- [著]渡辺 淳一
- カテゴリ:
- 単行本 (500頁)
- ISBN:
- 4062143194
- 発売元:
- 講談社 (2007/10/10)
- 価格:
- ¥ 1,680 (税込)
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渡辺淳一のいつもの語り口が楽しめます
女性の方には割りと不評なようですが、まずまず楽しめました。
500ページもある長編ですが、軽い読み物として一気に読めました。
医者である主人公の男性が、いまひとつ頭が切れてないのが、そして金持ちでないような描写がどうかなと思いましたが(主人公は病院の院長なのに)、全体的には、ストーリーがどう進むのか楽しく読めました。
ラストにはちょっとした、ひねり、があります。
若い(26歳)愛人の具体的な描写がないのも、きっと著者はわざと描かなかったのでしょう。他の渡辺作品でも中年男性にとって若い女性はかわいいけど手に余る、という感覚で描いてますが、確かに奔放で気ままな部分があると思います。
殺人事件も起きず、修羅場もそんなになく、それほどシリアスでもなく、これはこれで面白いと思いますが。
ページがもったいない
果たして500ページも費やす価値のある内容なのだろうか? はなはだ疑問です。
妻の書いている日記を盗み読みする亭主。
この形態にしさえすれば、エロチシズムを表現できるだなどと、まさか思わないでしょう。
形態ではなく、その内容に磨きをかけなければ、読者は納得しないでしょう。
何らかの実験性すら感じません。
また、最後の妻のオチ。これはなんとなく読めますね。まさか、まさか、これが作者の
ねらいだったなどということだとしたら、かなりがっかりです。
主人公の男性の「いいかげんさ」にリアリティを感じる
主人公の整形外科医の平凡さは、かえって世間一般の男性諸兄のそれなりに仕事に打ち込み、それなりに欲があって、それなりに息抜きを求めて、それなりに家庭を大事にしたいと考えているという「いいかげんさ」をよく表していて、けっこうリアリティを感じる。よく書けていると思う。私自身を含め、こういうご都合主義の保守的男性は世間にわんさかいる。しかし、専業主婦の妻のヒステリックさには、渡辺氏のわりと保守的なステレオタイプの女性像が投影されているようで、あまりリアリティを感じない。今どきの40歳くらいの女性は青春時代にバブルの時代を満喫しており、渡辺氏の世代感覚との間にずれを感じる。もう一つ気になるのは、渡辺氏のこの手の小説は、開業医や経営者など、かなり裕福な家庭を舞台にすることが多いが、世間の大部分の家庭の生活実感とは落差があるように思う。まあ不倫など、お金がなければ続かないのだが。たしかにワンパターンという批判は当たっているが、手紙を盗み見するというこの形式はそれなりにスリルがあっておもしろい。この工夫は評価できる。最後に一言。そもそも大衆小説をモラルで論じるのは意味がない。そんなことをいったら、明治以来の私小説はみんな不道徳の極みである。エアコンを「クーラー」と表現するなど、随所に古くさい部分もあるが、それは編集者のチェック能力不足であろう。齢70を過ぎてこれだけの小説を書くエネルギーにはむしろ敬意を表したい。
SNSIN DKRT・・・・・
「失楽園」、「愛の流刑地」、「あじさい日記」・・・
渡辺淳一氏のこれら3作品の中で、一番の愚作が「あじさい日記」ではないでしょうか。
妻がつけている日記を夫が盗み読み、妻の本心を知ってアタフタする愚かな夫のおはなし。
どこにでもありそうな話で、何のひねりもなく、予想通りの展開でがっかりしました。
唯一おもしろかったのは、妻の日記に記された暗号・・・
「SNSIN DKRT・・・・・」
すべてを解読してスッキリしましたが、その内容は別にどうってことのないものばかりです。
カルチャーセンターの先生からのメールに一喜一憂する妻は、家に家族がいる時には携帯をマナーモードにしているようですが、これはいかがなものでしょうか?
大切な人からの着信音は「ニューシネマパラダイス」にしておかなくっちゃ♪
どやっ?
