- [著]東野 圭吾
- カテゴリ:
- 文庫 (365頁)
- ISBN:
- 4062730170
- 発売元:
- 講談社 (2001/01)
- 価格:
- ¥ 660 (税込)
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悪意に理由はない
人間の心の奥底に潜む理由なき"悪意"―
その、一種の執念とも言えるものをここまで徹底的に突き詰めた東野さんに感服。
手法も斬新で、犯人の手記と加賀刑事の記録、独白、回想・・と、それぞれの側から交互に語られていく。
なので、前半で早くも犯人が分かってしまって、まさか後半全部使って種明かし?と、一瞬興ざめしたのもつかの間。
物語はそこから二転三転し、最後には「やれれた!」と叫んでしまった。
ものすごくダークだが、数ある東野作品の中でも個人的に上位にランクインする1冊。
内容と読後感
がかなり気持ち悪い。そして動機が、おそらく意図的にスッキリしないように描かれてるため私には受け入れられなかった。
最後までグイグイ引っ張る
本作は、ある人気作家の殺人事件を巡り、
被疑者となった友人と彼を追及する刑事との回顧を交互に配置して、
鮮やかなアリバイ崩しや、それをはるかに上回る事件の背景、
さらにタイトルともなった大小の悪意、
そして、本件の動機ともなった底知れぬ悪意を描き出すものです。
早い段階で犯人は明らかになるものの、
一見単純とも思えた事件の背景と動機とが二転三転していきます。
ちなみに、本件に描かれた細かい設定はすべて意味を持っています。
よもや、本件がこれほどの拡がりを持つとは…。
思わず、真相を追う加賀刑事と同じ感想を抱かされました。
また、真相につき、加賀刑事も思い当たる節のある、
大きな社会問題についての問題提起が織り込まれているのも秀逸だと思います。
決して後味は良くありませんが、一読に値する作品です。
す、すごい小説・・・
手記のみで事件が進んでいき、
しかもその内容が真実とは限らない・・・。
とっても斬新な描き方で東野圭吾すげー!
と思わずにはいられませんでした。
どんでん返しも1回のみではありません。
繰り返し読みたくなる小説もそんなにないですが、
これは間違いなくもう1回読みたくなります。
伏線につぐ伏線の数々!ほんとに東野圭吾スゴイです。
読んでる途中でも何度となく読み返しました。
犯人の悪意もほんとに陰湿で
そのためにここまでするか!?と言いたくなります。
伏線好きならぜひ。
加賀恭一郎シリーズ
東野圭吾の大得意であるミスリードを最大限に生かした作品かと思います。
最初から最後まで騙され続けました。
まさかこんな所で著者の術中にハマっていたのか!!?という感じです。
発端の殺人事件は割とあっけなく解決してしまうのですが、それこそがこの物語の序章だったとは終盤に入ってやっと分かりました。
その捕まった犯人が決して語らない「殺人の動機」。
この作品は、
人が殺人を犯す動機はなんなのか?
この事に焦点を当てて加賀刑事が推理していく事で進んでいきます。
あらすじの説明をもう少ししたいと思ったのですが・・・難しいですね。特にこの作品は。
とにかく、東野圭吾の読者の意表をつく作風が好きな人は読んでみましょう!!
