- [著]村上 春樹
- カテゴリ:
- 文庫 (415頁)
- ISBN:
- 4062749041
- 発売元:
- 講談社 (2004/10)
- 価格:
- ¥ 680 (税込)
- 在庫状況:
- 通常24時間以内に発送
ユーズド商品:¥ 400 より
宣伝につられて購入したが、80年代不良文学
内容はさっぱり忘れてしまい、ノルウェーの森同様
ハードカバーで購入したが、捨て本となってしまった。
それ以降この輩の本は購入リストから外れた。
踊るんだよ 誰もがびっくりするくらい上手に
大学4年生のときに、この本を手に取り、とても印象に残っていた。今、12年後改めて読み直すと、主人公の年齢と同じになっていた。自分がこの本にとても影響を受けていたことを再認識し、この小説の文体をまねして友人たちと話していたことが思い返された。今でも、この本は示唆に満ちていて、生きるためのコツをたくさん与えてくれる。すばらしい本だとおもう。
nowhere men
四部作の内で一番共感した。時代が80年代で私の青春時代にあたるからかもしれない。
「羊をめぐる冒険」ほど評価されていないようだが、かなりの秀作だ。現実と超現実が相互貫入しているところが面白い。
80年代は現実感覚が麻痺した捉えどころの無い時代だった。何が権力を握っているのか、誰が敵なのかサッパリわからぬ時代だった。誰もが見当識を失っていた。誰もが「羊抜け」状態だった。思念のみ存在する表現の冬の時代。主人公も現実復帰できそうで、できない。
四部作中でも、作者は最も真摯に自己告白しているように思う。
このシリーズは作者と主人公が老人になるまで続けてもらいたい。
「風の歌を聴け」ではなく「風に訊け」の作者をモデルにしたと思われる作家が(どういうわけか)登場する。ボードリヤールの理論の影響もあるかもしれない。ツイン・ピークス(この作品の2年後に放映されたテレビ映画。)に似たところもある。
4作品の中で一番面白く読みました
「ダンスダンスダンス」は「風の歌を聴け」から始まる、ぼく(主人公)が活躍する第4作品目です。(タイトルだけではシリーズ第何作目か分かりませんので始めて購入する方は注意が必要です。)
本作では、タイトルが現すように、主人公(ぼく)はかなり積極的な動きをする。北海道、ハワイなどでの生活、また深い謎を解くためにも時には攻撃的なコミュニケーションをとる。それらは、ダンスを踊り続けるという羊男からのアドバイスにもよるのだろうが、ストーリーも奇想天外でこれまでの作品以上に奇想天外で楽しい。
個人的には、4作品の中で一番面白く読みました。
高度資本主義社会
『ノルウェイの森』とほぼ同じ時期に書かれた作品ということですが、『ノルウェイの森』
とは対照的に、それほどの深刻さはなく、書きたいことを書きたいように書いているという
感じがしました。「スイミングスクールで鰐に食べられる」など、ジョークも冴えていて、
のびのびとしていて、僕にとってはとても好きな作品です。
しかし、高度資本主義社会で生活する我々の人生の意味やむなしさ、そのなかでの人との
関わりなどに関する重要な考察も見受けられます。読んでいて、なんだか親しい友人と
語っている気分になります。有名な文学作品にはない、この親近感が魅力的なのかもしれません。
変容する村上春樹
初期三部作の続きで最後の作。もちろん 今後村上が更なる続編を作る可能性は排除しないが おそらく 作らないと思っている。
村上にしては珍しく後書で 本書の主人公は 「原則として」三部作と同人物であると言っている。逆に言うと そう言わないと それが分からない読者が多いのではという村上の懸念かもしれない。
それほど 前の三つの作品との断層があるのだと言う事なのだと思う。
この作品では村上はひたすら「死」を扱っている。出てくる登場人物達は 現実からのやり直しを求めながらも どうしようもなく死に取り付かれて死んでいく。
本書を書いていた頃の村上は 40歳程度で 欧州で「常駐的旅行者」という立場で 放浪していた頃だ。そんな疲れと影が どこか本書に漂っている気もしてならない。
