- [著]京極 夏彦
- カテゴリ:
- 文庫 (744頁)
- ISBN:
- 4062751801
- 発売元:
- 講談社 (2005/09)
- 価格:
- ¥ 1,040 (税込)
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僕はこちらのほうが好き
京極堂のシリーズと同じ登場人物が出てくる話なのだが、同じ作者の手になるものとは思えないぐらい、こちらのシリーズはからっと明るい話に仕上がっている。おどろおどろしい話より僕はこちらのほうが好きである。古きよき時代の探偵小説の香りがする。短い話からなっており読みやすい。京極堂シリーズとは違う人物を狂言回しに配置することで話の雰囲気を変えるの成功している。もちろん主人公が榎木津になっていることが一番大きな理由なのが・・・。ところで、京極堂シリーズの各話も榎木津を主人公にすると、それだけで明るい話になったりして・・・。榎木津を主人公にした同じ事件の話も読んでみたい気がする。
痛快でした
榎木津のキャラが面白くて好きだったので読みました。
その場をぶち壊しているようでいて、でも調和が取れている、という
榎木津らしさがとてもよく出ていました。
勧善懲悪、といっていいのか分かりませんが、見ていて痛快でした。
ボーナス。
メインのシリーズに対するサブのような作品集―中編集。
カムイ伝に対するカムイ外伝のようなものか。
こんなものを読んでいる暇があるなら、他の作家の名作に時間を割けばいいのに―、と我ながら思うのだが、そこは惚れた弱みで京極と名がつけばつい手が出てしまう、読み始めれば最後まで読んでしまう。まあそんな愚痴はともかく、サイドストーリーとはいえ一応ミステリーの体裁にはなっているし、謎解きもきちんとあって結構楽しめる。本編では京極堂の登場場面が段々遅くなっているようにも思うが、こちらは割りに早くから登場して来る。役回りも本編と同じ。三篇中、オチが見えてしまうものもあるが、それでも途中で投げ出そうというファンはいないだろう。重いシリーズの合間に息抜きとして読むのもいい。これまで辛抱強く(?)作品に付き合って来たファンに対する作者のボーナスのようにも思える。
内容としては……
京極堂シリーズの外伝的な話ですが、これはこれで一つの傑作だと思います。
ただ、主人公なのに榎木津の登場シーンが少ない気がしますけど、でも彼のキャラはインパクト強すぎなので、全然問題ないと思います。
探偵 大活躍
京極堂外伝になるのでしょうか、探偵大活躍。シリーズに出てこない第三者を狂言回しにもってきてあります。彼の目から見たかの面子の印象はなかなか興味深い。
理屈はなし。面白い。
京極夏彦氏の作品にただよう、暗くいかがわしい「鬱」系の雰囲気を愛する人には不向きかも。「躁」系の榎津探偵のキャラクターを最大限に生かした痛快冒険小説というべきか。(推理小説ではないですから。)
京極氏の作品の読者は、自分も含めておそらくどちらも愛せるだろうから問題はないと思うのだが。本編(姑獲鳥の夏〜邪魅の雫)のシリーズを読んでいなくても、ストーリー上は全く問題ないのだが、登場する人物のキャラクターを予備知識として持たないと、楽しみが減ることは間違いない。
作品としては、榎津探偵が快刀乱麻を断つ暴れっぷり。ピンの主人公としても十分行けると思ってましたが、予想以上の爽快さ。邪魅の雫で思いのほかやさしい側面を見せた榎津探偵だが、本作では、優しいんだか壊れてるんだか、情緒の入り込む余地がないほど豪快に事件を終わらせる。解決という言葉は妥当でないほど、事件を破壊している。
気持ちよく読める作品である。
漫画の様な痛快さ
