- [著]重松 清
- カテゴリ:
- 文庫 (477頁)
- ISBN:
- 406274998X
- 発売元:
- 講談社 (2005/02)
- 価格:
- ¥ 730 (税込)
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ユーズド商品:¥ 114 より
流星ワゴン
大絶賛されているのを事前に知っていたので期待が大きすぎたかも。
驚くような展開とかわくわく感があるような物語ではなく、
しんみりと心に響くような本だった。
自分の親が「親」という役割を通してではなく、一人の人間、
それも自分と同い歳の時にどういう人間だったのか。
興味はあるが、怖い。
父と子の愛情に泣ける・・・
読み終えて、母と子はよくあっても、父と子の愛情をここまで描く作品ってあまりないんじゃないかと思った。落ち込んでいる人、今しんどい人にとって、前向きになり、元気がもらえる本。
ネタは古いが、感覚は新しい、傑作。
息子の非行、リストラ、妻の不貞。
ひとつでさえ、とても重く、家庭(人生)が壊れていまいそうになる事柄が、
3つも重なってしまう。
死んでしまいたい、と思った主人公は、偶然出会った「流星ワゴン」に乗って、
そうなってしまった原因とも言える、
過去の人生の分岐点(過ち)を確認する旅に出る。
しかし、それこそが、まさに神に与えられたチャンスだったのではないだろうか。
それは、過去を振り返ることで、今という未来を変えるのではなく、
今と繋がっている(これから始まる)未来を変えろ、と。
決して後悔を繰り返すな、と。
同年代の人間として、この物語は身につまされる思いで読んだ、
そして、泣けた。自分の息子を抱きしめたくなった。
主人公の今から始まる未来に、わずかながらも希望の光が見えたことが、
まるで自分のことのように、妙に嬉しく思えた。
文章が平凡
評判の良い重松清なので、期待して読んだがイマイチだった。
ストーリーはいいと思う。チュウさんと触れ合うことで主人公が少しずつ親を理解していく過程の描写は丁寧で素晴らしいと思ったし、健太くんが車から降りる最後のシーンなど泣きそうになった。
けれど、全体を通していかにも「いい話でしょ?」と、押し付けてくるように感じた。
妻の行動原理もわからない。彼女の掘り下げをもっとすべきだったのでは。
決定的なのは文章だ。平凡で面白くないのが残念。読んでいて全く発見も刺激がない。
音楽で言うところの、聞きやすく手軽なポップミュージックといったところか。
感動、だけど恐ろしい
精神的にばらばらになった家族を何とか再生させようと悪戦苦闘する男の物語。最も身近な存在である家族を我々はどこまで理解しているのか。毎日顔を合わせ、会話をしながら、実はお互いに知らない部分が多い現実の恐ろしさ。そして、血のつながっていない親子が、幽霊になった後でお互いを深く理解するようになるという皮肉。最後に主人公は希望を取り戻しますが、苦い思いの残る一冊でした。
きれいごとじゃないファンタジー
読んでいてこんなに胸が痛くなった小説は、初めてだった。
何の問題のない平凡で幸せな3人家族が、誰が悪いわけじゃないのに
すれちがって、壊れてゆく。
親なのに子供を助けてあげられなかったり、
子供なのに上手く甘えられなかったり、
それは寂しいことなのだけれど、本書に書いてあるように寂しいと思うことは
人を求めている証拠で、救いでもある。
自分が何よりも感動したのは、本書の主人公が子供の苦しみを見て苦しむことができ、
その苦しみを阻止しようと必死になるところ。
子供の苦しみに気づいていなかった自分を後悔するところ。
同い年になった父親と出会うという展開も、
微笑ましかった。
いじめやテレクラなど重い展開もあるのに、
読後感が暗くない。
むしろ重い展開があるからこそファンタジーなのにリアリティがありました。
本書を、家族ものとして読むだけではなく
人と人とのつながり全てにおける希望を与える一冊として深く心に刻まれました。
今を生きるという事
死んじゃってもいいかな、もう・・・。
信じていたものが自分には無くなって。最悪な状況。「死」という生からの逃げ道が頭を掠める。そんな時、主人公は不思議な親子に出会う。ワゴンにのった親子。彼らは5年前に、交通事故で亡くなっていた。
この親子との出会いを通して。後悔の無い生き方を、前をみて生きるということを見つける。
過去から目を背けていたあの時には無理でも過去を変えようとした今は、未来を変える力がある。
主人公と同じ状況に陥ったのなら、きっと、この作品を思い出すのであろな、自分は。
ただ、大人になって読んだ自分には、所詮綺麗事。って思ってしまう感も否めない。素直に読める年頃の子供たちに、是非読んでもらいたい。
ここからがはじまり
やり直しのきかない後悔の現実。あの時こうしていれば・・あの時なぜそうしなかったのか・・今私の胸の中にも取り戻すことのできない後悔は渦巻き、今もその現実は厳然とある。主人公は流星ワゴンに乗って、「人生の岐路(大事なところ)」に立つ。しかしその岐路は、現実の世界の自分ではまったく岐路とは気づかなかった岐路である。馬鹿な親子だと5年前は嘲笑した初めてのドライブで交通事故死した親子。その記事を読んだときには自分は幸せだと確信していた主人公。しかし、そのときから目に見えない家族の崩壊は始まっていた。このストレス社会の中で、大事なものを見失わないように、流星ワゴンのドライブはたとえどんな現実も今ここからやり直していける勇気を教えてくれる。
親子っていい!!
小さい頃に親父は死んだんで、記憶には残ってないケド、どこかで僕を見てるんだろうと勝手なプラス思考に陥りました。
大号泣
悲しい現実に遭遇した時、保障のない未来にどこまで希望を持てるのでしょうか?
強い人間は絶望をはねのける人間のことではなく、絶望ですら大きな自身の一念の中で消化できる人間のような気がしました。
父親を亡くすとき、
母親を亡くすとき、
大事な人を亡くすとき、
それをどうやって受け止めるんでしょう?
全部の悲しみをこの胸に受け止めて、強く生きる自分になりたいなと思わされます。
流星ワゴンを読むと、父親に注がれた愛情を思い出したような気がします。
橋本親子の再会シーン。チュウさんが涙ながらにカズを生かしてくれとせがむシーン。
チュウさんとカズが立ちションするシーンは号泣モノです。
絶対お奨めの作品です。
