- [著]山本 昭彦
- カテゴリ:
- 新書 (237頁)
- ISBN:
- 4062725126
- 発売元:
- 講談社 (2008/07/18)
- 価格:
- ¥ 920 (税込)
- 在庫状況:
- 通常24時間以内に発送
ユーズド商品:¥ 790 より
入門書としても秀逸な、異色のシャンパン本
シャンパンの本といえば、オシャレ、豪華、エレガントの三拍子そろったみたいな、「お上品本」が多い中で、これはなかなか辛らつなところもあり、シャンパンへの情熱が熱い異色の本。
文体もテンポがあって小気味いいし、シャンパンという酒の全体像がわかる、格好の入門書ともなっている。
ただ、断定口調やちょっと気取ったいいまわしなど、それを小気味いいと感じるか、やや嫌味と思うか、人によって分かれるところかもしれない。
しかし、紹介されるエピソードの面白さ、現地での生産者への取材の深さは、この著者の力量とシャンパンへの情熱が、ハンパなものでないことを感じさせる。
本書が著者の最初の本のようなので、これからもこの手の面白いものを書いてほしいという期待も込めて、星5つ。
第6章では、「死ぬまでに飲みたい30本シャンパン」が実際に紹介されていて、章トビラの裏に書かれた言葉を読んで、思わず笑ってしまった。
「もっとシャンパンを飲んでおけばよかった!」
あの高名な経済学者、ケインズの言葉だそうです(笑)。
誰が読んでも、何かしら発見がある
シャンパンについて、あらゆる角度から書いてあるので、誰が読んでも、何かしら発見がある内容だと思う。例えば、「フランス料理は、北方のバター文化と南方のオリーブオイル文化に分かれている。ブルゴーニュやシャンパーニュのような酸がしっかりしたワインにはバターを使った料理が合う」など、シャンパンの良し悪しだけでなく、参考になる事柄が色々でてくる。
ただ、30本のシャンパンの章はそうでもないが、テーマにより、ヘレンケラーの話とか小エピソードが多すぎて、主眼がわかりにくいと思える箇所がある。著者がウェブサイトで書いているワインや食コラムのように、もう少しすっきりさせた内容のほうが、著者の探究心の旺盛さや、実体験があふれた本の独自性が際立ったような気がする。
ワイン初心者でも十分面白いと思うが、見ためより(読みやすさのわりに)専門的な奥の深い話もでてくるので、ワインの知識がある人の方が、より多く共感しそう。
近年、次々にシャンパン本が出版されたが、その中でも、おすすめの1冊だと思う。
著者の頭の中はバブルの時代のまま
酒の肴にお酒のことを知りたくなって何冊か手にした中の一冊。
書店でみて、序文が気に入って購入した。
著者は、新聞社で働いていたことがあるとのことで、ひとつひとつの文章が短く、
リズムがあり読みやすいと思った。
少し読んでみて、さすがシャンパン好きなことだけあり、
よく知っているなあと思った。
しばらくして、あれっ?と思った。
”ハンバーガーをドンペリで流し込む証券会社の敏腕トレーダー”だの
”都内の某ワイン・シャンペン講座には颯爽としてハイソな客室乗務員がいる”だの
若干苦笑した。
著者にはそれが格好いいと映るのだろう。
著者の略歴をみたら、1961年生まれとのことで、バブル時代をよく遊んだのだろうなーとうかがえた。
最近の世の中ってもう少し地に足を着いているのが、格好よくなってきるんじゃないかのーと著者に言いたくなった。
著者の頭の中はバブルの時代で止まっているような気がした。
ヴーヴ・クリコって「クリコ未亡人」の意味なんだ
この本に説得力があるのは、何度もシャンパーニュ地方を訪ね、造り手を訪問して、納屋をセラー代りにしているような小さな作り手にも、ブドウの絞り方(キュヴェ=最初の絞り汁)、ドサージュ(リキュールを加えて甘口、辛口を決めること)の方法などを丹念に聞いているから。
たとえば、セロスの弟子であるジェローム・プレヴォー。この人のことは知りませんでしたが、ピノ・ムニエで素晴らしいシャンパンをつくっているという文章を読んで「飲まずに死ぬと後悔する10本」にも選ばれていたジェローム・プレヴォー・ラ・クロズリー・ベギーヌを注文してしまいました。
シャンパンにまつわる話では、ヴーヴ・クリコ(veuve-clicquot)は「クリコ未亡人の意味だ」と言われてハッとしました。このほか、ポメリーも未亡人だし、ローラン・ペリエのリリー・ボランジュも未亡人だそうです。マッチョなワインの世界と違って、パッケージなどでも女性独特の感性が生かされますし、いいんでしょうね。だから、ベッカム夫人なんかもクリスタルが好きなんでしょうし。ヴーヴ・クリコがエカテリーナ相手に売りまくったのも、女性同士の絆を感じます。
気持ち悪い
著者は、BMWの5シリーズ分をシャンパンに費やしてきた旨を記しています。それがどのくらいの額なのか、5シリーズにもピンキリあるのでわかりませんが、どうやら7シリーズほどは費やしていない、という程度の意味でとらえればよろしいのでしょうか。
いずれにせよ、こんなフレーズを冒頭に書き記す人の神経の粗雑さに、なんだか気持ち悪さを感じました。シャンパンに相当な凝りようなのは十分にわかるのですが、著者のどこか野暮でいびつな感性に辟易してしまいました。
シャンパン道を極めたくなる!
自らの足でシャンパーニュ地方の作り手を取材してきた氏だからこその説得力があります。
読みやすいだけでなく、テロワールについては、かなり上級者向きで専門的です。
うだるような暑さの続くこの時期に出版したのもよかったのではないでしょうか。読み終えてすぐ、シャンパンを買ってしまいました。(笑)
山本氏の言うように、泡にごまかされてすべてのシャンパンを「おいしい!」と飲んできた気がします。山本氏の言う人生は短いから本当においしいものだけを飲んで天国への階段を昇りたい、に賛同。おすすめの30本を一生かけて飲んでみたい、と本当に思いました。
熱いガイド本
ワインのガイドにありがちな難しさがなくて、スイスイと読めました。著者の人は本当にシャンパンが好きみたいで、熱さが伝わってきます。
コンパクトなのもうれしいです。年末に向けて、少しづつ飲んでいきたいなと。用語集はきちんとしたのがなかったので、助かってます。
新書でこれならお徳
筆者が厳選した30本のシャンパンを、造り手の歴史や製法、ときには人物像などをまじえて紹介している。「1年に1度は飲みたい」「一生に1度は飲みたい」「飲まずに死ぬと後悔する」と3つのカテゴリーに分けているが、これは概ね、初級者、中級者、上級者向けと考えてよさそうだ。
シャンパンの選び方に多少マニアックなところも感じ、「まずいシャンパンが多すぎる」の巻頭にも面食らうが、資料の引用ではなく、現地で取材し、外車1台分!の金額をつぎ込んだけあって、説得力はある。ベッカムなどセレブの逸話、ドン・ペリニヨンやヴーヴ・クリコの伝説も興味深い。
ワインを知っている人のほうが楽しめるが、入門者向けに美味しい飲み方を伝授するいっぽう、達人向けともいえる、格付けを詳しく説明している。新書という買いやすさで、★半分おまけ。