とんでもない結末に驚くことかと思います。
これはすごい。
「殺人動機とは何なのだろうか。そのことを考えながら書いた」(著者)
人気作家が殺された。なかなか明らかにならない動機。
次第に明らかになる事件の真相。かつての悲劇が殺人の動機となったのか。
とにかく、レビューなどは読まずにまずは読んでみるべき。たったひとつの殺人事件を巡り新たな事実が判明する度に、二転三転する事件の「真実」。読み進めるたびに、読者も事件の真相に迫っていくが・・・最後は唖然とするほど見事。
犯人、刑事の手記の掲載という形で進んでいくストーリー展開。これも読み終わってみれば必然的に選ばれた手法だった。うまい、の一言。
ミステリー好きにはたまらない、世界がぐるりと回転するような読書体験ができる、よく練られたストーリー。秀逸な舞台設定。タイトルの付け方も本当にうまい。「悪意」の本当の意味を知ったとき、それまで意識していた分かりやすい「悪意」をはるかに超えた、空恐ろしい「人間の業」というものが感じられる。
小説ならではの楽しみを堪能できる、絶対おすすめの一冊。
人の持つ悪意とは。
手記を通して描かれるストーリーと言うことは、
事件が全て終わってからの回想と考えるとドキドキ感はあまりないかなぁと、
実は一章を読んだ後に思ってしまいました。
殺人事件後は犯人にとって不利な物証が次々出てきたりと、あまりにも単純な展開で、
東野作品2作目の「卒業」から先は2000年以降の作品ばかり読んでいた私には、
加賀恭一郎に久々に会えたうれしさしか見いだせませんでした。
それが後半、思いもよらない展開に。
思わず一気読みしました。
人はどうしてこう、ねたみという気持ちが芽生えるのでしょうか。
そしてそれを消化しきれなかったとき、
なんと残忍なことをしでかすんでしょうか。
その心持ちを決定づけるのは、昨日今日の事が原因ではなく、
小さな頃からの積み重ねで起きることに愕然としました。
ストーリー展開はもちろん期待を裏切りませんが、
子育て世代にはかなり考えさせられる小説でもあると思います。
「悪意」の真の意味
案外あっさりと犯人は分かるものの、その動機は分からない。
思わせぶりな証拠や証言が出てくるも、私は最後までその動機が予想できませんでした。
告白形式や記録形式で話が紐解かれていくのは斬新で面白い手法だと思いましたし、
話にはぐんぐんと引き込まれていきます。
さすが東野作品という感じでした。
でも、私としてはなんというか、あまり腑に落ちない最後でしたね…。
本当にこの「悪意」は、被害者にとってはたまらないだろうなと考えると、なんとも言えない気持ちになります。
結果オーライのメタ・ミステリー
作家達が繰り広げる殺人劇が、登場人物達の手記や告白により全て一人称で語られる。解説で桐野夏生が指摘するように、文字に書かれた「記録」や人の語る「記憶」の曖昧さ、信用できなさを、そのままトリックに使った着想は見事だし、殆ど「文学」的ですらあると思う。
一方で、「文学」作品の代表作である漱石の「こころ」なんかもそうなんだが、登場人物達が書く「手紙」「手記」により話の大部分が構成される小説というのは、その肝心の「手記」が妙に長くなってしまうところにリアリティが無くなってしまい、形式自体が弱点になったりする。(こんな長い手紙を書くもんかいな、と。)
また、この小説の場合、語り手達は全体の構成の中でシナリオをもらってそれを演じる役者のようで、その心情描写には深みがない。いや、心情描写という点では、このタイトルにもなっている、人間の持つ「悪意」の根本的な不条理さがこれでもかというくらいに書かれており、唯一その点での心情描写には成功していると思う。ただ、これをミステリーでやると犯人の動機は結局言語・理屈で解析できない、ということになり、謎解きにはならない。そういう意味で、この小説はメタ・ミステリーとして機能しており、ミステリー作家としては相当巧い作家じゃないと、こういう手法は取れないだろう。
メタ・ミステリーの構図を構成するためにだけ描かれた登場人物達に魅力が無くて感情移入しにくいのに、それでも人間のドロドロした感情(=「悪意」)が上手に伝わってくるという、不思議な結果オーライの作品。
短いタイトルだが、それに全てがこめられている。
めちゃ面白かったですw
流石東野圭吾ですね。この人の小説はいつも一筋縄ではいかない。
売れっ子作家だけあって読みやすさはピカイチだし、一晩で読破できました。
手記や告白文でストーリーを進めるという独特な手法には驚かされ、感心しました。
ホワイダニットに重点が置かれているという点でも珍しい作品です。
ミステリー好きには必読書ですね。