既出ネタのオンパレード
新聞連載で読みました。★ひとつもつける価値のない本です。
もはや「失楽園」以降、どの作品の主人公も作者の分身としか思えません。自分の浮気はよくて妻の浮気は許せない自分勝手な整形外科医、これは作者自身ですか?またヒロインは自分の確固たる考えがなく、「よくわからないけど」大学時代の恩師に抱かれてしまうおバカさん。こんなヒロインのどこが素敵な女性といえるのか、非常に理解に苦しみます。
またこの作者はネタの引き出しが極端に少ないのか、いろいろな本で書いたネタが何度も出てきます。例えば「『源氏物語』の六条御息所は家柄も美貌もよく、非の打ちどころのない女性だが、唯一アソコがよくない。だから源氏が離れていった」というトンデモ解釈は、作者の過去作品「失楽園」や「源氏に愛された女たち」などですでに出ています。「ナントカのひとつ覚え」よろしく、同じネタを何度も何度も使いまわして原稿用紙を埋める。読者をバカにするのもいい加減にしてほしいものです。
古くさい・・
携帯電話やカルチャースクールなどがでてくるので、
多分現代の設定なのでしょうが、あまりにも時代錯誤な表現ばかりで、
いったい何時代のお話でしょうか?という感じ。
現代の40代では無理です。30年くらい前の話しならわからないでもないですが。
夫の浮気を気に病む奥さんのことを
”神経質すぎる”とか、”浮気ぐらいで騒ぐのは間違っている”との記述が、
これでもかというくらいしつこく出てきて、
まだいうか!?とつっこみたくなりました。
後半は奥さんが反撃にでて、夫が情けなくなってきます。
そこで少し気が晴れたので☆ふたつの評価としました。
これが「文芸大作」とは・・・
「はっきり言って」「正直言って」などの全く不要な言葉が随所に出てくる拙劣な文章。何の伏線もなく、いきなり一回現れただけの登場人物に「主題」を言わせたり、都合の良いキャラクターが次々に出てくる安易なストーリー展開。全てのキャラクターが著者の傀儡として著者の主張を言っているだけ。今時少しネットで検索すればわかる程度のことも間違っているくらいの取材のお粗末さ。
もう出版社は派手な宣伝やビジュアル化によって話題を作り、中身のないものを無理に売るのはやめたほうが良い。先日のNHKのドストエフスキーの特集番組でロシアでドストエフスキーがベストセラーになっている、という話があっていたが、出版社はこのことをよく考えるべきだ。結局読者が求めているものは「本物」だということだ。今のようなやり方を続けていたら、出版業界は自分で自分の首を絞める結果となるだろう。
星ひとつももったいないけど
いやしくも「作家」を自称する人間でありながらこの人の言語感覚のずさんさはもはや犯罪的。新聞連載中からさんざん指摘されながらほとんど直されていない間違いの数々。読者の批評は一切聞く耳持たず、というのがお得意の「鈍感力」か。
あるいは作者のご機嫌を損ねることは出版社が聞かせないのか。だとしたら日本の小説を破壊するつもりなのか、と出版社に問いたい。
またまた勘違い
夫が妻の暗号付きの日記を盗み見て、妻の"驚愕の本音"を知り、そこに男女間に横たわる深淵を覗き込むという作者得意の作風のもの。だが、どうして作者は年齢が行ってから、こうした同じ傾向のものしか書けないのだろうか。それも勘違いだらけである。
私は結婚して二十年以上になる。私の個人的体験を外挿して一般論化するつもりはないが、結婚して何十年にもなれば妻(夫)に対する秘密などは幾らでもある。それも、人によって重度のものから軽度のものまで様々だろう。その中には男女の問題に係るものもあるだろうし、その場合は極秘事項になる。こうした事は世間一般で起こっている事象であり、そうした危険性(?)を孕みながら人々は日々の暮らしを営んでいるのである。それを敢えて問題として取り上げて、得意の男女問題に持って行く作者の神経が分からないのである。こうした問題に気付いて料理できる作家は自分だけだと勘違いしているのではないか。
誰か、この作家にストップを掛けてくれる人はいないのだろうか。
