- [著]北森 鴻
- カテゴリ:
- 文庫 (280頁)
- ISBN:
- 4062733277
- 発売元:
- 講談社 (2001/12)
- 価格:
- ¥ 560 (税込)
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香菜里屋に行きたい
初めての北森作品として読みました。物語にグイグイと引き込まれ、とても面白かったです。
4種類の度数の異なるビールが飲めるビアバー『香菜里屋』のマスター工藤が謎解きをする連作ミステリー。
登場人物の個性が光り、それぞれが短編として完成されています。
また、ミステリーを読んでいて初めて、こんなお店に行ってみたいと思わせてくれたほど、料理の描写が絶妙です。
シリーズとして続編があるとのこと、読破してみたいと思います。また一人、好きな作家が増えて嬉しいです。
「香菜里屋」シリーズ第一弾
三軒茶屋の奥まったところにあるビヤ・バー「香菜里屋」。
アルコール度数の違うビール四種と
読むだけで涎が出そうな創作料理が大きな魅力。
そこのマスター工藤が安楽椅子探偵となって
「日常の謎」を解いていく連作短編シリーズ第一弾。
謎解きはやや強引で、テクニックに走りがちといえども、
表題作『花の下にて春死なむ』を皮切りに
読者の琴線に触れる短編も多い。
なにより工藤をはじめ、登場人物たちの人間としての陰影が
謎解きに華を添える上品な一面を持ち合わせている。
グビグビ読ませる
お酒の飲めない自分でも、楽しむことの出来た作品たちでした。
寡黙なマスターとの会話の中から事件は解決へと向かっていく。
さりげない言葉と料理が競演している。
ビールのおいしい季節はいつなのだろうと想像しながら、グビグビと読み進めることが出来た。
ミステリーというよりも
日本推理作家協会から賞をもらっている作品だが、
ミステリーというより、雰囲気で読ませる小説という気がする。
それはもちろん、香菜里屋と工藤という魅力ある店とマスターのおかげなのだが。
ミステリーとしては、鯨統一郎の歴史モノのような強引さがもっとあってもいいとおもう。
その分星ひとつ減点とした。
男も40を過ぎれば、香菜里屋のような隠れ家的な場所を
一つや二つ知っておきたいところだが、
現実にはなかなかうまくはいかない。
この作者に関しては、いろんなシリーズ物が出ており、
もう少し読んでから、評価したい。
香菜里屋シリーズ
「香菜里屋」が舞台の作品を何冊か大変面白く読んだ記憶があるのですが、
これはちょっと悩んでしまいました。
お料理が美味しそうだし、マスターの安楽椅子探偵ぶりもいい感じなのですが、
どうもしっくりこない。
それはどうしてなのかと考えた私なりの結論ですが、
多分、ストーリーがひねりすぎだなんだと思います。
マスターに突拍子もない謎解きをさせようとするあまり、
話の裏の裏をかいてしまっているのではないでしょうか。
つまりやり過ぎなんでしょうね。
私も常連になりたい素敵なお店が舞台なので、
次の作品に期待します。
カナリヤ
1998年に出た単行本の文庫化。
おしゃれなビア・バー「香菜里屋」のマスターが客の話を聞きながら、様々な謎を解いていくという短編集。6篇が収められている。
ビールや料理は美味しそうだ。ホタテの殻をそのまま鍋に使ったものなど、ぜひ、食べてみたい。
しかし、ミステリとしての出来は悪い。トリックや謎というより、人生の機微を解き明かすような話が多い。小説としては興味深いが、謎の解き方は滅茶苦茶で、方向性を間違えているのではないかという気がする。
もう少し工夫がほしかった
この作品は連作ミステリーになっている。「香菜里屋」という店を訪れる客。
その客たちにまつわる話や、客たちが話題にするできごとから、店主の工藤が
独特の感性で謎を解いていく。印象に残ったのは表題作の「花の下にて春死なむ」だ。
一人の男の人生の悲哀さを感じさせる。また、その男に思いを寄せていた一人の
女性の心情にもほろりとさせられるものがあった。ただ、全体的にストーリーに
もう少し工夫がほしかった。謎が分かっても「なるほど!」とは思えなかった。
工藤が作る料理の描写がすばらしくて、食べてみたいとは思ったのだが・・・。
せつないミステリーだと…
謎解きのプロットを越える物語性とせつなさが、秋の夜長に一気に読ませる魅力を持っていると感じる。あなたも香菜里屋のカウンターに座る一人になってみたら?
たまには辛口の批評も良いでしょう
本作のレビュアーの方達は優しい方ばかりなので、たまにはヤボな辛口の批評も良いだろう。工藤のスーパーマンぶりには目を瞑ってである。
タイトル作「花の下にて春死なむ」は老俳人の孤独死と隣のアパートの女性の殺人事件の結びつけが強引過ぎる。しかも、その理由が題名に西行の短歌の一部を使いたいだけとは情けない。「家族写真」はこんな偶然性の高い人間関係がある訳ないだろう。「終の棲み家」は設定を見ると、作者が老人問題を理解していないのは明らか。死を覚悟した老人はもっと別の行動を取る。作者は年老いた肉親を看取った事がないのではないか。それと短編ミステリの基本である冒頭の奇妙な謎(この場合ポスターが剥がされる)が結末で解かれるという様式美を逸脱している。「殺人者の赤い手」は乱歩の少年探偵物の下手な模倣。「七皿は多すぎる」は、題名はH.ケメルマンの「九マイルは遠すぎる」のもじりで、内容はI.アシモフの「黒後家蜘蛛の会」の風味という作者のオリジナリティが全く感じられない作品。「魚の交わり」の中で唯一のトリックらしきものは、古くはF.ブラウン「笑う肉屋」で使われ、その後様々なバリエーションで使用されているのに、本作で敢えて用いる理由が不可解。本作にミステリ味を持ち込む必要があったのか。
本作はミステリと考えず、目くじら立てずに、それこそ作者の"味"を楽しむべき作品なのだろう。
料理はおいしそうだが…
うーん…。
謎解きに無理があるのはまぁこの手の話としてはしょうがないとして、店に来ている客がいちいち「どうして!」とか「え!?」とか気持ちの悪いリアクションをとるのがどうにも気になって。
話も微妙な軽さがハマる人にはハマるのでしょうか…。
他の方も書いてみえますが、料理は本当においしそうです。
内容は(私は)つまらなかった。
