A2Z (講談社文庫)

  • [著]山田 詠美

カテゴリ:
文庫 (248頁)
ISBN:
4062736233
発売元:
講談社 (2003/01)
価格:
¥ 490 (税込)
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評価: 4.5
2006
11/19
Sun

ひたすらかっこいい

50.0% (1 / 2)
[No.32] posted by カロリナ

山田詠美の文章が好きで、気づくと夢中になっていつも一気に読んでしまう。
この作品も「詠美節」が全開。
彼女の作品が好きな自分は読んでいて気持ち良かったけれど
同時に少し物足りない気もした。
主人公と夫との関係、恋人との関係、
面白いし納得できる部分もあったけれど、
はたしてここまでシンプルにいくものだろうかと
ちょっと疑問も持ってしまった。

2006
07/18
Tue

老練な書き手だが…

66.7% (16 / 24)
[No.31] posted by 茉莉花

最初に断っておくが、私はこの作者の小説をあまり好きでない。
文章は読みやすく、語彙のセンスも卓抜、構成力にも優れているが、
表現されている思想が
あまりにも露骨な選良意識と蔑視感情、
幼稚な自己顕示欲で埋め尽くされているからだ。
本編は途中まではそうした悪癖が上手く抑えられており、
反感を持たずに読めた。
主人公と若い恋人との照れ隠しめいた応酬も
リアルで共感の持てるものに仕上がっている。
だが、主人公と同性の親友の会話の辺りに
ファンの人にはそれこそが魅力なのかもしれないが
この作者の良くない部分がまた出てきてしまっている。
「雑誌に載ってるようなマニュアル通りの恋愛しか
できない若い女たちとは違う私たちは大人のいい女」
という優越感に集約される女性二人の自意識に
逆に幼稚で大人になりきれない心象が露呈している印象を受けた。
「三十代も半ばの編集者や大学の先生ってこんなに暇なのかしら?」
と白けた感慨さえ生じた。
主人公夫妻がそれぞれ異なる出版社に勤める編集者だという設定が、
物語の根幹を成す重要な設定であるにも関わらず、
仕事の描写にあまり現実味が感じられない点も気になった。
「仕事ではライバル」である夫婦の葛藤が
所詮感情面に留まる綺麗事の範疇を逸脱せず、
食い扶持を稼ぐ仕事で争う緊張感や切迫感に乏しい。
作者の理想や美意識を優先して、
主人公夫婦をせせこましい現実に囚われない造型にしたいのかもしれないが、
主軸となる設定に嘘っぽさを感じさせるやり方は率直に言って手落ちだと思う。
尚、この作者の作品は概して、作中の主人公と作者自身の思想がほぼイコールの関係にあるが、主人公が文字を扱う職である本編では特にその傾向が強い。
それゆえ、主人公が夫からも深い部分で必要とされ続け、
若い恋人からも新進の作家からも魅力ある女性として扱われる展開から
自己の分身たる主人公を不要に甘やかす作者の捩れた選良意識が覗く様で鼻持ちならない。

2005
12/06
Tue

初めての山田詠美

87.5% (7 / 8)
[No.30] posted by そうすけ

オランダとスペインを旅行してたときに一気に読んだ本の一つ。
自分の恋愛に対する考え方は幼稚だなぁと思っていたときに、勉強になるかなと思って手にした本。
初めて読んだ山田詠美の本。

35歳の既婚の女性文芸編集者と同業者の夫、そして年下の男との話。

最初のうちは、とにかく腹が立った。
ムカつく。
自分の恋愛を反省しようと思ってたのに、「おれのが正しい!」とか思った。
「『恋って仕様の無いものだと思うよ、私は』
『格好悪いよな』
『成生もそう思う?』
『うん。だって主人公のつもりになっちゃうんだぜ。柄にもないのにさ。美しい夕暮れの中で、切ない思いを抱えているおれ、なんてね、あ、涙、でてきた』
そういって、成生は、笑いながら泣き真似をするのだった。考えてみれば、恋愛小説の主人公は、いつだってその気だ。照れることを知らない。私たちは照れる。けれど、そうしながらも、主人公の役を降りない。」
どろどろした不倫小説じゃなくてさばさばしてるのはいいが、句点の多い甘っちょろい言い回しと、この年下男ってやつが気取っててムカつくなぁ、とか思いつつも洗練された年上女性に惹かれながら読み進む。
と、後半の展開は秀逸。
上手くいっていたようにみえた恋愛の裏で、実はマイナス要素が着々と積み上がっていて、些細なことからそれが表立って呆気なく壊れてしまう、感じが巧みだと思った。
というかそういうことが、自分の一番学ぶべきトコだったんだろう。
そして後半のその非常事態で、言葉や理屈で話を整理していく主人公の姿勢が泣ける。

「私は、つき合い始めの頃に、月を一緒に食べようと電話で彼が提案したことを思い出した。あれから、ずい分と長い時間が流れたような気がする。息を飲むほどに新鮮だった彼の言葉の数々は、もう私の耳に慣れている。彼もまた、同じように感じているのだろう。・・・こんな自分、好きじゃない。私は、そう思った。自己完結した世界の中だけで自分を好きでいられる程、私は強くないのだ。私は、いつも他人の手を必要としている。それも、一番、近いところにいる他人の手を。ぼくの好きなきみ。私は、自分がそれに値する者であるのを、いつも感じていたいのだ。」

2005
11/22
Tue

上手いね

57.1% (4 / 7)
[No.29] posted by 理系の文系

 上手い,上手すぎる.村上龍にも似た著者の反社会的とでも言うべきアウトローな所とコミカルな所が融合してすばらしい出来になっている.それに加え,ただ単に面白く読みやすいだけでなく,考えさせられる箇所もあり,テーマがテーマなのにちっとも暗くなっていない.話も最も良い終わり方をしていると思う.今の所,山田詠美の最高傑作ではないだろうか?