本書は評価としては分かれているようだ。むしろ 元々の村上ファンからは 幾分かマイナス評価を得ている趣もある。確かに 話がきちんと完結しておらず 答えを出さないというスタイルが本書あたりから 村上には出てきたような気がする。その点で 読んでいてもどかしさがある。
但し 初期三部作、特に 始めの二作に見られた村上のスタイリッシュな軽さの中に おりのようによどんでいたものが はっきりと主張され始めたという点では貴重な一作だと僕は考えている。ストーリーテリングの冴えも申し分ないと思うからだ。
よりディープに
主人公の放浪癖が加速する。
暗い闇を旅するなかにも新たな出会いや思わぬ再会がある。
これまで主人公に感情移入してきた読者は、
おや、こいつ説教臭くなったぞ、30過ぎておじさんになったか?と
感じるかも。
*作品紹介には三部作とあるが2007年現在は四部作。
1.風の歌を聴け2.1973年のピンボール3.羊をめぐる冒険4.ダンス.ダンス.ダンス
80年代だけど新しい
村上春樹にしては珍しくミステリーっぽいこの作品。
『羊をめぐる冒険』もなかなかスピード感があったが、今作はそのミステリー感の影響でさらにスピード感のある作品となっている。
あんまり書くとネタバレになるので書かないが、今作のテーマは『死』と言っても良いと思う。
ある場面で主人公はこんなことをユキと言う不思議な少女に語りかける。
「人の生命というのは君が考えているよりずっと脆いものなんだ。だから人は悔いの残らないように人と接するべきなんだ。公平に、できることなら誠実に。そういう努力をしないで、人が死んで簡単に泣いて後悔したりするような人間を僕は好まない。個人的に。」
良い台詞だ。
80年代後半に書かれたとは思えないくらい新しい。
一読の価値アリ。
踊り続ける意味
自分は村上作品の中でこの「ダンス・ダンス・ダンス」が一番好きだ。一般的に失敗作といわれているにもかかわらず。高度資本主義社会で自分を見失ってしまった主人公、どうしようもない喪失感と孤独感をかかえながら、彼は踊り続ける(他者とかかわり続ける)ことで自分を回復しようと奮闘する。とにかく会話が洒脱で読んでいて楽しい。作者もきっと楽しく書くことができたんじゃないだろうか。魅力的な登場人物たちとドラマティックな展開は難しい解釈以前に、ぐいぐい物語に引き込んでくれる。
タイトルからもいえるようにとても音楽的要素の濃い小説だと思う。作品中には実に多くのミュージシャンの名前が出てくる。「トーキング・ヘッズ」、「デュランデュラン」、「ジェネシス」・・・これらの名前はその時代を強く意識させる役割を担いながら、作品に彩りを添えているように思う。小説のラストシーンで「僕」がささやく希望に満ちた言葉はどこか穏やかな読後感を与えてくれるものだ。
ダンスは止まらない
羊の冒険の続きになります。
フリーライターとして働いて四年、「僕」は社会とうまくやっていたけれど、なにかに導かれているかのように「いるかホテル」に戻ってきた。
そこは巨大な近代ホテルに変わっていたけれど、羊男と邂逅する。
そこは「僕」のために誰かが泣いている場所。
人が感心するくらい難しいステップでダンスは踊り続けないといけない、って言葉を胸に帰京する。
不思議な縁で出会った十三才の少女ユキと、キキを通して再開した中学の同級生で有名タレントの五反田君が、自主的に引きこもった「僕」の遊び相手だった。
ダンスを踊ることから覚えないといけないユキと、誰よりもうまく踊っているように見える五反田君のふたりの間で「僕」もまたステップを踏み続けようとする。
立ち止まったら海に沈むしかないからだ。
ノルウェイの森の透明な空気に沈む悲哀が美しかった。
しかし本作は、それをのりこえて底の抜けた感情が伺える。
「僕」はユキを見守る余裕が生まれていたし、それを自分の過去と重ねて大人になったことを自覚している。
それでも誰かが自分のために泣いてくれている場所を必要とするほどに「僕」の心は乾いていたのだ。
これから「僕」がどうなっていくのか、次作も期待したい。
