- [著]飯塚 訓
- カテゴリ:
- 文庫 (292頁)
- ISBN:
- 4062565153
- 発売元:
- 講談社 (2001/04)
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- ¥ 714 (税込)
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涙なくして読めません
これは名本と言えるでしょう。評価は5つ星です。
事故当時私は大学生で、日本国内でジャンボ機が行方不明になるという異常事態と犠牲者520名という事態の重大さからこの事故が強く印象に残り、その後事故関係の本を多く読みました。世に多くの書が出されてますが、その中で一番印象に残った本です。
遺体の状況の壮絶さが文章でリアルに表現されてますが、著者の”真実を伝えたい”という気持ちが素直に通じてきて、グロテスクさはそれ程感じませんでした。
少年が父親の遺体と対面した際、泣くのを必死に我慢している状況や幼子の頭部に看護婦がやさしく言葉を掛けるシーンでは、涙で文字が読めませんでした。本来この手の書は決して読まない妻と母親も涙を流しながら読んでました。
読んだ後、必ず何かが心に残る書です。題名だけで判断せず、是非読んでみて下さい。
いまでも飛んでいるボーイング747
本書は1985年8月12日に群馬県の高天原(たかまがはら)山系の無名尾根(通称、御巣鷹山の尾根)に墜落した日航123便の全遺体の身元が確認されるまでの127日間を記録した唯一の本であり、航空機事故の犠牲者の遺体がいかに想像を絶するものか、また、当時検屍にあたった医師、看護婦、警察官及びその他の関係者の過酷きわまる任務を克明に描いたものである。特に胸を打つ最初の文章は、検屍が開始され毛布の中から塊様のものを少しずつ伸ばしたり土を落としてゆく過程で、おむつがあてがわれた二歳の幼児であることが判明する。その際に遺族の身元確認のため写真を撮っていた若い巡査のシャッターの指が止まり、涙で焦点が合わないと泣きべそをかいている…というくだりである。この事故は日米の政治的判断によってボーイング社の修理ミスによる隔壁破壊が原因で垂直尾翼及び周辺部(特に油圧系統)が損壊したためにコントロールが効かなくなり墜落に至ったとしている。123便に関する類書を読んでいると明らかに構造上の欠陥であることがわかる。いまでも政府専用機を含めた747が飛んでいるが、うがった言い方をすれば日本の政府専用機やエアフォースワン(米政府専用機)だけは構造上の欠陥を直して飛んでいるのだろうか?犠牲者のご冥福をお祈りいたします。
航空機事故の現実を知る
当時はそれほどの航空機事故だと捕らえることができない程度のお子ちゃまでした。
航空機事故としては最大の乗客乗員520名という方々が亡くなられたわけですが、その経緯などはさまざまな場面で紹介されている。
また、通常は公開されないボイスレコーダーの記録(http://members.at.infoseek.co.jp/tinsukou114/JAL123.swfなど)もネット上に流出し、何とか当時の記録をそのまま残し(ボイスレコーダーの記録は事故後何年か経つと処分されてしまう)、後世に伝えよういう動きがあることもご存知の方もいらっしゃるだろう。
今回読んだ本は、その日航機墜落後、遺体の回収から検死、身元確認、遺族への引渡しなどがどのように進んだのか。また、それにかかわった人たちがどんな心境であったのかなどがつづられている。
著者は群馬県警の警察官で、当時、身元確認班長だった方。
完全遺体(全身の状態がわかるような状態の遺体)はほとんどなく、部分遺体や断裂遺体の状態、ただの肉の塊をほぐしていく作業なども克明に記録されている。
指一本だけの身元確認なども印象的・・・・いゃ、印象的という言葉は的を得ていない・・・・とにかく、私の稚拙な語彙では表現できない。
このような書籍は何冊か読んだ事があるが、これほどまでに凄惨なそして悲しみの伝わってくる本はない。
これを書くために数ページ読み返してみたが、すべてをもう一度読むには気分を落ち着かせねばならない。
そんな衝撃的な一冊です。
「520人が死んだ」。これだけでは何も理解したことにならない
520人が死亡した墜落事故。遺体は、ある体育館に集められた。完全なものもあれば、あるいはバラバラのものもある(その悲惨さは本書に詳しい)。夏の猛暑の密閉空間。猛烈な死臭が充満する。遺族は泣き叫び、時に激しい怒号を日航社員に浴びせる。悲しみと不眠の作業の中、強い意志で医師、看護士たちは身元確認を粘り強く行う。周囲にはマスコミの目もある。関係者の誰もが過労でいらだち、わずかなことでももめごとがおきるピリピリとしている。日常と比較して信じられないくらい異常な、極限状況だ。とりわけ、「におい」のすさまじさは、この事故に思いをいたすときに、想像から欠いてはいけない重大な要素のような気がして、読後の強い印象となった。
この事故は私が小学校のころに起こった。当時は「日航機が墜落し520人が死亡、4人だけが生き残った」という風に頭で理解していたが、この本は、それが具体的にどういうことだったのかを、遺体とかかわるものの観点からつぶさに教えてくれた。どの箇所を読んでも涙なしには読めなかった。とりわけ、悲しみや、遺族への同情で、医師、看護士、警察など関係者が涙するのを読む場面では。
