- [著]岡田 克也
- カテゴリ:
- 単行本 (253頁)
- ISBN:
- 406214607X
- 発売元:
- 講談社 (2008/06)
- 価格:
- ¥ 1,500 (税込)
- Amazonポイント:
- 15 pt
- 在庫状況:
- 通常24時間以内に発送
ユーズド商品:¥ 475 より
岡田克也も政局を語る
この夏にとある講演会を聴きに行った。時事通信社の政治部の人が講師だった。
その人によると、民主党の78割の人が「次は岡田さん」と思っているそうだ。
さて、この岡田克也さん、実直に政策を語る人と思っていたら、この「政権交代」は政局の本なのだった。
1993年に自民党を離党し、現在(2008年春)までの政局の流れを解説している。
この15年は失われたのか?
見方によってはそうなのかもしれない。
しかし、そうではないようにするのだという、岡田克也さんの意志を読み取れる。
そんな中、印象に残っているのは、裏切り者を許さないという執念。
1度裏切った人は、またいつか裏切るそうだ。
そういう性格なのだから、また裏切るそうだ。
なるほど、なるほど。よーく覚えておこうと思う。
政治ショーには向かないが・・・
読ませる一冊です。
これ一冊で評価するのは乱暴ですが人柄が表れている感を受けました。
「何故に政権交代を行わなければならないのか?」という命題と、それに−政界
に於ける小沢一郎氏(父親)と羽田孜氏(母親)との狭間で−取り組んできた
15年間の足跡(立候補から現在まで)を素直に綴っています。
例えば、杓子定規・ロボコップ・堅い・・・と言われながらも、妥協せずに
己の意思を貫いたのは何故か?生まれたばかりの政党に国民の信を寄せて貰う
為の方策、政権を担える党への仕組みづくりの一環だった、と。
自民党であっても褒めるところは褒め、民主党であっても看過できない点は
素直に反省する姿勢にも好感が持てました。加えて本文中にもあるとおり
「真面目に取り組むこと」が評価されないのは政界に限らずおかしなことです。
硬すぎて華やかさを求められる(テレビは言うまでもなく、*1)新聞において
も)政治ショーには向きませんが、見えない所に−それも野党ではあるが中心部
に−志ある人がいる、という事実を知り得たことは収穫です。
惜しいのは(党副代表という縛りがあるのか?)提示した政策をどうやって
回すのか?という著者なりの方法論があまり述べられていなかった点。本の趣旨
は分かるのですが、出来ればもう一歩踏み込んで欲しかったと思う次第です。
*1)日本の新聞の政治面は「政局」面なので・・・中身をあまり報道しないのだ。
人の噂話をする方が楽しいという悪い実例。
悲願の「政権交代」へ懸けた渾身の書
目次を見ただけではありきたり今風の政治家本と捉えられるかもしれないが、読ませるものがある。文芸評論家がよく社会系の政治家や経済人に向かって「文学を読んでいないな」と言うことがあるが、著者は東大法学部に居てカラマーゾフを読んでいた、というだけあって表現があるのだ。地味な演説よりも本書の方が私は面白かった。
宮沢内閣不信任から始まる政治改革の狼煙は、細川連立政権の成立と瓦解によって自民党を単独の政権党から連立のできる政党に逆に脱皮させてしまう。もう一年、もう一年細川政権が続いていたら自民党は完全に消滅していたのではないか、と著者がここで言うときくらいその悔しさが滲み出ている場面はない。政権奪取後の小沢−武村、小沢−羽田抗争の図中にありながら翻弄されながらも今にして思えばなければならなかった政界再編の議論を最も身近に居て見ていた臨場感に剰りある貴重な証言録でもある。自民党はあの時以来単独で政権を獲れなくなった、しかし、自民党が政権から退いたのはあの時だけだ、と。
「・・・死を目前にした人々が、私が病床を訪ねると意識を取り戻し、突然話しはじめることがたびたびであった。
「政治家として信念をつらぬけ」
「政権交代を必ず実現してほしい」
・・・その約束を私は果たさなければならない」(136頁)
この箇所くらい感動するところはない。
実は変わらねばならないのは自民党の方であって、それがあまり解っていない、今や自民党が政権交代可能な政党に生まれ変わるか、さもなくば無くならねばならない、と私も思っているからだ。自民党が自民党のままであっても政権交代ができる政党に生まれ変わるか、自民党が自民党でなくなるか、いずれかであっていずれかでしかあり得ず、民主党が実力でそれを証明することで日本の政治を本質的に誰が見ても解るような形で変える季節に来ている、その告知の書であると言ってもいいだろう。
ちょっと気がついたこと
実直な姿勢のうかがえる内容で好感が持てるが、基礎年金の税方式についてはいただけない。
保険方式は双務契約であるから、払い込まれた保険料に対する給付義務を保険者が負うものの、税方式ではそれがなくなる。諸外国で保険方式の採用が概ね9割であることをよく考えた方がいい。
そもそも150兆円の年金資産のうち140兆円はサラリーマンが真面目に払っている厚生年金。未払いがどうこうっていうのなら、10兆円の基礎年金部分を切り離せばよいだけのこと。負担が減るのは事業主だけ。加入者負担は増え、受給者の年金額は減少する。サラリーマンと受給者からの搾取でしかない税方式は再考してほしいものだ。
本人は否定しているが、文章を読んでいると政界再編を意識しているのかなという気もする。
もっとも、一有権者の立場からすれば、その方がよさそうな気がするのだが。
最後のくだりは、オバマさんの「合衆国再生」を意識したのかもしれない。
実直な人柄が伝わってきます。
岡田氏の政権交代への情熱が伝わってきて、こちらの気持ちも熱くなった。
現在の民主党のフレームを作ったのは岡田氏なんだと実感した。
ただ、残念なのは2005年の衆院選挙の際に、小泉氏の郵政民営化の案に対して民主党
が具体的な対案を出せなかったことについて、もっと反省の弁が書いてあるのかと思ったが、
そうではなかったことだ。