榎木津をメインに据えた京極堂シリーズ番外編な本作。中篇3作はどれも小粒ながらとても面白い。京極堂シリーズの面白さは、本作は中篇ながらその面白さの要素が実に巧みに成り立っている。ただ本編にある重いテーマ、人間社会の暗部に迫った様な部分はあまり書かれず、せいぜい政治家の汚職だとか小悪党の悪巧み程度の物しか本作では書かれていないが、娯楽小説として肩肘張らずに読めて、これぞエンターテインメントだ!といわんばかりの良作です。本シリーズの方が最近は何か人間の心理に重点を置いた、良く言えば文学的な方向性がますます強くなってきている。これは作者の進歩した姿なのか、それとも書く要素を「本シリーズ」と「番外編」とで選り分けているのかは計り知れない。多分後者でしょうね。これは読者から見れば楽している様にしか見えない。初期京極堂シリーズの様な京極テイストが絶妙のバランスで書かれた壮大な傑作を望みたいのだがもう無理なのかも知れないですね。そういう訳で本作ではまるで漫画の様な(蛇足だが京極夏彦は最近の作家なのでやはり漫画の影響がありますね。昔からアクションシーンなんかとてもリアルとは言えませんもの)楽しさを与えてくれるなかなかの佳作です。
最強のサイド・ストーリー
京極堂のサイド・ストーリー。榎木津を主人公に据えた中編三編、『鳴釜』・『瓶長』・『山嵐』からなっている。
榎木津がいない京極なんてつまらない。僕はそう思っている一人である。もう一歩押して榎木津のいない京極堂なんて読まないかもしれない。いつもながら絶好調の作者の筆は榎木津を頭に据えてまさに極限の絶好調。躁状態とも言えるかもしれない。(●^o^●)
これが実にメチャクチャである。もう面白すぎて笑いと感情を抑えるのが大変になってくる。大変な傑作だ。
巻末解説を見るとなんと阿部寛が書いている。映画『姑獲鳥の夏』で榎木津を演じたのは、阿部寛だったらしい。なるほど結構あっているかな。『姑獲鳥の夏』なんかよりむしろ本作『百器徒然袋―雨』あたりを演じてくれるともっといいだろう。何しろ読んでいて作者がめっぽうテンションをあげて、けらけら笑いながら書いているのが目に浮かぶ。(>_<)最強のサイド・ストーリーだろう。
京極堂シリーズを止めてこちらをメイン・シリーズにしたら
ご存知、超人探偵榎木津が痛快無比、断固殲滅、唯我独尊な活躍を見せる快作。収録作は、「鳴釜」、「瓶長」、「山颪」の3つ。本作では2文字熟語で題名を揃え、「雲」では3文字熟語で揃えるあたり、作者の美意識が窺える。
本作では1作目の、高貴な令嬢の結婚式をぶち壊しながらも悪漢を懲らしめる(この古い言い回しが違和感を覚えさせない)「鳴釜」が1番痛快。メイン・シリーズから"華仙姑(の名)"を登場させるサービスぶり。
「瓶長」は国際問題に発展しかねない希少価値のある甕と"高貴なお方"の亀の悪趣味なゴロ合わせの中で、京極堂の憑き物落しが決まる。"織作コレクション"の名前が見えるのも嬉しい。
「山颪」は美術品窃盗団を叩きつぶす話だが、この辺では京極堂は妙に尻軽になって、積極的に仕掛けに関わっているようで面白い。私の好きな関口が殊更矮小に描かれているのは少し残念だが。
「薔薇十字探偵社」シリーズでは、榎木津の他は全て下僕であって榎木津の思いのままに動くのだが、さすがに話に結末をつけさせるため京極堂もゲスト(!)出演している(後半ではノリが良いが)。が、榎木津の縦横無人ぶりの活躍の前には影が薄い。メイン・シリーズの近作「塗仏の宴」、「陰摩羅鬼の瑕」の不振ぶりを見るにつけ、「京極堂」シリーズに見切りをつけて、「榎木津」シリーズを表看板にした方が良いのではと(半ば本気で)思ってしまう。
暴れっぷり、理不尽っぷり・無茶苦茶っぷりに拍手!
名探偵・榎木津礼次郎が主役の短編集。
家柄の良い御曹司・眉目秀麗の麗人・学歴も良く、そしてこの3つを全てぶち壊す程無茶苦茶・理不尽さ全開の探偵榎木津、
そして榎木津の友人で古本屋の主であり、神主でもある本編の主役の京極堂こと中善寺秋彦、
そして理不尽に振り回され無茶苦茶な目に合う下僕達が事件を解決していく。
本編のような重さ、陰惨さ、遣り切れなさは皆無で、とにかくひたすら笑えます。
壺だらけの庭でやくざと大立ち回りをして、挙句そのやくざたちを武器に庭中の壺を破壊したり、下僕達を理不尽に振り回す様子など、暴れっぷり・理不尽っぷり・無茶苦茶っぷりが最高です!
本編に疲れた時にオススメです。