当時の関係者の中には、事故で人生観が変わったと言うものも多いそうだ。今われわれは本書を読むことで、それに酷似した何らかの変化を自分の内に感じるのは間違いない。極限状況についてはフランクルの『夜と霧』が名高いが、これとはまた別種の極限状況をあぶりだした秀作として、本書が多くの人に読まれることを望んでいる。
人生観の変わる一冊
この本を名作としているのは、筆者の高い描写力である。
筆者は自らの私見を殆ど交えることなく、
自らがかつて現場で見た遺体とそれに携わる人物を、
克明に、詳細に描ききっている。
この辺の書き方は、さすが、長年に渡り様々な現場を見て調書を取り続けてきた
ベテラン警察官ならではと言ったところだろう。
その克明な描写ゆえに、この本からは遺体の凄惨さや検視官、遺族の苦悩が、
まるで実際に見ているかのように読者の目にも写りこんでくる。
読み終わった後は、「500の幸せな人生が一瞬で肉塊と化す不条理」とか、
果ては「人間とは何か」とか、色々と考えてしまった。
もちろん、このようなテーマを扱った作品であるので、
読んでいて決して気分の良いものではない。
思わず本を閉じてしまいたくなるような描写も多い。
しかし、検視現場に携わった検視官や看護婦は、
皆、「あの現場で人生観が変わった」と述べているそうである。
そのような現場を緻密に描写したこの作品は、
人生を考える上で決して損にはならない一冊である。
全ての人にお勧めしたい。
命の灯
この世は沢山の事件、事故様々な不条理が待ち受け人々の人生に影を落とす。
この不条理では多くの命が失われ、悲しみの渦が広まった。
亡くなられた命、その遺族の為に遺体の身元確認に奮闘する人々。
多くの悲しみが渦巻く不条理という深淵を警察、看護婦、医師達の熱き命の灯が暖かく照らす。
著者をはじめ身元確認に携わった人々の根底にある善意という灯は私とって眩しく暖かいものだった。
人生観が変わった。
このテの本を読む動機には誰しも少なからず共通の不心得的好奇心が存在するはず。本書は圧倒的なドキュメンタリズムで 決してTVでは知るすべの無い事実のみを記録した貴重な作品であり 気の弱い方では 完読すら危ぶまれます。しかし読めば読むほど この事故に遭われた方々 そして遺族の方々への同情の念と対岸の自分の好奇を恥じる気持ちが湧いてくる そんな一冊です。日航事故関連はもとより 様々な事件 事故 災害 戦争等のルポルタージュの中でも出色の作品と言えるでしょう。
日航機員と遺体確認関係者に敬意を表する
私のほかに大量にレビューがあり、ここまで読まれないであろうが、良い本だったので筆を
取る。墜落時、全行政機関および自衛隊は、ジャンボ機の墜落を全く予定していなかった。
本書は、警察官として身元確認班長として行動した筆者による体験記である。
想定と前例がない中、ほとんどがいわゆる離断遺体であり、体がバラバラになってただの小さな
肉塊になったものを含め、外部と完全に遮断した公民館においてその遺体確認作業と行なってゆく。
医師、歯科医師、看護婦、近隣の自治体の協力を得ながら、遺体確認の確実性に当然ながら厳しい
注意を求め、一つの遺体、遺骸、肉魂にも間違いをすることなくその親族らに引き渡した。
8月に発生した事件であり、遺体の痛みにも注意しなくてはならず、報道陣による遺体撮影を防ぐ
ため、窓も全て覆いをかけて閉めきり、35度の中、睡眠をほとんどとらずに連日連夜遺体確認を
進めた。
いつまでも引き取り人がこない幼児の遺体に、筆者が毎日抱き上げ、頬ずりし、謝る場面である。
これは、このような奇跡的な作業がなされるには、関係者の全員が、
遺体に心情を同化させずにはおられなかったことを如実に物語る。涙なくして読めない作品であり、
また人というもののもつ素晴らしい側面を教えてくれる本である。日航123便のボイスレコーダ
はYOU TUBEで聞けるが、日航機上の日航職員が最期まで落ち着いて職責を果たしたことがわかる。
彼らを含め、本件の対応にあたった全ての人々に対し、ここに敬意を表します。
墜落遺体
名の通り、墜落遺体。
あたしは1日かけて読んだ。300弱ページあるんだから分けて読もうと始めは考えていた。が、読んだら止まらなくなったから1日で読んでしまいました。
この本は、機内の様子やコックピット内の様子、被害者の事等はほんの一部しか書かれてない。あたしは被害者の気持ちを優先させる性格なので、少しそこの所は残念だった。
この本は、愛と正義の素晴らしさを教えてくれる本である。どんなに悪い人間も、人間で、人の命が奪われた時、同じ事を思い目標とするんだ。人間に悪い人なんかいないんだと思ったら泣けた。
命の儚さや尊さを感じた本
読み終えて得たものは、命は儚くて尊いものという事でした。飛行機の様な鉄の塊が、時速600km以上のスピードで墜落したら人間の体がどうなってしまうかがこの本には書かれています。遺体描写などがあまりにも衝撃的で刺激が強くて気分が悪くもなりましたが、「命」っていうものが強烈に発しているこの本を読み終えて今はとてもこの本との出会いに感謝しています!著者をはじめ、当時の事故に関わった方々は、凄惨な現場で本当によく頑張ったなって思います。
