- [著]大前 研一
- カテゴリ:
- 単行本 (232頁)
- ISBN:
- 4062150263
- 発売元:
- 講談社 (2008/11/11)
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とても参考になりました。
ロシアという国とプーチン首相に対して抱いていた先入観がある程度払拭されました。大前さんは最終的には、EUが巨大な経済圏になる見通しをたてておられます。そのEUとの関係でロシアをみておかなければならないことはその通りだと思います。また、ソ連が崩壊した直後のロシアがどれ程壊滅的な危機に見舞われたか。改めて提示されることで、この国の行動原理のようなものを想像することができました。1ルーブル400円から2円になったという事態は、今のような金融危機の時期には想像することが容易です。プーチンという人が清濁併せ呑む形で崩落寸前のロシアを強国の一つに復活させたこと。そしてロシアには、資源と共に、冷戦でアメリカと争った科学技術があること。ロシアがとても日本好きなことなど。長い間ロシア(旧ソ連)は仮想敵国でしたし、北方四島の領土権問題があって日本人にとっては否定的にみたい国ですが、一方でロシア文学に代表される圧倒的な存在感を示しています。古くは、ロシア人は好きだがソ連は嫌い、という言い方がありました。サハリン1・2の件にも触れられていますが、日本国内で報道されたロシア国営企業のごり押しのようなものでもないようです。しかしながら、ジャーナリストの暗殺など物騒な話も伝えられています。日本やアメリカにも似たような話はあるのですが、問題は報道の自由といったところにあるように思えます。
ロシア・・・気になる存在ではあります。
知っているようで知らない国
ロシアについての知識は正直、イメージ的なものしかこれまで持ち合わせてなかった。
「資源国で長期的には可能性の大きな国だが、政治リスクが高い国」という程度のイメージで、恐らく日本人の多くの方が同様では無いだろうか。本書は「近くて遠い国」ロシアの現状と将来的可能性について、多くのデータを取り入れながら、読みやすく語ってくれる。税制など、知らないことばかりだったので、面白く読み進めることが出来た。
本書の内容について、全て納得行った訳では無いが、ロシアに対する理解が深まったのは確かである。今後、経済的、政治的存在感が高まってくるであろう、ロシアの現状を押さえておく上で、読んでおいて損は無いだろう。
新しいロシア観
チャイナインパクト等でいち早く中国お客様論を唱えた著者が、次に注目する国ロシア。
確かにBRICSの一員としてマスコミを賑わせつつあるが、大方の日本人にとってロシアは今なお独裁的な強権国家というイメージで捉えられている。たとえば政治的には北方領土問題に始まりチェチェン・グルジアへの侵攻。またビジネス面ではサハリン2の開発中止など。
だがそうした現象の裏にある日本のマスコミが伝えない事実を知れば、ロシアをいたずらに遠ざけることの不毛さに気付かされる。なによりロシア国民の圧倒的多数の支持を得ている「独裁者」プーチンが、民主的な手続きによって選ばれているという事実ほど重いものはないのではないか。
本書でも述べられているように、ロシアが未だに共産主義の亡霊を引きずっているのも一面の真実ではある。しかし、だからこそ今後、そうした負の遺産が一掃されれば資源と人材、両面でのポテンシャルが大きく開花する可能性を秘めているともいえるのだ。
20世紀のロシア観から21世紀のロシア観へ。本書がその道筋を示してくれる。
視点が変わった
説得力ある経済論をぶってくれる大前せんせい(アンチも多いけど)。
本書ではロシアの将来性について語ってくれている。
この本で私が感心したのは、
ロシアは中国やインドなどと違って、国民の多くが教育の恩恵を受けており、
高い識字率を誇っている点である。米ソ冷戦時代に、西側諸国の力を借りずに
月までロケットを飛ばした技術は、何よりロシア国民の学力の高さを示している。
(と本書に書いてある)
ロシアが本気で資本主義経済を学び、国民主導の民主主義を学んだら、
本当の超大国に生まれ変わるのではないかと感じられる。
BRICsで一緒くたにされているけど、そういう点では中国やインドとは異なる。
腐敗した役人を一掃するまで、独裁者プーチンによる人権弾圧的強権政治が
続くのかも。
今のロシアを知る切り口
今のロシアを知るための絶好の切り口になるとは思うが
民族の本質というものはそう簡単に変化しないと思っている自分としては
