- [著]茅沢 勤
- カテゴリ:
- 単行本 (230頁)
- ISBN:
- 4062722550
- 発売元:
- 講談社 (2004/05)
- 定価:
¥ 920 (税込)- 在庫状況:
- 在庫なし
ユーズド商品:¥ 105 より
一強二弱
朝鮮統一を夢見る金日成と,台湾を征服して中国統一を夢見る毛沢東。いずれもソ連の協力なしには実現不可能であり,かつ,ソ連としても,その両者を同時に実行するだけの国力はなかった。綱引きの結果,毛沢東は中国統一を断念せざるを得なかった。
いざ戦争開始となっても,ソ連はアメリカを刺激することを恐れ,表立った軍事的支援は行わず,中国に肩代わりを求めた。ソ連空軍が支援するからといって中国の参戦を求めながら,いざとなると支援を全く行わず,空軍の支援なしに独力で戦わなければならなかった中国人民軍。
しかも,スターリンは休戦に強く反対し,休戦が実現したのは,スターリンの死後になってからだった。
「三国志」とはいうが,スターリン・毛沢東・金日成の関係は完全な「一強二弱」で,毛沢東も金日成もスターリンに振り回されっぱなしだった(朝鮮戦争当時,中国もソ連に匹敵するような強い地位にあったように誤解していたが,冷静に考えると,社会主義国の大先輩ソ連には頭が上がらない状態だったのだろう)。
そうした三者間の力関係がうまく描き出されている本だった。
厄介で 自己中な 隣人達の欺瞞の昔話
ハゲタカとハイエナとピラニアの三つ巴。
平和御気楽大国日本に、未来は有るのか???
驚くべき、朝鮮戦争秘話の数々。
大法螺吹き、金日成の無謀な野望。
偽者、金日成の正体、ソ連の手先。
嘲笑される世襲体制。
狡猾、老獪、スターリン。
中国参戦、他人のフンドシ作戦。
両天秤、裏切り作戦、蒋介石を釈放せよ。
マーガリン共産主義。
17番目のソビエト社会主義共和国。
日本分割の危機。
日本救出、マッカーサーの英断。
迫害されてきた、毛沢東。
美しく、美味なもの。
台湾侵攻、見果てぬ夢。
小金、毛沢東に救われる。
陰謀、金日成亡命政権構想。
林彪、参戦反対。
前門の米軍、後門のソ連。
悲嘆に暮れる、毛沢東。
それでも偉大なるスターリン。
蒋介石への、贈り物。
恩知らず、無節操の北朝鮮。
厄介で 自己中な 隣人達の欺瞞の昔話。
昔々は、今でも続き、未来へと続く。
ハゲタカとハイエナとピラニアの三つ巴。
不滅の狂獣達は、吼え続ける。
微妙な三角関係と、朝鮮戦争勃発の真相
ソ連邦の崩壊、中国の経済開放化といった歴史的転換を経て十余年。
特に旧ソ連邦の重要秘密文献の公開を受けて、今までベールに包まれていた朝鮮戦争の勃発前後の状況も、次第に明らかになりつつある。
本書に先行して、他にも類似の出版物がいくつかあるが、本書は内容もさることながら、新書という手軽さや価格からいっても、コストパフォーマンスが大変よい。
血気にはやり、国際情勢を読む洞察力に欠ける、まだ若き日の金日成。
米ソ直接対決への発展を恐れつつ、深慮遠謀をめぐらし、北朝鮮と中国を両天秤にかける老獪なスターリン。
おかげで、蒋介石が逃げ込んだ台湾への侵攻(中国の統一)を断念せざるを得ず、建国直後の疲弊にもかかわらず、苦渋の参戦を決意した毛沢東。
北朝鮮・ソ連・中国の3人の指導者における、微妙な三角関係が大変興味深い。
スターリンの死去により、たちまち休戦が整うが、正式には現在もまだ戦争状態は継続中である。
また、本書では、その後のフルシチョフによるスターリン批判、中ソ対立への発展についても言及されている。
大東亜(太平洋)戦争に敗れた日本も、分断国家とされる可能性が少なからずあった。朝鮮戦争では、日本は米軍の兵站基地として利用され、いわゆる「特需」により、その後の高度経済成長につながっていく。
朝鮮戦争とは、日本にとって、単なる歴史上の一事件ではない。
