- [著]ディーン クーンツ
- [原著]Dean R. Koontz
- [翻訳]田中 一江
- カテゴリ:
- 文庫 (618頁)
- ISBN:
- 4062751445
- 発売元:
- 講談社 (2005/07)
- 価格:
- ¥ 1,100 (税込)
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量子力学を「感じる」人々を取り巻く物語
クーンツの作品は本書が初めてなので、作品群の中でどんな位置を占めるのかはわからないが、とても面白く読んだ。
キーワードとなる「バーソロミュー」という言葉をめぐって、一見関係がありそうでなさそうな、さまざまな家族模様が交互に描かれ、それがどうつながっていくのか、読者に息もつかせない。登場人物も皆、個性的かつ魅力的だし、舞台となるオレゴンや(行ったことはないけど)サンフランシスコの情景描写も巧みだ。最後の詰めがちょっとあっさりし過ぎかなーとは思ったが、読後感は悪くない。
最近、あまり「ネタばれ」されると迷惑だという書き込みを見つけたので、これぐらいにしておくのがいいのかな。もう少し中身を知ってから読みたいという方は、上巻のレビューに詳しくあるので、そちらをどうぞ。
最後に一つ、「ニワトリが先か卵が先か」の回答の一例が示されているのが、ちょっと笑えた。
愛とは、女装したアンソニー・パーキンスのように、突然表れる。
ハンサムで自意識過剰、電波系?の殺人鬼に狙われる二組の母子のサスペンスドラマというよりは、普通の人が見えない世界を見ることが出来る天才児たちの成長と、母親たちの葛藤と母性愛を描いており、どちらかというとファンタジー性の強い作品の印象を受けました。上巻に比べ、各章のページの長さが増えた分、キャラクターの心理面を深く掘り下げており、特に失明する息子を思いやる母親の心の揺れは、読んでいて心打たれるものがあります。殺人鬼との対決のオチが、あっさりしすぎているようで、少し不満に思いましたが、過去の大災害や歴史的な事件に詳しい兄弟や、一見マジックと思えるコイン移動が得意な刑事など、母子を支えるキャラクターたちの設定も良く、エピローグの静かな感動につながる作者の手腕はさすがというべきでしょうか。また、60年代末の世界情勢や風俗が、物語の背景になっているのも面白く読めました。