2005
08/16
Tue

山田詠美さんの作品は初めて読んだけど・・・

0.0% (0 / 1)
[No.28] posted by ブラックベルベット

全体的にさらりとした文体で書かれていて、かっこいい作品。
一浩と夏美の関係は一見ドライであるように思える。しかし、実はお互いにとてもよく分かり合っている。それが読んでいて心地よい。

恋愛ってのはただの足の引っ張り合いだと思っていたので、この本を読んで少し考え方が変わりました。

2005
07/01
Fri

何故か涙がでました

85.7% (6 / 7)
[No.27] posted by 兎子ちゃん

理由は分らないけど、電車の中なのに読んでいて
涙がでました。←恥ずかしい・・・
詠美さんの言うところの「不貞」のお話です。

一見、普通の結婚生活に収まらない
現代的なドライな夫婦に見える夏美と一浩ですが、
お互いへの思いはカジュアルでない。
恋人に対してもそれは同じで、息が詰まる程の
幸福とせつなさを感じます。

甘ったるくない、大人のお話です。

2005
06/21
Tue

もう最高でした!!!

100.0% (1 / 1)
[No.26] posted by saki_yamane

山田さんの作品は他に「風葬の教室」(この本に含まれるこぎつねこんもですが)しか読んだことが無かったので、比較はできませんがとても素敵な話でした!!!「結婚している」という理由で縛られない夏美と一浩の恋愛観がとてもかっこよかった・・・というか素敵でした!!!
また、永山翔平の役もこの本の登場人物としてかなり引き立て役でした。あと、夏美と出会って新しい体験を重ねていく成生の役もかなり印象的でした。私がこの本で尊敬した人物は時田さんだったんじゃないかなと思います。いつもパワフルな感じがとっても魅力的で「こんな人と仕事をしてみたいな」なんて思っちゃいました。
私はまだ、中学生でガキだし(ニックネームの通り)あまりきちんとした評価は難しいのですがとにかくこの本で夏美や一浩の恋愛観に憧れを抱きました。本当にこの本に出会えて良かったです!!!!

2005
06/04
Sat

良かったです!涙)

100.0% (3 / 3)
[No.25] posted by エキノックス

以前から詠美さんの書くものには惹かれていました。この本は私の最高にお気に入りです。なぜなら舞台もとても日常的で登場人物も日常的で親しみを感じる人ばかりだから。また、編集の仕事をしてる主人公の女性、夏美の恋のお相手が郵便局員というのもなかなか良いですね笑)素朴なものに惹かれるという感覚・・・登場人物も特に非日常的でなく身近に感じるタイプの人が多いのでストーリー共々とても親しみを感じました。

自分の中でひたすら気持ちに忠実に楽しいこと、感動できるものを大人の理性で封印せず進んで楽しもうという子供のようなみずみずしい部分をあえて恥じずに受け入れて前向きに楽しめている夏美はキュートだし共感をすごく覚えました♪成生君は私も好きですね笑)35歳の夏美さんが成生くんに価値を見出す感覚も私にはよくわかります。共感できます。

本の中でいくつか印象に残ったセリフ…「私は大人げのなさを楽しみ尽くせるほど大人なのだ」名言です笑)私の心の核にあるものと一緒!それが嬉しかった!「恋愛が陳腐なのは砂糖が甘いってのと同じ、永遠の真理なのだから」これも好きなセリフでした笑)

2005
05/09
Mon

これは、ひたすら「恋物語」。

100.0% (3 / 3)
[No.24] posted by suzumibachi

大好きな山田詠美作品の中でも、最も好きな一冊。
「AMYさんが描く不倫なんて、何かあるな~」と思っていたら、
やっぱりその通り。
これは不倫の話じゃない!
確かに、普通に見れば不倫。夫婦がそれぞれ別の人と恋をしてしまう。
そう、これは不倫ではなく、ひたすら「恋」。
読んでいるうちに、一浩と夏美が夫婦で、お互い不倫をしているなんてこと忘れちゃう。

そして、私が一番好きなキャラクターは、新人作家の永山翔平。
彼の言動がすっごく良いんです!
この人物がいることで話が動いていくような気すらする。
とにかく、登場人物の個性がとても良い。どの人もクール。
そして、前向きなエンディング。
不倫は苦手だけど、恋は良い。そんな人にお勧めです。

2005
05/09
Mon

一番近い小説

100.0% (4 / 4)
[No.23] posted by suzumibachi

山田詠美ファンの私が、やっと出会った最高の小説。
編集者の、ごくありふれた日常。そのなかで起きる、恋という名のアクシデント。
不倫の話は苦手なのですが、これは違う。
「あ、恋に落ちちゃった、どうしよう」という、不倫らしからぬ恋。
他のAMY作品に比べると、この話は登場人物の日常がしっかりと書かれていて、会話なんかもリアル。
彼女の作品は、「ちょっとカッコ良過ぎて遠い…(だからこそ好き)」
と思っていたのだけど、これは「近いな!」と感じました。

一番好きなキャラクターは、新人作家の永山翔平!
彼の言動に夏美が揺れるのが面白い。
そして前向きなエンディング。
何度も読み返したい作品です。


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