多少の政治体制の変革があったからと言ってロシアを信用することは
出来ないと思う。
だからと言って、ロシアは無視することができない超大国。
それを知るための良い参考書として読んでいきたい。
ロシアという国を知る
私は現在30代中盤ですが、我々の世代にとってロシアという国は
○冷戦中は東側諸国の雄にして、アメリカと敵対する謎の多い軍事大国。
○ソ連崩壊後は、物資不足にあえぐ、化けの皮が剥がれた張り子の虎。
○プーチン政権以降、資源高により急速に成長する新興国。
という程度のイメージしかありませんでした。
しかしながら、本書ではロシアの国家体制や経済状態を表すデータが多く掲載され、
またロシアの文化に関する大前氏の意見により、ロシアという国に関する情報が
満載されています。
この本に書かれている意見については賛否両論あるでしょうが、私個人としては、
この本を読むことによりロシアに関しての理解が深まり、ロシアについての考察が
出来るようになったことは、大変良かったと思っています。
ロシアの現状とイメージとのギャップ
ロシアに対しての日本のイメージは旧ソ連のイメージがいまだに残っているが、
そんな古いものは早く捨てて、世界経済に大きく影響力を持っていくだろう新しい
ロシアのイメージを持つべきだと書かれている。
日本でロシアというと「北方領土問題」のイメージしかない。そのイメージを捨
てて、現状のロシアの状況を把握するために、データと大前さんが実際に現場で見
てきた内容から分析をしている。プーチン時代になって変わったロシア、資源豊富
なロシア、未来のIT大国、EUとの関わり、ロシア企業などの視点から、今後の
ロシアの動向、ロシアに対する諸外国の動き、そして、日本がどうすべきかを鋭い
視点で分析・提案されている。
本書に書かれているように、自分も古いイメージしか持っていなかった。今後は、
新しいロシアのイメージを持って、ニュースなどの情報に接していきたいとおもう。
また、ロシアに対して興味が湧いてきた。
情報として価値の高い作品です
新聞やTVでは知りえない記事があった。例えば三菱自動車がリコール問題を起こした際に情報があまり知りわたっていないロシアに工場を作り、かなりの収益を出したこと。またJTやビール会社の活躍等。著者が毎年のようにロシアへ行ったからこそ知りえた情報が満載である。情報として価値の高い作品です。
ネオ・パラダイム
大前氏の得意な新たな視点を盛り込んだ一冊。他のレビュアーが書いているのと同様に「ロシアの新たな一面」を描いている。フラットタックスと法人税の引き下げは是非日本でも導入すべきだ、さもないと優良企業がこぞって海外(特にスイス)に本社を移しているからだ。私は今の大前氏が説くロシアを「戦後間もない日本と同じ」という認識で捉えたほうが良いと思う。戦後間もない日本も良くない点はかなり当時のアメリカなどから見たら(アメリカ人ではないが)あったのではないか?そのような視点から考えてみれば大前氏の内容も上手く吸収できるはずだ。あの戦後日本は立ち直ったのだからロシアも立ち直ってくるかもしれないという思考も切り口のひとつとしてあっても損ではないと思う。
この本の重要なポイントは大前氏の言うように「知的サンドバック」として自分なりの考え方を持って望まれるととてもよく理解できると思う。ただ、ロシアを否定するのではなく頭を「リブート」して考えてみたほうが良いと思う。さもないと「思考停止状態」になりかねないからだ。
佐藤優氏のようなロシアの専門家の意見と合わせていただければ非常に対比しやすいと思う。
ロシアのいる現在の位置づけを知ることができる
他の大前氏著作と同様に、端的かつ鋭い文章で本質を訴えており
飽きずに一気に最後まで読むことができる。地図や統計などの資料を
交えながら非常に理解しやすく書かれていると思う。
ただ、ビジネス書という性格故か『経済人・企業人から見たロシアの
現在』という側面が強く、彼の国が内包する負の側面については
あまり深く突っ込んではいない。
しかしながら内容が物足りないなどということは全く無く、むしろ
なかなか報道されないような内情にも触れており、興味深く大枠を
捉えることができるだろう。
唯一つ、腐敗した官僚機構に対する痛烈な評価は概ね賛同ができる。
ゴミのような役人というのは万国共通ですねぇ。
本書だけではなく佐藤優氏のロシア関連著作や、日露戦争、アフガン侵攻
などの数々の書籍と併読しつつ、激動の世界経済潮流における今のロシアの
位置付けを知るために読んでおいて損はない一冊である。
