて非常に興味深かった。
が、それ以上でも以下でもなかった。
上巻で予め結末の伏線が張ってあるのがその一因であろう。読者はその過程を辿るようにして下巻を読まざるを得ない。また過去にとらわれている登場人物たちが次第に未来に目を向けるという設定は良い。しかし著者はテーマ「自他を許せるか」を半ば強引に登場人物全員のそれにしてしまったため、無理矢理感は否めなかった。
そのような理由で☆3つ。
